新米設計者の戯言(2013.6.14)

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イッキー @maji_ikki

設計における基本中の基本 「全ての決定に必ず理由を考えること」 材料はなにを使う?寸法は?厚みは?ビスの径は?長さは? 「こうしたいから」という理由で決定するのは本来あってはいけない。 設計するもので達成する目標のために最善の方法、選定、値を常に考えなければならない。

2013-06-14 15:32:36
イッキー @maji_ikki

素人設計者はよく「こうしたい」、いわゆる「手段の目的化」をしてしまって意思決定をしてしまう。 素人の皮がある程度向けると「常に理由をつけて意思決定」が自然と癖で出来るようになる。 しかし、その習慣が身についたところでまだ一人前の設計者ではないと思う。

2013-06-14 15:37:24
イッキー @maji_ikki

その次に重要なのが「その理由が本当に理にかなっているかかどうか」である。 一度設計をして実際に製作、運営まで携わった人なら身にしみて実感しているはずだが、設計段階で考えた理屈どおりにすべてうまく行くとは限らない。 作れると思ったものが作れない。壊れないと思ったものが壊れる。

2013-06-14 15:41:03
イッキー @maji_ikki

計算上、理論上ではこの値だったはずだがその値通りでない。 すなわち別の言い方をすると、「理由を考える」習慣が身についただけではただ「お絵かき」を覚えたに過ぎない。描いたものが実際に作ったものと同じものに描けるかはその次のステップである。

2013-06-14 15:45:38
イッキー @maji_ikki

しかし、そのステップの段階に進めるには、一度設計を経験し製作、運営まで携わった後じゃないと難しいのが現状である。 その経験を通して計算、理論などを通して「自分が考えた理由」と実際がどう食い違ったのか、そしてその食い違いの原因はなんだったのかのフィードバックがないと厳しい。

2013-06-14 15:51:34
イッキー @maji_ikki

設計者に必要な要素は知識、技術、経験、感性だと思っている。 知識は紙面上に載っている理論などの理解である。 技術は設計におけるツールの使いこなし。 経験とは先に言った設計、製作、運営の経験 感性とはその経験を通して、その経験に知識をもとに考察を繰り返し身についた感覚 である。

2013-06-14 15:55:26
イッキー @maji_ikki

このうち「知識」と「技術」は勉強すればすぐに設計の過程でもすぐに身につくものである。 しかし「経験」と「感性」は全行程(設計、製作、運営)を通してようやく身につくものである

2013-06-14 15:59:19
イッキー @maji_ikki

特に「感性」は常に客観的姿勢にたって、今までに身につけた知識、技術をもとに自分以外の設計も踏まえなものを対象につねに考察、考察が外れたらまた考察を長い時間をかけて繰り返して身につけていくものであり、それには終着点は存在しない。

2013-06-14 16:01:30
イッキー @maji_ikki

自分はそこそこ長く人力飛行機というものの設計をやってきて、それまでの知識、経験からいろんな機体の設計、思想、実際のものを見るなどで常に考察して新しい情報を蓄えた結果、ようやく「感性」というものが身についたと実感している。

2013-06-14 16:04:19
イッキー @maji_ikki

例えばある機体の図面を見た時にすぐに「こういう思想なのかな?」または「こういう失敗の危険性がアルんじゃないかな?」とすぐに気付けたり。製作において構造を見るだけで「ここが危ない」、運営においてのトラブルにおいても「これが原因じゃないのか」とすぐ考察して対策がうてたりする。

2013-06-14 16:07:27
イッキー @maji_ikki

これは端なる知識だけではできないものだと思うし。現に昔の自分はできたかといったらできなかったと思う。 これはまだ優れた人工知能が開発されない限りコンピュータではできないことであることである。

2013-06-14 16:11:26
イッキー @maji_ikki

蓄えられた「感性」にもとづいてあまり計算などで最適化せずに設計する人のことを「理論に基づいてないので根拠が無い」という人がいるが、それは勘違いであり、感性を磨いた人は理論の深い理解をもとに、計算される値はある程度予想がついているから複雑で時間のかかる計算をしなくてもすむだけのこと

2013-06-14 16:15:59
イッキー @maji_ikki

理論の深い理解とはその数式がどういう理由でそうなっているのかも踏まえ、それと実際がどのように食い違うのかも経験的に分かって考察できているという意味である。 それらは最終的に理論計算で答えと一致させることが出来ればベストであるが、どうしても数式に落とし込めない部分も存在する。

2013-06-14 16:18:19
イッキー @maji_ikki

ここで1つ言っとくのは 「数式で世の中すべてを表現できる夢ロマンを語っていいのは理学系の人間だけであり、工学系の人間とくに設計者はそんな夢ロマンなんて設計には通用しないとを知るべき」 ということ。

2013-06-14 16:21:23
イッキー @maji_ikki

多少過言であるが、経験も感性もなしに知識と技術だけで設計すべてを最適化できるというのは完全に間違いであることだけは、設計を始める前から知っておくべきである。

2013-06-14 16:26:06
イッキー @maji_ikki

設計とはさまざまなパラメータが相反しながら複雑に絡み合ったものであるからそれをすべて組み込んで最適化することは不可能と思っておくべき。 その最適化ための学術体系はある程度整ってはいるが、人間の感性によって頭のなかで整理による解にはかなわないところが多い。

2013-06-14 16:28:21
イッキー @maji_ikki

しかし、最適化とは都合のいい手段である。 最初に言った意思決定の理由付けにはもってこいで設計者がすぐに手を付けたくなる。 人力飛行機設計においては経路設計シミュレーションや尾翼設計などがその典型例だと思っている。

2013-06-14 16:32:06
イッキー @maji_ikki

理由として、具体的に完全に剛体でない飛行機である人力飛行機を実際に剛性も加味してのシミュレーションは非常に難しいし実際、設計に用いれるほどの再現性の高いものは聞いたことがない。 こういうのは歴代の傾向踏まえいろいろな機体を研究、観察して決定の根拠にする。即ち実験的データが重要

2013-06-14 16:38:02
イッキー @maji_ikki

言いたいことが少し外れたが、根本で言いたいのは 最適化での結果にとらわれ過ぎて実際の実験結果との不一致が予想も踏まえ、実際にどの程度かという考察がないと最適化をしてはいけないということ。 最適化はあくまで手段であり、それだけを当てにして結果からの考察が十分でないと諸刃の剣である。

2013-06-14 16:41:33
イッキー @maji_ikki

ちなみに歴史で考えてみるとまたわかりやすい。 今では家庭のパソコンですぐにプログラムがかけて最適化ができるが、それに比べて昔はコンピュータ計算技術も優れていない昔でも今より優れた設計ができていたのはなぜか? そこにあるのは設計者の感性であると僕は思う。

2013-06-14 16:44:35
イッキー @maji_ikki

現在は優れた計算技術がすぐそこにあるために、設計ツールとして手を伸ばしがちで肝心の設計者の感性の失われやすい気がする。気がするだけで憶測であるが、コンピュータが発展しすぎて考察能力の低下、即ち人間のほうが退化しているというのは言い過ぎだろうか?

2013-06-14 16:48:23