よいこ大賞～ツイノベオンリー

木船田ヒロマル @hiromaru712

彼女が泣きながら別れたいと言って来た。「あなたの押しの強さに負けてズルズル今日まで来ちゃった。ごめんね。でも人と妖怪が幸せになれる訳ない」見る間に彼女は毛むくじゃらの塊に変わった。そうなってなお、悲しそうに身をゆすりながら。僕は黙ってその大きな塊を抱き締めた。 #twnovel

木船田ヒロマル @hiromaru712

「フハハハハハ…よくぞここまで来たな勇者よ！褒めてやろう！」「魔王！世界を闇に誘うお前の悪行もここまでだ！行くぞ‼」「待て！戦いの前に貴様に真実を伝えておく…」「…何⁉」「わしはお前の父の従兄弟の嫁の義理の弟の同級生の兄だ‼」「…赤の他人じゃねーか‼」 #twnovel

おーさん @osayas811

誰もいない部屋に帰る。妻と子の遺影の前で、コンビニの弁当を開ける。そのとき、待ちわびていた朗報が届いた。……食卓に笑い声が溢れる。「お父さん、もっと早く来ればよかったのに」並行宇宙の乗り換え。妻子が存命で私が死亡した世界を見つけ出すのに、3年も費やしてしまった。 #twnovel

おーさん @osayas811

現在飛行中の旅客機が、2時間後に墜落することを予知能力で知った俺は、事故を防ぐためタイムマシンで過去に飛んだ。そして特殊なホルモン剤で鳥の進化を促進し、猿の進化を遅らせた。現在、人々は翼で自由に空を飛び回っている。飛行機？そんな不要なものは昔から存在していない。 #twnovel

おりひか いくお @Orihika

#twnovel 幽霊少女仄香: 「この前の夜学校に来たら誰もいない音楽室でピアノが鳴ってて、悲鳴を上げて逃げちゃった…」「似たことがあった！夜学校でピアノを弾いていたら廊下で人の気配がして、ものすごい悲鳴が聞こえたの〜」#twkwaidan

おりひか いくお @Orihika

#twnovel あひるは一羽唄います。がらがら声を恥じながら。 歌姫スワンの美声を聴いて、遥かな高みを羨みます。 そんなあひるの集った百羽、合唱団を作ります。 孤独なスワンの歌姫は、仲間に入れてと望みます。 百と一羽の合唱団、聞き惚れみんな幸せに。 #twnovelOFF

嘘つきプラム @ps_plum

世界の親権を貰うことに決めた。我が儘な年寄り達にこの子を任せていられない。世界のかわいい所ばかりを見て、好き勝手に服を着せ、虐待し、泣き出した時には慌てふためくだけ。そんな育て方をされていい子に育つわけがない。僕は世界を抱きしめる。「パパは世界一お前を愛するよ」 #twnovel

嘘つきプラム @ps_plum

#twnovel 「死にたいの。」『え、どしたん？』「や、何となくね。」『ふーん』「止めないの？」『何となく、、止めない』「そっか、よかった。」『何が？』「死にたくない。」『残念』

楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel 「あなたが落としたのは金のメダル？銀のメダル？」ゴメン、オリンピックには出てないんだ。選考で落とされて。「頑張ったあなたには特別なメダルをあげる」夢から覚めて押入を探す。お母さんに作ってもらったダンボールのメダルが出てきた。思えばこれが選手を目指した原点だった。

楠樹 暖 @kusunokidan

#twnovel むかし読んだ童話をもう一度読みたいと彼女が言った。早速、ネットで注文した。「コレじゃない！ラストが違う！」ハッとして自分の部屋の押入を探すと、むかし二人で読んだ童話が出てきた。主人公が悲しくて、僕がハッピーエンドに書き換えた童話が。

ぱぴこ @papiusagi

西日が差し掛かり始めた午後、バスに揺られながらぼんやり車内を眺めていた。大きな箱に収められた人々が定位置につきそのまま運ばれるこの面白さを誰がわかってくれるだろう。前の座席の夫婦はご婦人の頭がご主人の肩にいまにも寄りかかりそうだ。ああ、こんなにも陽射しは暖かい。 #twnovel

ぱぴこ @papiusagi

窓際に腰掛け、深夜にぽつりとキャンドルを灯す。そこから火をもらってお香を焚く。部屋をしめきって煙草と一緒に煙をくゆらせながら、扇風機が空気をかき回すのをぼんやりと眺める。薄い壁伝いにはベースの音。天を眺めて星灯。全部そっと吹き消して、目を閉じた。 #twnovel

卯月彰 @akira398

もはやアイドルは雲の上の存在では無い。ファンと握手を交わし、距離を縮めていく。どんどん増えるファンとも平等に接するように、アイドルの数も増えた。そしてアイドルより一般人の方が少なくなった頃、一般人だけを集めたユニットがデビューする。ターゲットは普通に憧れる女の子。#twnovel

卯月彰 @akira398

人工知能を搭載したロケットからの信号が来ない。今頃宇宙では鉄の塊が漂っているのだろう。誰しもそう思った。 #twnovel 天体望遠鏡で謎の飛行物体が確認された。見たことのない形状に、おぞましい武器と思われるそれ。しかし腹には見覚えのあるマークが。初めての宇宙戦争。敵はわが国の、

萌葱［moegi］ @hmoegi

#twnovel 「愛なんぞで腹が膨れるか」魔王は勇者を嘲笑う。伝説の剣も折れ使い物にならない。勇者は魔王を睨み、おもむろに剣を置いた。そして懐の包みを取りだす。刮目する魔王。「これが愛の力だ、喰らってみな」弁当箱の蓋が開かれる。魔王の腹は満ち、かくして世界は母の愛に救われた。

萌葱［moegi］ @hmoegi

#twnovel パンナコッタが鉱石から作られることは、意外に知られていない。陽の当たる公園の片隅に固まる白い石を砕き、少女の笑い声を聴かせて煮つめる。月の夜に一晩冷やして完成だ。ただし気をつけなければならない。うっかり嗤イ声を聴かせると、苦みが染みだし毒となる。ご用心、ご用心。

リュカ @ryuka511

片思いに悩む少女の下へ天使が現れ恋が実る銃をくれた。この恋のトリガーを引いて彼を撃てば恋が実ると言う。早速彼に向け引金を引いたが弾は彼の友人に命中し肝心の彼は他の人と結ばれる。文句を言うと天使は言った。「銃の効果は保証するけどあなたの銃の腕前まで責任持てないわ」 #twnovel

リュカ @ryuka511

少しだけ、と幼い好奇心で母の化粧品を手に取った。口紅とファンデーションとチークも少し、色づいた頬にときめいていると母に見つかりこっぴどく叱られた。そんなに怒らなくても、と傷ついたまま大人になった。母が怒るのも解らなくはないけど、この生き方を貫くと彼は紅をひいた。 #twnovel

春木のん🪄ふしぎなアンソロ @Haruki_Non

#twnovel 死んだ人は靴を履かない。死んだら足が無くなるから、それとも幽霊がカツカツと足音を立てると怖いからなのか。玄関に残った祖父のサンダルに、僕は問う。するとサンダルは答える。「あっちの世界は土足厳禁なんで、わっちらは行けないんすよ」そういう事だったんだ。【靴の話１】

春木のん🪄ふしぎなアンソロ @Haruki_Non

#twnovel　夢を夢のままで終わらせていいと思っている人なんて、きっといないだろう。僕みたいに諦めてしまうんだ。もう遅いとか、自分の実力では無理だとか。諦めたらそこで終わりだから、終わらせるために諦めるんだ。だから今はすごく楽だよ。僕にはもう追い求めるものが無くなったからね。

九夜月 @oto_no_ya

桜鬼が北へ向かう。歩いて、桜を目覚めさせていく。祭りの屋台を冷やかし、人に化けて躍りの輪に紛れ込んでいたりする。「ぬしさま、ぬしさま、あまりはしゃいではばれまする」これも人の子に化けた狸が袖を引くと、ふわりと笑って頭を撫でた。「春は浮かれるものだよ」 #twnovel #妖草紙

九夜月 @oto_no_ya

その昔、我らは闇にうずくまり、夜に紛れて動く存在だった。しかし、今、人の世の流れは我らのあり方を変えた。「一反木綿もツイッター始めたってさ」「へえ」「便利だよね。化けるのが下手でも文字ならバレないしさ」「だな。あ、猫娘のツイキャス聞かなきゃ」 #twnvday #twnovel

朝海かおれ @prototype_AR

手のひらサイズのシャーレにウサギがコロニーを作っている。でもどうしてかな？みんな首を吊っているの。そうか。ここは『首吊り憂さ殺にー』なんだね。じゃあ僕も首を吊らなきゃ。憂さに囚われたウサギは殺さないと！ #twnovel 「教授、またウサギが首を吊りました」「これでやっと８割か」

日向日影🍊📖@文化系物書きVtuber（HUB） @hyuugahikage

#twnovel 愛を抽出する機械ができた。「母の愛は無限」というので試してみると途中で止まった。「愛が有限ということはこの女は真の母ではないのだ。汚らわしい。他の親で試そう」やはり止まる「全く最近の女は」結果は同じ「私の母は無限だった」男が幻想を求める横で、干からびる母たち。