記者がつぶやく「尼崎事件で別人の写真を掲載・放送 各社が訂正、謝罪」

●「角田被告の写真は私」54歳の女性が名乗り出る  兵庫県尼崎市の連続変死事件で、共同通信などが「角田美代子被告」として報じた写真について、尼崎市に住む女性(54)が30日、弁護士を通じて「写真は私だ」と名乗り出た。共同通信は確認作業を進めているが、女性の証言などから配信した写真は別人の可能性が高いと判断、同日夜に写真を取り消した。  弁護士によると、女性は23日に全国紙に掲載された写真を見て「似ている」と思い、翌24日にテレビで流れた同じ写真で「私に間違いない」と確信。悩んだ末に29日に弁護士に相談したという。 続きを読む
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リンク www.nikkei.com 尼崎事件で別人の写真を掲載・放送 各社が訂正、謝罪 :日本経済新聞 兵庫県尼崎市の住宅で3遺体が見つかるなどした事件をめぐり、別の死体遺棄事件を主導したとされる無職、角田美代子被告(64)=傷害致死罪などで起訴=として報じた顔写真について、NHKは31日、全国ニュー
リンク jp.wsj.com 「角田被告の顔写真は私」=別人が名乗り出る―読売掲載、共同も配信・尼崎連続変死 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com ウォール・ストリート・ジャーナル日本版は、毎日200本ある米国版の記事から厳選した情報を、日本の編集チームが翻訳・編集。これまで英語でしか読むことができなかった分析記事や鋭い論説を日本語で、リアルタイムにお届けします。
リンク J-CASTテレビウォッチ 角田美代子の顔写真間違い!50代女性怒り「普段の生活できない」 尼崎市の連続怪死事件報道で頻繁に使われていた角田美代子被告(64)の顔写真が、事件とは無関係の別の女性だったことが明らかになった。「朝ズバッ!」では、午前6時からの「朝ズバッニュース」コーナーで小林悠アナが事件の関連ニュースを伝えたあとで、「訂正とお詫びです」と前...
リンク J-CASTテレビウォッチ 「とくダネ!」も謝罪!別人だった角田美代子あの顔写真―関西女性「あれ私です」 尼崎の連続怪死事件できのう30日(2012年10月)、5人目の遺体が入ってい ると見られるドラム缶が岡山・備前市の日生港で引き上げられた。警察はきょう中身を確認する。...
  • 顔写真取り違え、なぜ起きた? 尼崎事件おわび相次ぐ 2012年11月1日03時00分
    http://digital.asahi.com/articles/OSK201210310226.html
    別人と指摘された被告写真の使用状況
     兵庫県尼崎市の連続変死事件をめぐり、事件と関係のない女性の写真が角田美代子被告(64)の写真として複数のメディアで報道された。多くの報道機関が同じ写真を入手していたが、掲載や放映の可否をめぐって各社の対応は分かれた。深刻な報道被害につながる事態はなぜ起きたのか。
    ■「写真は私」名乗り出
     兵庫県警は10月13日、遺棄現場となった同県尼崎市内の民家の家宅捜索に着手。複数の遺体が相次ぎ見つかる異例の展開をたどる事件となり、報道各社は連日、多くの行方不明者とつながる角田美代子被告について取材、報道を進めた。
     重大な事件で、容疑者の写真は事件の背景や人物像の解明につながる重要な情報の一つとなる。朝日新聞は取材のなかで、美代子被告の写真の入手も試みた。各社も同様の判断で取材を進めていたとみられる。
     今回、複数のメディアが美代子被告として報道した女性の顔写真は、美代子被告の親族が通っていた学校の式典で、1993年春に撮影されたものだ。複数の新聞や通信社、テレビ局は10月20日前後から、この写真を「美代子被告」として掲載、放映した。
     しかし30日夜になって、事態は急転する。事件とは無関係の50代女性が「この写真は私」と名乗り出た。
     女性から相談を受けた弁護士によると、女性は23日付の読売新聞朝刊や、その後のテレビ番組などを見て自分の写真だと気づいた。親族からも「これ、あんたやないの」などと言われたという。家族で対応を話し合ったが、「(報道機関に)申し入れると、またわっと(取材に)来られて困る」とも考えた。悩んだ末、29日夜になって弁護士に相談したという。
     女性は30日夜、報道陣の取材に応じて訴えた。
     「買い物をするにも周りの目が気になり、ふだん通りの生活ができない。自分の顔が映るのでテレビを見るのもつらい。どこから出たのか。なぜ私なのか。気持ちが悪い」
     写真を掲載、放映した新聞やテレビ各社は相次いで誤りを認め、紙面や放送でおわびを表明したが、女性側の怒りは収まらない。弁護士は「まだ法的手段を考える余裕もない。各社の対応を踏まえ、女性と相談して今後の方針を決めたい」と話す。
    ■分かれた使用の判断
     写真掲載をめぐって、報道各社の判断は割れた。
     共同通信は10月23日の午後6時半すぎ、写真を地方紙などの加盟社に配信した。同社によると、記者はこの日、美代子被告の親族と同級生だった人の保護者から、19年前の学校行事で保護者らが記念撮影した際の写真を入手した。
     その後、美代子被告と面識のある人物ら10人以上に写真の人物が美代子被告かどうかを尋ねたところ、「分からない」「覚えていない」という回答はあったが、「別人」と指摘した人はおらず、配信に踏み切ったという。ただ、同社は朝日新聞の取材に、美代子被告と認めた人が何人いたかは明らかにしていない。
     同社は31日、写真の女性の関係者に直接会って謝罪。女性本人にも近く謝罪するという。一連の経緯がまとまり次第、再発防止策を検討する。
     同社は2月、大分県で起きた死体遺棄事件で逮捕された容疑者と娘の写真として、別の母娘の写真を配信。この問題では社長ら12人が処分されたが、教訓は生かされなかった。
     読売新聞は23日朝刊以降、大阪本社発行の紙面では29日朝刊までに計9回、東京本社発行分では28日朝刊までに計6回、同じ写真を載せたという。
     同社大阪本社広報宣伝部によると、22日に美代子被告と付き合いのあった人物から集合写真を入手。裏付け取材では「違うのでは」と疑問視する関係者もいたが、「間違いない」と断言する人もいたため、掲載に踏み切ったという。同部は「19年前の撮影であることを考えると、さらに慎重を期すべきだった」と話す。
     毎日新聞も22日付朝刊に1回掲載(西部本社紙面は23日付朝刊を合わせた2回)。31日になって「再確認作業をした結果、誤写真との結論にいたった」と発表した。11月1日付朝刊でおわび記事を掲載する。
     一方、朝日新聞は同じ写真を取材の過程で入手したが、掲載を見送った。美代子被告と面識がある知人ら10人以上に写真の確認を依頼したが、半数以上の人が「印象が違う」などと否定。「(美代子被告に)間違いない」と話す人はわずかだった。記者や、記者を統括するデスクらは、19年前の写真を被告のものとして報道するだけの確証が得られていないと判断し、掲載しなかった。
     神戸新聞も同様に掲載を見送った。同社によると、写真は古く、複数の関係者に確認したが、本人であるとの確証が得られなかったという。記者やデスクらで議論し「間違えば重大な人権侵害になる」と判断し、掲載しなかったという。
    ■テレビも放映
     テレビ局も、ニュースや情報番組などで別人の写真を放映しており、30日深夜から31日にかけて番組内でおわびした。
     NHKは10月21日から30日昼まで、全国やローカルのニュースでこの写真を放映。31日夜の全国ニュースで、放送に使ったのは19年前、美代子被告が住んでいた地域の学校の式典で撮影された写真であることを明らかにし、「本人かどうかの確認が不十分でした。女性ご本人と関係者、視聴者のみなさまにおわび申し上げます」と謝罪した。
     広報局は「被告を知る複数の関係者に確認のための取材をしたが、確認が不十分でした」と説明。放送した回数については「社内で精査中で現時点では答えられない」としている。
     TBSは、今回の写真のほか、角田美代子被告の義理の娘の瑠衣被告の別人の写真を放映していたことを25日におわびしたばかり。
     31日の定例会見で、武田信二専務は「関係者や視聴者にご迷惑をかけ、深くおわび申し上げます」と述べた。尼崎の事件の取材は、大阪などの系列局と協力し合っているという。二つの写真の取材担当者は異なり、ともに裏付けが不十分だったとしている。
     テレビ朝日や日本テレビ、フジテレビも関西地区に系列局があり、普段から素材を提供し合っている。
     テレビ朝日は19日から、別人写真を放映していた。30日夜になって、別人と分かったという。「当時の被告を知る複数の関係者に確認したが間違っていた」としている。
    ■週刊誌にも
     週刊誌各誌も、テレビや新聞が報道した写真と同様のものと思われる着物姿の女性の写真を掲載した。
     「週刊朝日」は「被告の知人から写真を独自に入手したが、ダブルチェックを行わず確認作業が不十分だった」。女性には、代理人の弁護士を通じて謝罪したという。16日号でおわび記事を掲載する予定。
     「サンデー毎日」は、同誌を発行する毎日新聞社の大阪本社が入手した写真を使用。毎日新聞は、入手経緯などについて1日付の朝刊で説明し、おわびを掲載予定という。
     「週刊新潮」は「事実関係を確認中。今後の対応については検討中」と文書で回答。「週刊文春」は「取材、編集の過程についてはお答えしないことにしている」。「週刊ポスト」は「16日号でこの件に関する記事を掲載する予定」とし、取材への回答は控える、としている。
     「週刊現代」は今回の事件については報じていない。
         ◇
    ■「確認怠った社もあるのでは」
     《ジャーナリストの大谷昭宏さんの話》 凶悪な事件の性質上、読者・視聴者が「顔を見てみたい」と関心を抱くのは当然で、報道機関が一定の範囲で応える意義はある。ただ、今回は競争が過熱するなか、「他社も掲載している」との理由だけで十分な確認を怠った社もあるのではないか。
     知人の記者からは「現場では『あの顔写真は別人物では』との声もあった」と聞く。厳しい競争下では、そういう声には耳を傾けたくない気持ちになるのも分かるが、それでは不利な証拠を隠して有罪立証を図ろうとする一部の捜査機関と同じ。「疑わしきは掲載せず」との姿勢が求められる。写真の提供者とは別の複数の第三者にも確認する▽その際、複数の写真から選び出してもらう――などのルールを徹底し、それでも誤るようなら、二重、三重にチェックする新たな仕組みを設けるべきだ。
     顔写真が掲載されることで、別の被害が明らかになったり、報道機関に情報が寄せられたりすることもある。また、事件関係者の顔写真を持っている人は、その関係者の人となりをよく知るケースが多い。警察発表に頼らず、捜査機関の見立てを検証するためにも、顔写真を伴う取材には意味があると考える。
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