あるしおうねさん、Oculus Riftを語る
Occulus Riftは、近年急速に普及したタブレット向けの中型&高精細な液晶パネルを、可能な限り目に近づけて配置してしまえ、と言うシンプルな発想から出た素晴らしいHMD。ただ、この特徴をそのまま生かしつつシースルー化するにはどうしたらいいのだろう?
2013-06-20 19:38:45@mikumiku_aloha @ejiwarp 仰るとおり、光学シースルーでなければカメラ式のビデオシースルーが候補になります。が、「カメラだからお手軽にシースルー化できてしまう」と言えるほど簡単でないのが実際です。以下にちょっと理由を説明させてもらいます
2013-06-27 01:32:48ビデオシースルーの場合、カメラの原点、いわゆる主点位置が視点になりますが、これが眼球位置の視軸延長上にあるのは大前提で、理想的には主点が人の瞳孔に重なっている必要があります。これが一致してない場合、ユーザーの手元の物体のスケール感にズレが生じて違和感につながります
2013-06-27 01:37:51例えば、キヤノン製のMR向けHMD:http://t.co/kuAH2bB6eTでは、カメラ用にも特殊なプリズムを用いて、可能な限りカメラの光路を折り曲げて長さを稼ごうとしているのがお分かりになるかと思います
2013-06-27 01:40:13このような光路折り曲げを用いても、なお完全に瞳孔位置と主点位置を一致させることは出来ず、多少前の位置にカメラの視点が存在します。
2013-06-27 01:42:00@AmadeusSVX http://t.co/39Tg1VsTHv 公式からの予想図ですけど、ユーザーの瞳孔と重ねてるところが見えます。ちゃんと抑えてるって感じですね。
2013-06-27 01:40:22http://imgur.com/6qSgi8t.jpg
出所はOculusのCEO、Brendan IribeさんのGTC2013 (GPU Technology Conference,3/24~3/27 ) における講演で発表したものです。
@ejiwarp カメラがそのまま直接HMDの前側に装着されているとすると、光路の折り畳みが行えないため、視軸には一致していても、視点位置は前方にオフセットしているように見えます。もちろん、想像図なので詳細は分かりませんが、何らかの工夫はされるのではないかなと思います。
2013-06-27 01:43:53ちなみに、瞳孔の2cm前方にカメラ視点位置が存在するHMD(光路折り曲げあり)を常用したことがありますが、これでも手の位置のスケールは違和感があるかないかギリギリと言う印象です。
2013-06-27 01:45:34なお、Oculus Rift的に大きな液晶を使って~という工夫には、実は先駆者がおりまして、初期のテレイグジスタンス向けHMDに使用されていました:https://t.co/vlyNGb8hVc 当時の技術のためかなり大型ですが、OculusRiftを見ると時代の進化を感じますね
2013-06-27 01:48:17http://www.youtube.com/watch?v=UBjIjXV8cks
「テレイグジスタンスはテレオペレーションシステムの進化したものであり、操縦者が遠隔に存在するロボットを介してあたかも遠隔の環境にいるような感覚を持ち、精密な作業やコミュニケーションを可能にする技術です。我々はテレイグジスタンスを実現するためのロボットとしてTELESARを開発しました。
操縦者はコンピュータが生成したバーチャル環境やバーチャル空間を介した実環境に「テレイグジスト」することも可能です。我々はテレイグジスタンスの概念を 1980 年に提唱し、この概念の実現およびロボティクス、設計およびコミュニケーションの分野への応用へ向けて研究を行なってきました。」
@AmadeusSVX オフセットの話非常に興味深いです。言われると本当に複雑な光学構造でやらないと違和感の低減は図れないというか、課題ですね。
2013-06-27 01:51:15何故今この古いHMDを紹介するのかと言いますと、このHMD自体は接眼レンズの先に光路を左右に90°折り曲げるミラーがあり、液晶は顔の側面にあります。つまり顔の前にはちょっとしたスペースがある。そこにカメラを搭載したのがこちらです:http://t.co/Uhqdof8WvB
2013-06-27 01:55:31@ejiwarp コンピュータの処理能力や、プロセスベースで作られるデバイス(液晶など)は飛躍的に進歩しますが、接眼での表示となるとどうしても光学的な制約に縛られているのが現状ですね。液晶の進歩を逆手にとって、新しい表示方法が生まれればいいのですが・・・
2013-06-27 01:58:02必ずしも最新の方式だけがいいものとは限らない、というのが光学の世界だと有り得るかもしれません。温故知新も悪くないのかなと。ちなみに個人的な好みはこちらです:http://t.co/bcwfjPXTcO 開発された時期さえ違えば、GoogleGlassよりもサイバーだったと思います
2013-06-27 02:02:06@AmadeusSVX なるほど、現状人類の視覚を組み合わせで再現のはかなり困難ですね。逆に言うと「(遠隔側のロボットが)人類と違う等身と大きさ」となると自然に見えるように工夫することが可能でしょうか。
2013-06-27 02:01:23@ejiwarp 可能です。まさにそれを有効利用したのが、ロボット手術システムで有名な「da Vinci:http://t.co/ZBMlTuJRH3」です。
2013-06-27 02:05:32手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」
http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/davinci/function/stereo.html
@ejiwarp da Vinciでは、腹腔鏡の先にある狭いステレオカメラで撮られた微小な凹凸を、人の目で拡大して見ることによって、まさに小人の目と手を使って、超絶技巧の器用さで手術を可能にしています。
2013-06-27 02:05:44HMDのことになるとつい語りすぎてしまうので、この辺にしておきます。技術畑じゃない方、タイムラインを荒らしてすみませんorz
2013-06-27 02:06:29