寸劇の虚チン

高橋kou㈱ティークラフト代表 @koutakahashi164

寸劇について少し呟こう。と、言うことで【寸劇の虚チン　その1】最初は、やりたいと思わない仕事だったのだけれど、寝ぼけて出た電話で引き受けてしまったのが僕の失敗だった。でも、引き受けちゃったからには変な世界観にはしたくなかったので、元ネタ通りのカット割りにすることにした。

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【寸劇の虚チン　その3】撮影の香盤も特殊な組み方で、カメラ同一方向のカットを全て一気に撮る方法なので、キャストは、現在、どのシーンの台詞を喋っているのか理解出来なくなってくる。照明スタッフの作る色とこちらの希望する色が合わないが、カラコレで調整する事で意見をぶつけあう時間は無し！

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【寸劇の虚チン　その4】元ネタと同じ空間を用意出来ないので、上手と下手の空間をCGで追加。撮影の現場スタッフさえも、自分がどんな映像を作っているのか分かっていない状況に。僕だけが合成後の状態を分かっている事になる。全部のカットを撮りきる事が最優先となるので、かなり乱暴な撮り方。

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【寸劇の虚チン　その5】台詞の読むペースが、こちらが先に作っているタイムラインよりも長い為、数テイク繰り返すが、どうしても変な間が出来てしまうため、妥協する事になる。つまり、尺が50分よりも伸びてしまう。音楽のリピート回数も調整することで対応しなければならないので、編集作業が……

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【寸劇の虚チン　その5】CGで作った蟹の怪異を6Kで撮影したTIF素材に乗せて、HDVサイズのデジタルパンを行ったり、グリーンバックの合成で人物を重ねたりしながら最終的にカラコレするが、編集期間が10日間しか無いので、音声レベルは満足に手を入れられない。そして、発売中止の連絡が！

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【寸劇の虚チン　その6】1年後に、再び寸劇を撮る事になるが、この辺りから撮影までの準備期間が短くなる。秋葉原ロケをやったりした作品だが、ゴロー屋の作品の為、コミケスケジュールというトンデモナイ納期になっていた。2日間で撮影出来なかった分を自腹で追撮する事になる。

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【寸劇の虚チン　その7】次の撮影が、皆に注目された『非日常』だが、せっかくの3日撮りが、衣装間に合わずという問題で、撮影初日の半分が無駄になる。この時、グリーンバックを大量に購入するという、AV制作会社にはあまり必要の無い物を買った。セットが組めない分は、全部CG合成となる。

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【寸劇の虚チン　その8】ゴロー屋の『俺妹』のパロディの時に、OPで静止画をパラパラアニメのように使ったのを、コマ数を増やしてOPに使う。この作品は、ゴローはエキストラ的な役割と某PVのパロディでしか器用していないが、笑いの要素の一つとして男役は全部ゴローという事になった。

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【寸劇の虚チン　その9】くりりんの台詞憶えの良さは素敵だった。僕の言う台詞憶えと言うのは、単に文章を憶えているのではなくて、声のテンションまで憶えている事だ。バラバラに撮ったカットをつないでも、綺麗につながるのだ。作品を熟知しているとか、そういうレベルでは語れない評価だと思う。

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【寸劇の虚チン　その10】アニメが好きと言うAV女優は多いけれど、全作品を網羅しているわけではないので、オタクな女優だとしても、寸劇作品に出演して完璧に出来るわけではない。どちらかと言うと、非オタクと変わらないと僕は見ている。寸劇の場合、そういう部分は関係無いのだ。

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【寸劇の虚チン　その12】照明機材に関して、一定方向からのライトを決めて、後は全部手持ちのフォローライトで撮影してしまうようにしたのが『がちゆり』です。スタッフがグリーンバックの布を持って、キャストの背後にグリーンバックを用意したりしながら、機材配置の変更を極力減らします。

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【寸劇の虚チン　その12】これも販売中止になってしまった作品だが、電子レンジの扉の開ける方向には悩みました。元ネタの扉の飽き方は、オーブンの扉の開き方で、電子レンジでは見かけないからです。あるのかもしれないけれど、探せなかった。

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【寸劇の虚チン　その13】ショートな寸劇だったので、本編そのものは楽だったけれど、OPに関してはクレーンとレールが必要なアングルの動きで、ここでもパラパラアニメのようにしました。1秒8コマでグリーンバック撮影してクレーンを使っているように見せています。文字等のアニメは苦戦しました

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【寸劇の虚チン　その14】アニメーション部分をトレースとか出来れば良いのですけれど、何が書いてあるのかさえ読めない状況なので、似てるけど全然違う物になります。同様に実写の人物とアニメキャラの等身は違うので、アニメで作る背景のサイズも全て実写に合わせて作ります。

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【寸劇の虚チン　その15】AVの寸劇は、学芸会みたいなもんだと思っています。本気で作るならば、ゼロが1桁足りないからです。それでも真面目に皆が作る。TVドラマや映画の制作が大きな予算使って撮るのとは規模が違うのです。その代わり、僕の次世代の監督が入ってくる事も可能だと思っています

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【寸劇の虚チン　その16】僕が使用するカメラに関して、合成をする場合はMXF記録のカメラです。今回の『厨二病なら恋しよう！』の撮影ではNX30Jを使用していますが、これは空間光学手振れ補正による手持ち時の手振れ軽減で、撮影効率を上げるためです。一眼動画は、滅多に使いません。