意識の低い就活生森山の限界

アメリカに旅立つ黄瀬を見送りに行った結果がこれだよ。
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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

おっと、メールだ。なんだ、笠松は来ないのか。アイツがドタキャンって珍しいな。…体調不良ってウソだろ。「黄瀬には昨日会ってきたから」ってそうゆう問題じゃねーだろ。こうゆうときくらい素直に見送れよ!

2013-10-18 08:00:05

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

おはよう。今日は説…じゃなくて黄瀬の見送り行ってくる。 http://t.co/j8yV6vaKco http://t.co/LQLQ6a2zMP そーだ、ついでに中村にお礼しねーと。 http://t.co/MAWPJ1DCce http://t.co/Dw54je7eEz

2013-10-18 08:30:02
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

http://t.co/cyr84ku3m1 笠松の誕生日からもう2ヶ月か… ゴメン、電話だ。 今度は何だよ。今オレ月曜までに提出の履歴書を書いてて忙しいんですけど!

2013-10-18 08:45:02

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「もしもし黄瀬? …台風とカブんなくて助かったな。…今から? 何時間後に会うだろ。…バスケ? 何、誰かいんの? …2人で? ……はいはい、大人気プレヤー黄瀬涼太選手のお相手をさせていただきますよ! …わかってるって。笑 …ああ、オレも30分くらいで着くから。お手柔らかに頼むぜ。」

2013-10-18 09:00:05
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

最後に黄瀬がレクチャーしてくれるってさ。リーグ戦でもうすぐ緑間の大学に当たるからキセキの世代とプレイできるのは正直ありがたい。 バスケできて空港にも行ける格好…黄瀬がいれば女の子寄ってくるから気ぃ抜くわけいかねーし…きょう、何きて 生きていこう。

2013-10-18 09:15:04

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

ストバスに何やら眩しいヤツが…!と思ったら黄瀬だった。変装しろ。有名人は顔より先にオーラで分かるってホントだな。久しぶりのナマ黄瀬すげー。なんて考えてしまったオレは黄瀬が後輩だったことを忘れかけているのかもしれない。これじゃ高校時代オレの微々たるイケメン力が霧散したのも仕方ない。

2013-10-18 10:00:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

ハーフラインをピンポイントで叩くドリブルをその場で数回。 球の感触を確かめた後、流れるようにシュート動作に移る。 既視感。緑間のフォームだ。 描かれている美しい放物線をムシして黄瀬が振り向いた。シャフ度だ。 「準備OKっス」 球がコートを跳ねる音でシュートが決まったのに気付いた。

2013-10-18 10:15:04
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「待ってたっスよ、森山センパイ」 黄瀬が不適に笑う。ボス部屋の鍵を開けた気分だ。 「緑間っちに挑むならオレを倒してからにするっス」 前言撤回。中ボスらしい。 「黄瀬、お前を倒してオレの失われた彼女を取り戻す…!」 とりあえずノッておいた。 「あ、元々ない物は返せないス」

2013-10-18 10:25:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

黄瀬の冷たい指摘(お前からネタ振ってきたくせに突っ込むなよ!)を黙殺し、オレは勢いのままに上着を脱ぎ捨てた。 「そーいや、ボールは恋人とか言ってたっスね」 黄瀬は転がっていたボールを片手で掬い、それに口付けるように軽くリップ音を立てた。 「来いよ」 わお。黄瀬くんイケメーン。

2013-10-18 10:35:07
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

黄瀬のファンがじわじわストバスコートに集まってきた。つまり、オレは残念な姿を女の子達に晒すことになる。 「これで10-0じゃないスか!オニーサンもっと頑張ってー!?」 「キセキの世代相手に1on1で勝てるわけねーだろ!」 「だからお前はダメなのだよ」 「そこまでコピーすんのか」

2013-10-18 11:00:04
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「その一瞬止まるの! それがダメなのだよ。オレらと森山センパイくらい実力差あれば見てからで追いつけるんスから」 何気に失礼だな。 「キセキにはトリプルスレットポジションも意味ねーのか…OFの次の動作が分かりにくいんじゃなかったのか…」 「鳥ポジ…? 火神っち?」 お前プロだよな?

2013-10-18 11:15:05
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「にしても黄瀬マメだな。海常スタメン全員と修行編やってんのか」 「森山センパイにだけっスよ」 へ? 「…何でちょっと照れてんスか」 「…うるさい」

2013-10-18 11:30:07

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

スタバなう オレが席取ってる間に黄瀬の奴レジで店員さん(かわいい)に声かけられてるし。お嬢さん客席も見て! こっちも割とイケメンですから! 黄瀬がオレを顎で指す。店員たんと目が合う。GJ。 「今日ツレいるからゴメンね。(ばちん」本場のウィンク炸裂。 いつからオレはお前の彼女に。

2013-10-18 12:00:10
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

トレイにどっさり買い込んで黄瀬がレジから戻ってきた。 「…逞しくなったな」 「一人分じゃないスよ。こっちどーぞ」 「あ、ああ…?」 もしや後輩に奢られた!? オレにも面子というものが…フラペチーノおいしい。 「笠松センパイから聞いて。シューカツ長引いて貯金やばいんスよね?」 「」

2013-10-18 12:10:07
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「今更っスけど森山センパイお久しぶりっス!」 「今更すぎだろ!」 「そっちは見てたんスよね。試合のとき挨拶できなくてスミマセン、笠松センパイ迎えに行ったりで忙しくて。苦笑」 「世話かけたな。おかげで元気になってて安心した」 いつからだろう、全部黄瀬に持ってかれるようになったのは。

2013-10-18 12:30:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「いい試合だった。オレの技、使ってくれて嬉しかった。あのとき黄瀬の力になるためにオレは今までバスケやってきたのかもしんねーな…」 憂いを帯びた表情で黄昏れるオレ 「じゃあオレは森山センパイにそう言ってもらうために、この能力を授かったのかもしんないっスね…」 その顔をコピーする黄瀬

2013-10-18 12:45:05
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「大げさな。今まで何度も言われてるだろ」 そして、これからもきっと。 「それがないんスよ。磨き上げた技を瞬間でBe mineされたら誰だって嬉しくないス」 黄瀬の人生はオレが思うほどイージーモードではないのかもしれない。でもお前を誇らしく思う奴もいるさ。 「仲間でもない限り?」

2013-10-18 13:00:03
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

…ところで、さっきから緑色の視線が気になるんだが。ずっとこっちをチラチラ見てくるし、黄瀬の抱き枕を抱えてるし、もしかしなくても黄瀬のストーカー?! 「奢ってもらったし片付くらいオレにやらせろよな」 トレイを片付けるフリをして立ち上がる。不審な男に接近成功。 …緑間真太郎だった。

2013-10-18 13:30:04
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「そろそろ緑間っちが来る頃なんスけど…」 「緑間ならさっきから外に立ってるけど…」 慌てて店を出てく黄瀬を店員が名残惜しそうに見つめる。 「スタバで待ち合わせつったらフツー中入って待ってるっしょ!」 「む。普通はオレの家に出向くのだよ」 「緑間っち…高尾クンしか友達いないんスね」

2013-10-18 13:45:05