「メリー・クリスマス・ネオサイタマ」＃４ & ＃５・再放送Ver(実況なし)

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第１部「ネオサイタマ炎上」より　「メリークリスマス・ネオサイタマ」

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（あらすじ：ネオサイタマ市警上層部を狙った、連続殺人事件が発生。ニンジャの関与を疑い真犯人を追う、我らがニンジャスレイヤー。残された手掛かりから浮かぶ最後のターゲットは、ノボセ老人。ソウカイヤの刺客、フロストバイトがカワラ屋根から彼を狙う！そこへニンジャスレイヤーが現れ……！）

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「……ドーモ」フロストバイトは舌打ちしながら立ち上がり、胸の前で拳と掌を合わせて小さくオジギした。(((こいつがニンジャスレイヤー＝サンか。俺の手の内はまだ知られていない筈。逆に俺のインプラント記憶素子内には、ソウカイネットで調べた戦闘データがある。お前は射撃戦に弱い！)))　1

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灰色と赤黒。二人のニンジャは相手の出方を窺いながら、防弾カワラ屋根の上を同心円状に横歩きし、間合いをはかった。不気味な静寂。上空を舞うコケシツェッペリンのLEDモニタに流れていた文字が「ヨロシサン」から「いつもお世話になっています」に切り変わった瞬間、二者は同時に動いた。　2

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フロストバイトは奥歯のスイッチを噛んで冷却装置を作動させる。両掌を素早くＸの字に押し合わせることで氷スリケンを生み出し、イナズマめいた速度で投げつけた！「イヤーッ！」芝刈り機のような甲高い音を立て、普通のスリケンよりもギザギザの多い凶悪な氷スリケンがニンジャスレイヤーに迫る！　3

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーもほぼ同時にスリケンを投げていた。両者のスリケンが激突！……だが、おお、何ということだ……普通のスリケンよりギザギザが多いフロストバイトの氷スリケンは、ニンジャスレイヤーのスリケンを切断したうえに、その勢いを全く衰えさせることなく飛来したのだ！　4

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鋭敏なニンジャ反射神経により、ニンジャスレイヤーは左手の人差指と中指を突き立たせた。スリケンを最小限の動きでかわす方法は、この二本の指でスリケン中心部を回転と垂直方向に挟み、後方へ受け流すことである。敵の力を受け止めるのではなく受け流す……これこそがジュー・ジツの極意なのだ！　5

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ニンジャスレイヤーはオハシめいた精密動作で二本の指先を動かし、氷スリケンの中心部を挟み受け流す……いや、受け流せない！何故だ？おお、ナムサン！氷スリケンは温度差によって指先に貼りつき、そこを中心軸としてバスソーの如く回転して、彼の指の付け根を切り裂いたのである！「グワーッ！」　6

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「氷スリケンは暗殺用だけではない！俺はこの技で、何人ものニンジャの手を破壊してきたのだ！ニンジャスレイヤー＝サン、貴様のようにスリケン受け流しに絶対の自信を持っているような、気取ったいけすかねえ野郎どもをなーッ！」フロストバイトは勝利を確信し、さらなる氷スリケンを射出した！　7

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは紙一重でブリッジを決め、頚動脈を狙って放たれた氷スリケンを回避。タツジン！それと同時に、彼は左手を切り裂く氷スリケンを防弾カワラに叩きつけて、辛くもこれを粉砕した。だがこれで終わりではない！「死ね！ニンジャスレイヤー＝サン！死ね！イヤーッ！」　8

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フロストバイトは両手を最新型万札偽造機のように正確にかつ小刻みに動かし、一秒あたり三発もの速度で氷スリケンを射出してきたのだ！　「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは目の覚めるような鮮やかな側転を五連続で決め、急所を狙って放たれた氷スリケンを全弾紙一重で回避する。ワザマエ！　9

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続けざま、鋭いタイドー・バックフリップを決めたニンジャスレイヤーは、敵に背を向けるような形で、屋根の端に佇むカエル・ガーゴイルの上に着地！　10

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「気取った背中がガラ空きだぜェーッ、ニンジャスレイヤー＝サン！イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」フロストバイトはここぞとばかりに、両手を最新型万札偽造機のように正確にかつ小刻みに動かし、一秒あたり四発もの速度で氷スリケンを射出！ナムアミダブツ！　11

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは間髪入れずに足場を蹴って跳躍すると、急角度のバックフリップを決めた。背中に向かって飛んできた氷スリケンを回避するのみならず、フロストバイトの頭上を飛び越え、真後ろへと回りこむような軌跡である！　12

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敵はスリケン投擲に集中しすぎたため、その場から即座には移動できない！巧妙な作戦である。ニンジャスレイヤーはあえて背中をさらし、敵の全力射撃を誘ったのだ。目指す着地点は、フロストバイトの背後ワン・インチ距離。しかも、落下の勢いを乗せて後頭部にカラテチョップを叩き込むつもりだ！　13

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「イイイヤアアアーッ！」見事なニンジャスレイヤーは眼下に敵を捉え、爆撃チョップ準備体勢を取る！ だが二ンジャスレイヤーが敵の後頭部にチョップを叩き下ろす寸前……フロストバイトは自らの胸の前で両腕を交差させ、冷気射出口を斜め上方に向けたのだ。この動きは果たして！？　14

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「イヤーッ！」フロストバイトの両肩越しに、マイナス２２０℃の液体と蒸気が空中のニンジャスレイヤーめがけて勢いよく噴射された！「グワーッ液化窒素！」　15

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アブナイ！ニンジャスレイヤーは空中で瞬時に姿勢制御を行い、液化窒素の直撃を免れた。まともに浴びていれば、彼の全身は冷凍マグロのように冷たくなってソクシしていたであろう。しかしニンジャスレイヤーは敵の斜め後方、タタミ二枚ほどの場所へと、バランスを崩したブザマな姿勢で着地する。 16

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これは間違いなくキンボシ・オオキイ！背後を振り返ったフロストバイトは、ラオモトから渡されるであろう臨時ボーナスに思いを馳せ、必殺の氷クナイをニンジャスレイヤーの喉元と眉間と股間に向けて投げた！「あばよ、ニンジャスレイヤー＝サン！貴様の死因はバック転中の不運な転倒死だーッ！」　17

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だが待て！夜よ、聞くがいい！フロストバイトがダートを投擲する直前、ウシミツ・アワーを告げる不吉な鐘が、ネオサイタマ中のジンジャ・カテドラルで突き鳴らされたのを！液化窒素煙幕の中で視界を奪われ立膝状態を取っていたニンジャスレイヤーの右の瞳が、センコの如く細く赤く発光する！　18

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(((ヒサツ・ワザ！ 間違いなく殺ったァーッ！))) フロストバイトの投げた氷クナイ・ダートは、狙い過たずニンジャスレイヤーの喉元と眉間と股間をとらえる。だがダートは彼の体を透過して背後のカワラに当たり、冬の日の灯篭に落ちる氷柱の如く、虚しく砕け散ってしまったのだ。「え？」　19

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フロストバイトは驚きのあまり目を剥く。煙幕の中にいた敵の姿が、小さく揺らいで消えた。残像であった。「え？」残像が消える直前、細く赤い光の軌跡が空中に描かれ、それはいつの間にかフロストバイトの周りを一周して背後に回りこんでいた。「え？」フロストバイトの首がずるりと前に滑った。　20

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