年末恒例。「今年のベスト10」を記録しておきます。まずは、2012年新譜CDベスト10をカウントダウン。10位は、『ペルー北部のムシカ・クリオーヤ~タジャンとシパンの息子達』。話題のペルーのクリオーヤ音楽。本作は北部の古老たちのフォルクローレっぽいコクのある演奏が魅力的です。
2012-12-31 14:14:018位は、大島保克『島渡る』。沖縄では彼がいちばん好きだな。叙情的な本作は今年前半の最愛聴盤。9位は、Lệ Quyên "Tình Khúc Yêu Thương"。今年はベトナムの女性シンガーのいい作品をたくさん聴いたけど、レー・クエンの新作は伝統とポップのバランスが絶妙でした。
2012-12-31 14:15:056位は、ユーカンダンツ『イェチャラル』。エチオピア音楽を演奏するフランスのバンド。硬質なサウンドにぶっ飛んだ。7位は、Kawatip Thidadin "O.K. Boe Ai"。タイの女子大生モーラム歌手、カオティップ・ティダーディン。ヒップホップっぽい音作りも成功してますね。
2012-12-31 14:17:134位は、George Dalaras "Ti Tha Pi Etsi Ine"。圧倒的な説得力。ギリシャのヨルゴス・ダラーラスは大衆音楽の現役男性歌手では最強です。5位は、シェヴァル・サム『Ⅱ テック』。すぐれた作品が多かった今年のトルコ歌謡の真打ちがこれ。凄味を感じます。
2012-12-31 14:18:072位は、マレウレウ『もっといて、ひっそりね。』。アイヌの女性4人組。聴けば聴くほど謎が深まる凝った音作りに惹きつけられます。3位は、Mchoya & Nyatiutamaduni "China Nyemo"。タンザニアのゴゴ人の男女混声ポリフォニー。脳内麻薬出まくりの衝撃作です。
2012-12-31 14:19:322012年新譜CD1位は、モーズ・ファンファン『ムシカテラーマ』。フランコ楽団で活躍した在英コンゴ人ベテランギタリスト、モセ・ファンファン(これが正しい発音らしい)の最新作にして最高作。革新性や衝撃とは無縁だけど、まろやかなコンゴ音楽の円熟の味わいは他のなにものにも代えがたい。
2012-12-31 14:20:34新譜に続き、2012年再発・発掘音源のCDベスト10をカウントダウン。10位は、『フィーリンを感じて』。今年はマニアのあいだで、キューバのフィーリンがちょっとしたブームでしたが、ホセ・アントニオ・メンデスの単独盤以上に、50〜60年代の音源をゆるく集めた本盤を愛聴しました。
2012-12-31 14:24:168位は、『アリジェリア~ユダヤ人歌手たちの遺産』。アラブだのユダヤだのという境界線の引きかたが無意味に思える名演ぞろいのコンピ。9位は、『大名古屋ジャズ』。ぐらもくらぶ関連の邦楽の復刻盤はどれも愛聴したが、本作は、楠木繁夫が黒田進の名で吹き込んだジャズソングが特にすばらしかった。
2012-12-31 14:25:396位は、エルフィ・スカエシ『コク・マラ~ガディス・ジャラナン』。ダンドゥットがいちばん熱かった70年代末のアルバムの復刻。7位は、"Algeria: Musiques Rebelles 1930-1962"。アルジェリア大衆音楽のアンソロジーのなかではこれをいちばんよく聴いた。
2012-12-31 14:26:514位は、『ライのルーツ~ベドウィンの伝説からオランのキャバレーまで』。ライの母体となるガルビからポップ・ライ成立直前まで。1曲目のリミティの強烈な声にガツンとやられました。5位は、ソリ・カンジャ・クヤーテ『アフリカの声』。アフリカ音楽最高のギネア人歌手の復刻2枚組。音質も向上。
2012-12-31 14:28:142位は、ハッサン・ハクムーン『スピリット~ライヴの軌跡』。ドン・チェリーとの共演の含むベスト・オヴ・ライヴっぽい内容。超カッコいいとしかいいようのないグナワの大傑作。3位は、ダン・ペン『ザ・フェイムレコーディングス』。黒人とか白人という区別がどうでもよくなる米国音楽の貴重な財産。
2012-12-31 14:29:092012年再発・復刻音源のCD1位は、Montes y Manrique "1911-2011: Cien Años de Música Peruana"。1911年にペルーの音楽家が米国で録音した歴史的音源。世界大衆音楽史のミッシングリンクがまたひとつつながったという印象。
2012-12-31 14:29:55これから、年越しのためのお買いものに行ってきます。新刊本(文庫も含む)の「ベスト10」、DVDの「ベスト5」は、帰ってきてから(夕方以降に)ツイートしますね。
2012-12-31 14:31:18でも、今年いちばんのへヴイロテは、指原莉乃プロデュース「ゆび祭り〜アイドル臨時総会〜」のテレビ放送で知った東京女子流の「おんなじキモチ」(2010年の曲だけど)。私は少し前の森高千里あたりを連想して、なかなか沁みました。http://t.co/MdmJl6jX
2012-12-31 14:41:30@s_itsme 興味深くベスト拝見致しました!エルスール寄った時等に参考にさせて頂きたいと思います。もし宜しければ、こちらのベストの投稿をtoggeterでまとめさせて頂いてもよろしいでしょうか?
2012-12-31 15:17:52保利さんはベスト10を選ぶほうではなくて、ベスト10に選ばれるほうだから、それでいいのです。RT @polyfar: 僕ちんはCDベスト10とかしたくてもできないのです。何故ならSPしか買ってないからです。。。アセ
2012-12-31 15:44:16もちろんです。よろしくお願いします。RT @dot_harai: @s_itsme 興味深くベスト拝見致しました!エルスール寄った時等に参考にさせて頂きたいと思います。もし宜しければ、こちらのベストの投稿をtoggeterでまとめさせて頂いてもよろしいでしょうか?
2012-12-31 15:44:47@s_itsme ありがとうございます。見返すときにまとまってる方が便利なので。実家の片付けしながらなのでちょっとかかるかもしれませんが、取り急ぎ音楽の方をまとめます。
2012-12-31 16:22:13「しぎょういつみ@s_itsmeさんの年間ベストまとめ」をトゥギャりました。 http://t.co/03z8HC5y
2012-12-31 17:05:112012年に読んだ新刊書(文庫も含む)ベスト10をカウントダウン。10位は、近藤ようこ『戦争と一人の女』(青林工藝舎)。坂口安吾の小説をマンガ化。「夜の空襲はすばらしい」という1コマ目が秀逸。戦時下の男女のしたたかな退廃的生活をなまめかしくも透明感のあるタッチで描いた奇跡的作品。
2012-12-31 17:26:078位は、毛利眞人『沙漠に日が落ちて 二村定一伝』(講 談社)。すぐれた戦前大衆芸能史とも言える1冊。9位は、中野美代子『塔里木秘教考』(飛鳥新社)。中国文学研究者による小説。中国に占領された新疆ウイグル自治区を舞台に、ソグド文字で書かれた古代ウイグルの偽古文書をめぐるミステリー。
2012-12-31 17:26:486位は、岡田則夫『SPレコード蒐集奇談』(ミュージック・マガジンの本)。全国の骨董市や古道具店を巡る旅のエピソードを中心にまとめた本書は、すぐれた紀行文学として楽しめます。7位は、西村賢太編『藤澤清造短篇集』(新潮文庫)。元祖生活困窮作家の貴重な短篇集。西村賢太ファンも必携。
2012-12-31 17:27:464位は、久田将義『原発アウトロー青春白書』(ミリオン出版)。原発で働く(働かざるをえない)地元の若者たちの生の声を取材。涙が止まらない。5位は、原武史『レッドアローとスターハウス もうひとつの戦後思想史』(新潮社)。名著『滝山コミューン一九七四』の番外編という位置づけかな。
2012-12-31 17:29:082位は、細川周平編『民謡からみた世界音楽』(ミネルヴァ書房)。ブルース、日本のジャズ、キューバから、かっぽれに兼常清佐と、読みごたえのある論文集。3位は、蓮池薫『拉致と決断』(新潮社)。もちろんまだ書けないことも多いんだろうけれど、生々しくも冷静な筆致に心を動かされました。
2012-12-31 17:30:292012年に読んだ新刊書(文庫も含む)の1位は、田子内進『インドネシアのポピュラー音楽ダンドゥットの歴史―模倣から創造へ―』(福村出版)。画期的なダンドゥットの通史研究。(博士論文を単行本化した)本格的な研究書でありながら、一ファンとしての大衆文化に対する愛情にあふれています。
2012-12-31 17:31:12