蒼国来関の土俵復帰を求める裁判―傍聴記録を検証してみた

蒼国来関が土俵復帰を求めて争っている裁判。第一回の公判から12月20日の結審まで、全回、傍聴に行きました。八百長問題が発覚したときは、連日報道がなされましたが、裁判の経過については、ほとんど報道がなされなかったので、傍聴した者から見て、一連の流れとともに、ポイントと思われる点、疑問点などを、できるだけ客観的に振り返ってみました。
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yutakamika @yutakamika

1)日曜日から大相撲初場所が始まった。もちろん、私は相撲が大好きなので嬉しいし、朝からiPadでストリーミング中継を見ている。協会もいろんなイベントを行って相撲人気の復活に努めている。その裏で、蒼国来の土俵復帰への戦いも続いている。(続

2013-01-16 06:27:38
yutakamika @yutakamika

2)協会は、「なかったこと」にして、進みたいのかもしれないけれど、ずさんな調査によって汚名を着せられ、力士としてだけでなく、人としての名誉も傷つけられた人が戦っていることは忘れないでほしい。私も、ずっと裁判を傍聴してきたので、(続

2013-01-16 06:27:58
yutakamika @yutakamika

3)気になったポイントを挙げておこうと思う。2012年3月1日は、元・恵那司が出廷。故意による無気力相撲をしたと、調査委員が認定した平成22年5月場所の「春日錦vs蒼国来」の取組について、仲介をしたのか、との協会側尋問に対し、「記憶が曖昧」と答弁。(続

2013-01-16 06:28:13
yutakamika @yutakamika

4)恵那司は、供述書にサインしなかった理由に関しては、「自分が仲介した取組が特定できないこと、自分が署名することによって、自分が名を挙げた人が故意の無気力相撲をしたことが確実になってしまうことが心苦しい」とも答弁。(続

2013-01-16 06:28:42
yutakamika @yutakamika

4.5)参考までに、3月1日の恵那司の証言については、こちらにもまとめがあります。http://t.co/uUCw8M36 

2013-01-16 06:33:51
yutakamika @yutakamika

5)一方、春日錦については、再三、裁判所から呼び出しがかけられたが、春日錦側からは「診断書」が出され、結局、最後まで出廷はなかった。代わりに、特別調査委員として、春日錦の事情聴取をした深沢弁護士が出廷することに。(続

2013-01-16 06:34:10
yutakamika @yutakamika

6)深沢弁護士の口頭弁論は2012年5月10日、東京地裁706法廷で行われた。ポイントは、平成22年1月場所と同5月場所における「春日錦vs蒼国来」の取組。両取組とも春日錦が負けている。深沢氏によると、春日錦は、「1月場所はガチだった」と言ったと証言。(続

2013-01-16 06:34:55
yutakamika @yutakamika

7)1月場所の取組について、なぜ「ガチ」といえるのか、深沢氏が春日錦にエピソードを聞いたところ、春日錦は「最後、俵近くで倒れ、みぞおちを打って痛かったから」と答えたと、深沢氏は答弁。(続

2013-01-16 06:35:14
yutakamika @yutakamika

8)一方、5月場所の取組に関するエピソードを尋ねたところ、春日錦は「ヤオだ」と即答したものの、それを示す明確なエピソードはなかった、と深沢氏。そこで、深沢氏は「転び方が受けに入っていると思って、私が判断した」と答弁。(続

2013-01-16 06:35:33
yutakamika @yutakamika

9)傍聴していた者としては、この「転び方が受けに入っていると思って、『私が』判断した」というところが非常にひっかかっている。通常、転びそうになったときに受け身をとるのは基本だ。そこを見て深沢氏本人が判断した、ということになる。春日錦からの具体的なエピソードがないのに。(続

2013-01-16 06:36:22
yutakamika @yutakamika

10)春日錦が、なぜ、蒼国来の名前を出したのか、本人の出廷はなく、本人の口から聞けなかったのは残念。なお、春日錦も恵那司同様、調査委の調査に対する供述書にサインはしていない。理由について、深沢氏は、(続

2013-01-16 06:36:41
yutakamika @yutakamika

11)「署名するように促したが、『相撲を辞めても、サラリーマンのような職に就かないので、調査には協力する』といったので、(署名を)取らないままにした」と証言。しかし、結局、法廷に春日錦は現れることはなかった。(続

2013-01-16 06:38:25
yutakamika @yutakamika

12)「転び方が受けに入っている」と『深沢氏が』判断した取組(平成22年5月場所11日目『春日錦vs蒼国来』。春日錦が負け)に関しては、蒼国来本人の口頭弁論(2012年7月19日@東京地裁706号法廷)で、ビデオを見ながら検証が行われた。やりとりの中で私が覚えているのは、(続

2013-01-16 06:39:13
yutakamika @yutakamika

13)原告(蒼国来)側代理人「勝負がついても、蒼国来は春日錦のまわしから手を離そうとしていないがなぜか」→蒼国来「相撲のルールでは、勝負がついたら、怪我をするといけないので、手を離すのだが、勝ちたい気持ちが強かったから最後まで離さなかった」という証言。その他、(続

2013-01-16 06:39:48
yutakamika @yutakamika

14)被告(協会)側代理人「春日錦は、右手を蒼国来の廻しにつけているが、つかもうとしていない、という、ある親方(誰なのだろう?)の証言があるが……」→蒼国来「それは、私が左手で押さえていたから。相撲で、それは『殺す』といいます」といった内容。(続

2013-01-16 06:41:07
yutakamika @yutakamika

15)その他、体の動きに関して細かく説明がなされ、全ては覚えていないのだが、私の印象としては、その説明は合理的で、2人は故意の無気力相撲ではなく、懸命に相撲を取ろうとしていたことに納得がいった。(続

2013-01-16 06:42:27
yutakamika @yutakamika

15.5)その取組のビデオを、ファンの一人が持っていて、それももう一度、見せてもらったのだけれど、不自然さはなかった。(続

2013-01-16 06:43:36
yutakamika @yutakamika

16)深沢氏が証言した日、報道では「調査の妥当性を主張した」と報じられただけだったが、どこが「妥当」だったのか、もう一度、傍聴メモを検証してみようと思う。(了)

2013-01-16 06:43:56
yutakamika @yutakamika

朝から連投、失礼いたしました。八百長問題が発覚した時は、連日報道がなされましたが、蒼国来関の裁判経過はほとんど報道されず、どのようなことが公判で明らかになったのか、社会には知られていないので、傍聴してきた者として、できるだけ客観的に振り返ってみました。TL汚し、すみません。

2013-01-16 06:47:36