#荻窪読書会 『杉江松恋の、読んでから来い!』
- ShirasakaMie
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@borasisii はじめまして。フォローありがとうございます。おもしろそうな企画なので、31日までに『極北』読んで参加したいですー。
2012-10-04 11:29:22スーパーフラット読書会イベント「読んでから来い」は10/31開催です。今回の課題作はマーセル・セロー『極北』(中央公論新社)。参加者全員がなんらかの形でレジュメを切るという趣旨です。レジュメといっても長い文章じゃなくてもいいですよ。 http://t.co/GZNRAc9E
2012-10-04 12:12:31読んでいただくとわかるのですが、『極北』はネタばらしをせずにあらすじを書くのがたいへん難しい小説です。だから「読んでから来る」ことをお勧めする次第。レジュメは切れないけど覗いてみたい、という人はとにかく詠むだけでも読んでください。読書会ではネタばらしを解禁の予定です。
2012-10-04 12:16:24ちなみにこのイベント、ベルベットサンが許してくれれば定期開催、できれば月一回ぐらいはやりたいという心積もりです。みんな、一緒に毎月レジュメ切ろうぜ!
2012-10-04 12:17:52以下は杉江松恋さんの「解説」の書き方に関する連ツイ。
こちらは長文の書評の書き方についてですが、ご参考に。
切羽詰った〆切があると、ずっとそれが頭に取りついて眠れなくなることがある。いくつもの語句の断片が浮かんでくる。それをつなぎ合わせるとなんかえらく画期的でかっこいい文章になるような気がする。飛びつく。やってみると全然駄目なので全部消す→振り出しに戻る。このくりかえし。
2012-09-30 19:00:48そういうときの処方は「型にはめて書いてみる」ことだ。たとえば文庫解説を書くとする。一般的には原稿用紙8~10枚くらいの分量である。仮に10枚とする。文字数×行数でいくと40×100行だ。この行数で書くべきことを割り振ってみるのである。まずは要素を抽出する。
2012-09-30 19:02:46私が解説で重視するのは「あらすじ」「自分の読み」「書誌」の3つである。これには最低限必要な文字数がある。たとえば「複雑な話なのであらすじは長めに30行」「読みはポイントを整理すると3つあったから、それぞれ20、15、10行」「多作の作家なので書誌は40行」といった具合だ。
2012-09-30 19:06:04おっと、もうこれで105行あるのだが、まあ細かいことは気にしない。これに加えて文章をサンドイッチ構造にするようにする。「意気込み」と「感想戦」をつけるのである。「意気込み」はこれから文章で何を書くかを端的に示す個所。プロレスラーがカメラの前で「あいつを殺す」と吼えるのに近いか。
2012-09-30 19:07:13「意気込み」の書き方にはいろいろ工夫がしてあるのだけど、また別の機会に(気になったら読んでください)。おしまいの「感想戦」は「フーフー言っている」状態に近い。言いたいことを解説の本文で書きまくった後なので、もう息は切れているのだけど最後に一つだけ「どうしても言いたいこと」を書く。
2012-09-30 19:09:09「あらすじ」「読み」「書誌」の部分では比較的自分を出さないようにしているので「意気込み」と「感想戦」ではちょっとだけそれを許す。これからどんな人が解説をしようとしているのか、どんな人が書いたのかがわかったほうがいいと感じる読者もいるからだ。
2012-09-30 19:11:05もちろん優先度は低いので前後のパーツは文字数に収まらなければ切ってしまう。ポイントは絶対に主部の文字数を削らないこと。そこにあるのは「誰が解説でも書くべきである」と私が考えているところだからだ。それを書かないなら自分は解説者失格である。大事なことの順位を絶対忘れないことが大事だ。
2012-09-30 19:13:29さて、パーツごとの文字数(行数)は決まっているので、後はそれを書いていく。「あらすじ」「読み」「書誌」のどれから始めてもかまわない。それぞれ部品を置いていって、全部できたらつながりを見てみる。だいたいいびつなので整理をすることになる。「読みやすくする」のがその目的だ。
2012-09-30 19:15:46大事なのは最初から最後までつっかえずに読むことができることなので、だいたいここで一回プリントアウトしてみる。紙の無駄だが、裏紙なので許して。読者の目になってざーっと読んでみると発見がある。たとえば中盤の重たい部分は内容に問題があるのか、文章に問題があるのか、などと。
2012-09-30 19:17:53これでだいたいおしまい。簡単である。大事なのは最初に決めた文字量の配分を常に念頭において書き進めることだ。途中で「この部品ちょっと長すぎた」とか「もう一つ話題を入れたほうがいいかも」などと思うときがある。途中で変更するより、全部入れてみて最後で切ったほうがいいような気がする。
2012-09-30 19:21:04書評を読んでいて下手だなーと思う人の大半は、この順番を間違えている。「読み」優先で「あらすじ」を削り「書誌」を省く。「評者がどう読んだか」という情報は確かに大切だけど、それよりも「作者はどう書いたか」のほうが重要だと私は思う。というか読者に差し出すべきものはそれだと信じている。
2012-09-30 19:26:02以上の過程を経て私の文庫解説や長めの書評はできています。あとは校正時に「冗談」を入れるぐらいかな。もちろん例外もあるのだけど、書評の執筆時に全体の型をぼんやり構想してから始めるのは作業効率を上げる意味でもお勧めしたい。この「型」を覚えて、あとは崩せばいいのです。とっぺんはらり。
2012-09-30 19:29:18
togetterでは私の文庫解説の書き方をまとめてくださっているのですが、あれは結構長い文章の書き方なので、そんなにがんばってくださらなくても大丈夫。他の参加者に「自分はこういう風に読んで、ここがおもしろいと感じました」と伝えられれば、どんなことを書いてもいいんです。
2012-10-04 12:14:08みんなでつくっていく読書会です!
どうぞよろしく!
第一回を終えて ……
『杉江松恋の、読んでから来い!』 第一回『極北』編、終了!参加してくださった皆さま、ありがとうございました! ひゃー楽しかった!! 集まったレジュメ、見事に着眼点がバラバラで、めちゃめちゃ盛り上がりました! しかも、皆一様に、春樹のあとがきの読みを裏切る結果にw #荻窪読書会
2012-11-01 01:42:48