【腐あり/作品集】 宝玉獣、琥珀おじ、翡翠兎、他タグまとめ

詳細はこちらをご覧ください。↓ 【腐あり】 宝玉獣についてhttp://togetter.com/li/572392  こちらはタグつきツイートを集めた作品集になります。
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なち@土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

「僕の欲しいものはどこです?」突然涼やかな声が聞こえて来た。虎徹はハッとして顔を上げる。そこにいたのは全身黒尽くめの男だ。わかるのは仮面から覗く翠玉だけ。「し、知るかっ!この盗人風情が!」その遣り取りに虎徹は何が起きようとしている事を知った。この目の前の男は盗人なのだ。#琥珀おじ

2013-10-02 22:47:22
なち@土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

虎徹の一族は『石』を生む。その瞳に似た石を。だがそれが出来るのは一族でただ一人。その一人が世を去らねば次は目覚めない。だから虎徹はその次代を守る為にここから逃げられなかった。次代は己が娘かもしれないと思えば死ぬ事も出来ない。その手を振り払う事もまた。だが運命の輪は回る。#琥珀おじ

2013-10-02 22:30:56
梅鉢まひろ㊗️タイバニ2🐯9/17虎狩【虎47】 @mahiro_tb

「この耳と尻尾のある奴が?」「左様で。なかなか強情な奴で…」「貴方バカですか?」「は?」「琥珀を出すのはこいつだけなんでしょう? それをこんなぞんざいな扱いして。死んだりしたらどう責任取るつもりなんです?」手の甲に奇妙な入墨のある青年の声を虎徹はぼんやりと聞いていた。 #琥珀おじ

2013-10-02 22:28:36
なち@土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

開いた扉から飛び込んで来たのは見飽きたこの屋敷の主人と用心棒だ。虎徹はずるりと壁に預けた背を滑らせる。またかと思ったのだ。だが険しい顔をした主人は虎徹の腕を掴んで無理矢理立たせる。「誰が渡すものかっ」欲にまみれた声に虎徹は顔をしかめた。だがその手を振り解く事は出来ない。#琥珀おじ

2013-10-02 22:17:26
なち@土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

何時の間に眠っていたのだろう、虎徹は屋敷のあちらこちらから聞こえる怒号に我に帰った。「何だ?」ふらりと立ち上がるが天井近くにある格子付の窓からは何が起きているのかは解らない。「関係ないか」苦笑して座り掛けた虎徹はギクリと動きを止めた。見詰める先、重い音を立てて扉が開く。#琥珀おじ

2013-10-02 22:00:09
なち@土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

壁に背を預け座り込んだ虎徹は格子越しの満月に苦く笑う。「後、何回かね」幾ら頑強でも本来大地を駆ける虎が閉じ込められ変節を強いられているのだ心身に掛かる負荷は尋常ではなかった。「疲れたな」コツンと壁に頭を打ち付け虎徹は琥珀を生む瞳を閉じる。だから月を過ぎった影を知らない。#琥珀おじ

2013-10-02 21:47:56
スパン@とりまタイッツー @supancall

人魚の体はいままでの責め苦で傷だらけになり、強く逞しかった尾びれは破れてボロ布のようでした。 「可哀想に」と青年が言葉を発した時、人魚は淡いみどりいろのうろこを逆立てて威嚇しました。 仔兎ではないのだと解ったからです。 #琥珀おじ こういうおとぎ話仕立ての話が書きたいな…。

2013-10-02 20:41:02
スパン@とりまタイッツー @supancall

真っ暗な地下室の扉を開けてその青年が入ってきた時、人魚は仔兎が帰ってきたのかと思いました。それほど白く、柔らかく、優しい匂いのするいきものを、人魚はこの城で見たことがありませんでした。青年はひとめ見るなり、地下室の天窓を開いて光を入れ、酷いことを、と目を曇らせました。#琥珀おじ

2013-10-02 20:35:19
スパン@とりまタイッツー @supancall

仔兎を喪った人魚は両目からボロボロとあかい琥珀を落としました。お殿様は喜び勇んで、床に這いつくばって拾い集めます。人魚はそれに見向きもせず、声もなく泣き叫びました。その真っ赤な琥珀を人々が有難がって、争って買い求めたのでお殿様はしばらく人魚を放っておくことにしました。#琥珀おじ

2013-10-02 20:32:43
スパン@とりまタイッツー @supancall

痛みにも苦しみにも折れぬ強い心に与えられたのは、一羽の白い仔兎でした。人魚は初めて見る仔兎をとても慈しみ育てました。だけども愚かな殿さまは人魚の目の前でその仔兎をシチューにして食べてしまいました。 そのとき人魚が落とした琥珀は、まるで血のように赤かったのです。 #琥珀おじ

2013-10-02 20:07:57
なち@土曜 東 パ 09a @nachi8118_ss

苦痛にはすぐ慣れた。鎖に繋がれる身の上にも、もう心は揺れたりはしない。でも、これはダメだ。これだけはやり過ごせない。「…っ、やぁっ」強制的も与えられる快楽にため息が漏れ、涙が零れ落ちた。その度にばらまかれる琥珀、琥珀、琥珀。枉げられ、歪められ、それでも俺は死ねずにいる。#琥珀おじ

2013-10-02 19:24:23
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