渡辺真也さん『TPPから考えるネーションと憲法、民主主義と戦争に関する雑感』

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Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

連続ツイート「TPPから考えるネーションと憲法、民主主義と戦争に関する雑感」

2013-04-16 20:15:45
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T1)私はTPPに反対だが、TPP反対に関して厄介なのは、自分の国さえ良ければ良い、という内向きな発想に向かう危険性があること。ネーションの内部と外部を規定し、外部不経済を周辺諸国に捨てる様なシステムでは、外敵を作ってしまうが故に、長期的な安定と発展を築くことは困難だろう。

2013-04-16 20:16:01
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T2)円を切り下げて日本の輸出産業を強化することは、他国にしてみると、自国のマーケットを浸食する、言わば迷惑行為である。長期的に存続しえるものは全て、これらの内外が調和し得るものだけであり、敵を作らない友愛的な手法のみが、長期的な関係を作ることを可能とするだろう。

2013-04-16 20:16:23
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T3)宇宙は1つであり、それ自体は外部を持たない。この1つの宇宙における人類を、1つ1つのネーション(国民)として規定し外部を生むのが憲法であり、それは不可避的にネーション外の人たちを外国人として規定する。言い換えれば敵対概念を想定することにより、自国のネーションは成立する。

2013-04-16 20:17:20
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T4)つまり日本人という1つの国民を規定するのが日本国憲法だが、これはヨーロッパの宗教戦争の結果出来上がったウェストファリア条約の延長線上に誕生したシステムである。重要なのは、このネーションという1つの単位は、宇宙全体を切り取る法学における公理に過ぎない、ということである。

2013-04-16 20:17:46
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T5)数学の1は公理によって定められている、つまり1の意味の規定から数学は始まる。言い換えれば、1という数は数学の公理の内部でしか意味を持たず、その公理から導き出されるものはまた、トートロジカルなものになる。公理の規定は人間を自然から分断し、それがモダニズムの原点となった。

2013-04-16 20:18:37
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T6)内外を決めて敵を想定するネーション規定のシステムは、既に二つの世界大戦を招いたが、負債の再分配を民主的な手続きを経て行うことは、おそらく不可能だろう。すると行政が多額の負債を被った時点で民主主義は機能不全に陥り、戦争という手段に訴える可能性が高まる。

2013-04-16 20:18:58
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T7)家族という、社会を構成する最小構成単位から信用を醸成し、そこから国家を形成し、その外部を捉えるというやり方もある。すると家族から国家へ、という序列になるだろうが、すると大殺しという国家の長、つまり親殺しという革命から始まった民主主義をどう評価するか、という難問にぶつかる。

2013-04-16 20:19:37
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T8)日本は象徴天皇制という立憲君主制を取っている限り、大統領制という直接民主主義は成立し得ず、また絶対的上位が絶対的下部を相対的に生み出すという構造的限界を抱えている。これを突き詰めて考えると、王殺しから始まる共和制の是非を問うバークのフランス革命批判に至るだろう。

2013-04-16 20:19:59
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T9)重要なのは、「わたし」は自然の一部であり、自己の利益を最大化する為には他者の利益と無矛盾に一致させて最大化することだと気付くこと。これこそが自己を中心に据え、人間を自然から分断してしまった近代を超える21世紀のビジョンにふさわしい。(それが私のユーラシア論の根底にある)

2013-04-16 20:21:42
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T10)個人や企業が、自らの所属する社会への貢献を忘れてはいけない様に、日本も世界の一員として、自国のみならず世界への貢献にある程度自覚的ではなくてはならない。最終的にゼロサムゲームとなる通貨切り下げ競争とインフレターゲットでは、現行の資本主義の延命処置にしかならない。

2013-04-16 20:22:06
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(T11)困った人がいたら助ける、というのは根本にある当たり前のことで、そこに国家の枠組みを持ち出すと、ややもするとナショナリズムと敵対概念を煽らざるを得ない。TPPの議論が盛んになる今、もしもイエスの言う様に「敵をこそ愛せ」るのであれば、それはどんな行為を意味するだろうか?

2013-04-16 20:22:37
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

以上、連続ツイート「TPPから考えるネーションと憲法、民主主義と戦争に関する雑感」でした。最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。

2013-04-16 20:23:00