【実況】 モータル・ニンジャ・レジスター #2(発掘)
ドンツクドンツクスパコンブンブン、ドンツクドンツクブブンブーン。ドンツクドンツクスパコンブンブン、ドンツクドンツクブブンブーン。退廃的アトモスフィアを加速する過剰な重低音の只中、フードを目深にかぶった男が狭い階段を降り、フロアに足を踏み入れる。
2011-10-04 14:30:23「宣伝よりも美味だったですね?」とミンチョ書きされたキャッチフレーズの下で水着姿のオイランがしなを作りビールを持つ「ケモビール」の色褪せたポスター。壁という壁に等間隔で貼られるそれは、ある種ミニマルアートめいてすらいる。スローモーションな踊りを踊る男女の間をぬって、男は奥へ進む。
2011-10-04 14:35:04「おい、こっちはVIPだぜ、汚ないの」小さな階段を降りようとしたフードの男の目の前に、強面のロシア人バウンサーが立ち塞がる。キャバァーン!ポイント倍点クルヨ!ストコココピロペペー。壁際のスロットマシンがけたたましい電子音を打ち鳴らす。
2011-10-04 14:39:35「ある種ミニマルアートめいてすらいる」という印象は読者の我々が抱く感想であり地の文にはそぐわないような気がしたが、まあ今に始まったことでもないか #njslyr
2011-10-04 14:40:30chemobeerという綴りで化学(合成?)ビールのことだと思うのですが、反射的にケモノ・ビールなのかと疑ってしまう症状<ケモビール #NJSLYR
2011-10-04 14:40:45「おい、聞こえてんのか、汚ないの」強面のロシア人バウンサーはグイと顔を突き出し、フード男の顔を覗き込んだ。「イヤーッ!」「グワーッ!」フード男の一瞬のためらいもない頭突きがバウンサーの鼻面に叩き込まれる。バウンサーは一撃で失神!鼻血を溢れさせてへたり込んだ。男は降りてゆく。
2011-10-04 14:42:48「宣伝よりも美味だったですね?」 \ケモƱ"-ʓ!!/ ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ #njslyr
2011-10-04 14:43:25地下二階VIPフロアには上の音楽は届かない。狭い廊下でまず男を出迎えたのは、床に座り込んだグルーピーである。瞳孔の開ききった目は虚空を見つめ、よだれを垂らして、シリコン整形の乳房も露わだ。男はそれをまたぎ越える。右手のトイレからは個室で激しく前後する声と音が廊下まで届いて来る。
2011-10-04 14:55:35激しく前後…こんな混沌のなかにも婉曲表現実際奥ゆかしい(婉曲の意味がなくなっているが #njslyr
2011-10-04 14:58:17トテモナガイ=チョウジョウにてクローンキムをカンフー=ジツでケジメする!「アバー…ニーハオ…ダークキムデス」ぶつかりあうヌンチク!「アチョーッ!」「アイヤー」ナムアミダブツ!なんて中国版もイカガ? #NJSLYR
2011-10-04 14:59:37「大事ダヨ」と相撲フォントで書かれたノレンをくぐると、そこは青紫色の壁で囲われた退廃的な部屋で、プロジェクターが壁一面にフジサンの映像を映し出し、そこに裸の男女が影法師を投げかける。温泉の岩風呂を模した室内プールが部屋の中央に設えられ、若い彼らは富裕層の退廃子息といったところ。
2011-10-04 15:12:21男はこのマッポー的光景に何の驚きも見せず、部屋奥で両膝に一人ずつグルーピーを座らせ愉しむ金髪の若者のもとへ向かうと、向かいのソファーに滑らかに腰をおろした(ソファー上で自慰をして見せていたグルーピーは彼に押しのけられ、笑いながら転がり出ると、別の富裕層子息に抱えられていった)。
2011-10-04 15:17:05「ドーモ、イシマツ=サン。お楽しみですね」「このジジイ誰?」金髪をインプラントした若者は総プラチナ歯を威嚇的に剥き出した。「しーらない!」膝にまたがったブルネットのグルーピーが腰をグラインドさせながら笑った。「アレクセイどうしたの?」「寝てますね」フード男は静かに答えた。
2011-10-04 15:22:36「何だ困っちゃうな」イシマツは反対の膝にまたがる金髪のグルーピーを抱き寄せた。金髪グルーピーが自らの豊満な乳房の谷間に粉末ズバリを溜めると、イシマツは鼻を鳴らして吸い込んだ。「スーン!アーッ!……で、お前が何の用?」「ちょっと脅せと言われましてね」「ハハハ面白い!」「イヤーッ!」
2011-10-04 15:29:28フード男の右手が閃く!次の瞬間、イシマツの上の前歯四本は惨たらしく引き抜かれ、フード男の手の中にあった!「アバーッ!?」ズバリ粉末を摂取しているイシマツと言えど、この痛みと恐怖は現実感を持って襲って来る!「もう少し痛めつける事になるからな」フード男はソファーから立ち上がった。
2011-10-04 15:46:23#NJSLYR カラテが乏しくてもハイクが上手いなら、ま、いっかとか思っちゃうよね。ソニックブーム=サンには悪いけど。
2011-10-04 15:49:00「アイエエエエ!」「アイエエエエ!?」「アイエエエエ!」ソファー付近でこの突然の暴力を目の当たりにした者たちは口々に悲鳴をあげて逃げ惑う!事情を知らぬ離れた場所の富裕男女やグルーピーはいまだ退廃的に遊戯している。その温度差!
2011-10-04 15:55:27「ア、アバッ」イシマツは脅えた。彼とて屈強な体格の持ち主だ。カネモチの常として、自宅のジムで毎日鍛えているからだ。オーガニック・スシを日常的に食べ、栄養もいい。だがフード男の何の躊躇もない凶悪な暴力!プラチナ入れ歯の前歯四本で、イシマツは完全に屈服した。「ヤメテ」
2011-10-04 16:02:04