排外主義と他者の神話化

関連まとめ:「排外主義のメカニズム?」(http://togetter.com/li/406988
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弁護士 上瀧浩子 @sanngatuusagino

民族的な悲劇を体験した民族が、「私たちの民族」をかたるのは、分かる気がするけど、そういう体験があまりないのに「私たちの民族」とその理想像を語るのは何故なのかなあ。

2012-11-14 10:34:56
直立演人 @royterek

まさに悲劇の未体験故では?民族以上にリアルな家族や地域への帰属意識の希薄さも要因?@SANNGATUUSAGINO:民族的な悲劇を体験した民族が、「私たちの民族」をかたるのは、分かる気がするけど、そういう体験があまりないのに「私たちの民族」とその理想像を語るのは何故なのかなあ。

2012-11-15 00:11:51
直立演人 @royterek

排外主義者の常套句は、マジョリティであるはずの自分達こそがマイノリティによる専横の犠牲者だというもの。これは、社会的規範の崩壊によってアトム化した個人が、属性としては紛れもないマジョリティであるのに、そのマジョリティとの一体感をよくも悪くも実感できないことにも大いに関係があろう。

2012-11-15 00:34:19
直立演人 @royterek

その意味で排外主義者は、マイノリティの側に彼ら自身が想定した「絆」を羨んでいるようなところがあるのかもしれない。彼ら自身はそれを決して認めようとしないだろうし、そもそもそうした想定自体がマイノリティのごく一部にしか当てはまらないにもかかわらず。

2012-11-15 00:39:42
直立演人 @royterek

排外主義の蔓延は、社会全体が懸念し、その防止に努めるべき事柄だ。この単純な事柄を理解するには、ヒトラー主義の台頭とその帰結という最もわかりやすい例一つで十分だろう。しかし神話的反ユダヤ主義の根強い昨今の日本では、ナチズムの蛮行よりも「ユダヤ人の専横」を恐れる人が少なくないようだ。

2012-11-15 00:50:54
直立演人 @royterek

実際、日本ほど反ユダヤ主義文学が蔓延している国は世界でも例を見ない。反イスラエル主義ではなく、紛れもない反ユダヤ主義、しかも19世紀末から20世紀前半にかけてヨーロッパやロシアを席巻した古典的な反ユダヤ主義である。これが誇張でないことは、紀伊国屋やジュンク堂の書棚を見ればわかる。

2012-11-15 00:58:41
直立演人 @royterek

かつてのヨーロッパでユダヤ人が神話化されてきたように、在日朝鮮人も戦後の日本社会で神話化されてきた。前者の神話化が2000年近く続いたのに対し、後者のそれがたかだか半世紀近くのことであるという違いはある。だが、いずれも社会のマジョリティによって神話化されてきたことにかわりはない。

2012-11-15 01:06:08
直立演人 @royterek

神話化された他者は、もはや生身の次元をもたない。生身の次元を欠いては、他者の痛みを感じることも想像することもない。

2012-11-15 01:10:34
直立演人 @royterek

したがって、排外主義の真の危険は他者の神話化にある。だとすれば、排外主義に反対する私たちがつねに心がけるべきは、そうした神話自体を無効化することだろう。こうした他者の脱神話化を伴わずして、他者との関係の「正常化」はありえないだろうし、自己の内に潜む他者性の認識もありえないだろう。

2012-11-15 01:23:31
直立演人 @royterek

他者を擁護しようとするあまり、知らず知らずのうちに他者の神話化に加担してしまうということが往々にしてある。とりわけ強いタブー意識が伴うとそうなりやすい。こういうことは極力避けたい。

2012-11-15 01:30:01