悪いルーミアちゃんがやってくるおはなし

ルーミアちゃんが強いおはなし @strong_rumia

アリス「苦行…　自らの身体や精神を痛めつける事によって、それを強化せしめんとする行為」 ア「全ての苦行が美徳と言う訳ではないけど、有意義な苦行と言うのはやはり素晴らしいものだわ」 ア「そう、それもまた芸術――」 . 魔（アイツは床に上半身突き刺さったまま何言ってるんだ…）

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. ア「助かったわ魔理沙。　やはり苦行よりも友情の方が美しいわね」 魔「いや、別に友情から助けた訳じゃなくて単にあの恰好が見てられなかっただけだぜ…」 魔「それよりアリス、お前何であんな事になってたんだ？」 ア「ああ、それなんだけど…」

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魔「はぁ？　ルーミアにやられた？」 ア「ええ、少なくとも見た目はルーミアだったわ」 魔「と言うと？」 ア「雰囲気が違ったのよね…　喋り方が尊大で知的、常に不適な笑みを浮かべた…そう、まるで悪役を具現化したようだったわ」 魔「よくわからんが、また他の世界のルーミアか…」

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. ？「クックックッ…」 ア「居た…！」 魔「…このわざとらしい笑い声。　確かに悪役っぽいぜ」 ？「飛んで火に入る魔法使い、ってやつかな？　よくぞエサにつられてのこのこ顔を出したものだ」 魔「いや、別にこいつに釣られた訳じゃ」 ア「鯛で海老を釣るって奴ね」 魔「黙れ」

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魔「はあ、しかし確かに見た目はルーミアだな…顔も正確も悪そうだが」 ア「名付けるとすれば、悪のルーミアね…」 悪「ククク…しかし、ついに見つけたぞ…霧雨魔理沙！」 魔「え、私？」 悪「この世界の貴様は、私に愉悦を与えてくれるのかな？」 魔「別世界の私は一体何したんだよ…」

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悪「教えてやろう、私は元居た世界で貴様に消滅させられたのだ。その時は、自己の破壊とは最高の愉悦だと思ったが…」 ア「確かに、破壊も芸術ね…」 魔「お前はややこしくなるから黙っててくれ」 悪「だが私は何故かこうして再び生を受けた。そこで思った…」 魔「…嫌な予感しかしねえな」

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悪「自己の破壊に愉悦を感じるのなら、世界ごと自己を破滅させれば更なる愉悦を感じる事が出来るのではないか、と」 魔「…この世界を破滅させる気か？」 悪「クク、落ち着け…　私が破滅させたのは、私が元居た世界だ」 魔「…成る程、それで行き場を失ってこっちに流れ着いた訳か」

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悪「世界の破滅…たいそうな愉悦だった。　私を倒し、全てを解決し、これから繁栄する希望にあふれた世界を…自分ごと一網打尽に、木っ端微塵にするのは確かに自己の消滅以上の…」 魔「…狂ってやがるな」 悪「だが結局、後に残ったものは何も無かった…」 魔「まあ、そうだろうな…」

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悪「自己が無になっても、全てを無にしても、何故か私だけが残る。　それもそうだ、私は闇を司る妖怪…無には闇しかない。　逆に言うと、闇を無にする事はできないのだ。　闇が存在する限り、私は何度でも生まれる」 魔「…そんな事はどうでもいいんだ。　お前はここで何をする気だ！」

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悪「ああ、話が逸れたな。　要するに私は、破壊で感じる愉悦は儚く刹那的なもので、自ら求めるべきものではない事に気がついたのだ」 魔「はあ…」 悪「ならば、破壊とは別の方法で得られる愉悦とは何か…　考え抜いた末、私は１つの結論に達した」 魔「それは一体何なんだ？」

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悪「つまり…破壊とは逆、創造…　作り上げる、築き上げる。　いや、育むのだ」 魔「育む…？」 悪「そう、私に破壊の愉悦を教えてくれた…霧雨魔理沙、お前との愛を！」 魔「うん？」 悪「結婚しよう」 魔「うん？」

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ア「フッ…さっきから黙って聞いていれば」 悪「何だ貴様…まだ居たのか」 ア「確かに、破壊よりも創造に愉悦を感じる…そこまでは正しい、素晴らしい答え（アンサー）だわ。　けどアナタは１つ大きな間違いを犯した…」 悪「何…？」 ア「魔理沙と愛を育むのは私よ！」 魔「うん？」

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悪「…ふん、いいだろう…　私はこの世界で、“あれ”に代わる魔道書を探さなければならない。　それが見つかるまで、魔理沙は貴様に預けよう…」 魔「いやちょっと待て」 ア「いいでしょう、いつでも待ってるわ…」 魔「お前らいい加減にしろ」 悪「必ず迎えに来る、待っていろ魔理沙…」

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魔「いい加減にしやがれぇぇぇっ！！！（マスタースパーク」 ア「ｱｯｰ！」 悪「ｱﾍｪｯ」 . 魔「はぁ、はぁ、はぁ…」 魔「…一週間ぐらい引きこもるか…」 ＥＮＤ