『ゴリラスレイヤー ア・カインド・オブ・ダークゴリラ』#5

ゴリラスレイヤーの続編。パート6
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碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

これまでのあらすじ:邪悪なるセクトを倒すため、ゴリスレイヤーはフルーツ・ピラーへと突入。待ち受けていたゴリラ・シテンノとニンジャを下し、一路バイオバナナ製造機へと向かう。だがその一方……

2014-02-17 14:42:52
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

『ア・カインド・オブ・ダークゴリラ』#5

2014-02-17 14:48:53
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

ダークゴリラはピラー最上階に座していた。同じ階層の別室にはゴリモト・チバとボディーガードのゴリヤスも居る。ダークゴリラのゴリラ感覚はそれをリアルタイムで感じ取る程に研ぎ澄まされていた。 1

2014-02-17 14:49:51
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

その時、ダークゴリラの居室に一陣の風が舞い込んだ。部屋の中に吹き込んだ旋風が収まると、其処には二匹の巨大ゴリラが佇んでいた。 2

2014-02-17 14:51:37
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

二者の姿は鏡写しの如く同一だが、その身体には各々『ニシローランドゴリラ』『ヒガシローランドゴリラ』とテキスタイルされたマントを羽織っている。その顔には共に、蛇の面を付けていた。 3

2014-02-17 14:52:38
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「……何者だ」(我らは運命者)(我らがためにお口を煩わせる事はございませぬ)(何卒手話にて)(手話にて)高速手話によって二者は応じる。ダークゴリラのゴリラ動体視力無くば、何をしているのかすらわからぬだろう。 4

2014-02-17 14:53:50
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「名乗れ」だが、ダークゴリラは構わず口を開いた。(私はマスター・ゴリラ。私は過去を見ます。余り遠くまでは見えませんが)(私はマスター・グラウエリ。私は未来を見ます。余り遠くまでは見えませんが)ダークゴリラは笑った。未来? 5

2014-02-17 14:55:34
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

そんなものが見えるというのか?「何が狙いだ」(間もなく『セクト』は潰えまする)(ダークゴリラ=サン、それは望みではありません)(ダークゴリラ=サン、新たな主に仕えるべき時が来ました) 6

2014-02-17 15:01:23
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「……断る」(それは何故)(何故)「オヌシらを信用する事は出来ない」(貴方ではゴリラスレイヤーには勝てませぬ)(戦えば死にまする)「オヌシらが見る未来も、存外宛にならぬ様だな」(……)(……)ゴリラ運命者達は顔を見合わせる。 7

2014-02-17 15:03:14
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「だがそうか、ゴリラスレイヤーが向かっているのか」ダークゴリラはバナナ型の刃物を持った武器を取り出した。彼らはこれに導かれたというのだろうか?このような役に立たぬ代物に。(なりませぬ)(戦ってはなりませぬ) 8

2014-02-17 15:05:41
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「この武器、此処でへし折るぞ?」ダークゴリラは苛立ちを感じていた。ゴリラスレイヤーと戦う好機を投げ捨てろと言う者達に。(お止めくだされ)(お止めくだされ)「俺に戦わず、何を為せと言う?新たな主とは何だ?」 9

2014-02-17 15:06:15
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

(ゴリラの時代を)(繁栄の時を)(貴方こそが)(ゴリラの王)「ゴリラは間もなく滅びる。ゴリラが生き残ろうと、バナナが無ければ生きられはせぬ。それが呪いだ」(貴方はゴリラを超える定め)(貴方は生命の果実を超越した者) 10

2014-02-17 15:07:34
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「一人生き残って何の意味がある。人に混じって生きろと言うか。それとも俺に、ゴリラを蘇らせろとでも言うか」(正しく)(ゴリラを再び)「……去れ。二度は言わぬ」 11

2014-02-17 15:08:29
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

(時はいま暫くございまする)(その間にどうぞお考えを)「二度は言わぬと言った」ダークゴリラがそう言うと、二体の不気味なゴリラは音も無く消え去った。 12

2014-02-17 15:09:31
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

ダークゴリラは思索する。ゴリラの運命。生命の果実。……今更、その様な事を言う。ゴリラは既に滅びる。バイオバナナなどという代物は、恐らく無意味だ。ならば、ゴリラスレイヤーは何故ゴリラを殺すのか。滅びる種族を葬る事に、何か意味が有るというのか。 13

2014-02-17 15:15:12
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

これまでのあらすじ:ゴリラスレイヤーはピラーへ突入し、バイオバナナ製造機のもとへと進む。一方、ダークゴリラのもとへは不気味なゴリラ運命者達が訪れていた。

2014-02-20 21:48:45
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「ウォーーッ!!」「グワーッ!!」「グワーッ!!」「グワーッ!!」「グワーッ!!」ゴリラスレイヤーのゴリラ震脚により熱帯仕様クローンヤクザが転倒!だが、ゴリスレイヤーは追撃は行わずバナナの香りのする扉へと進む。 15

2014-02-20 21:49:27
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

ゴリラスレイヤーには読めぬが、その扉には『バイオバナナ製造室』のプレートや『バイオ汚染危険性』『外して保持』と書かれたテープが雑多に貼り付けられている。ゴリラスレイヤーは手をナックルウォーク形状にし、扉を4回叩いた。 16

2014-02-20 21:50:26
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「入りたまえ」扉の内側から声がする。ゴリラスレイヤーのゴリラ聴力は、扉の内側の音を聞き取っていた。ノックを行ったのは反応を伺うためであったのだ。だが、様子がおかしい。中に居るのは一人。敵意も感じられない。 17

2014-02-20 21:51:41
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

ゴリラスレイヤーはゆっくりと扉を開ける。まず目に入ったのは得体の知れない巨大な機械。そこから咽返るようなバナナの香りがしている。これこそが、バイオバナナ製造器に相違あるまい。……そして、簡素なパイプ机に腰掛ける白衣の男が一人。 18

2014-02-20 21:52:42
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

ゴリラスレイヤーは男を放置し、機械へと向かう。「無視とはシツレイじゃないか」男が口を開いた。ゴリラスレイヤーは男を見た。メガネをかけた小柄な東洋人。「ヨロシサンか」ゴリラスレイヤーは男の胸元の社章をみてそう言った。 19

2014-02-20 21:53:39
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