ルージは最後は隊長になったけど、直前まで居た地位は「参謀」ってとこだし、少年主人公が参謀をやるロボアニメってかなり珍しいんだよな
2014-06-23 22:31:25ロボットアニメに政治を持ち込んだアニメは多々あるけど、主人公と政治要素をちゃんと噛み合わさせたのって珍しいし、アニメで描く政治戦争の難しさややこしさを解消する一つの回答になったね
2014-06-23 22:33:18ルージは参謀であり戦闘での切り込み隊長であり切り札だから、討伐軍にけしていなければいない立ち位置で、だから最後ルージが討伐軍のリーダーになるところはすごく納得できた。ただの少年ではなく、ただ強いだけの人でもなく、ただ賢いだけでもないルージを知ってる僕からすると
2014-06-23 22:35:47たとえば地球最後の希望のロボットに乗って勇気と機転で戦う少年ヒーローとは違うし、戦場で戦い続けていたらいつのまにか英雄になっていた兵士系の主人公とも違って、ルージはしっかり自分のやることのイメージを持っていてそれに則って行動して、そして最後に自分の願望の通りに世界を救っただよな…
2014-06-23 22:38:47ルージは掛け値なしの英雄で、超人なんだけど、諦めも敗北も知ってるし、(結果的に)大それたことを考える人でもなかった。流れがあるんだよな…自然に世界を救うんすよ…
2014-06-23 22:40:36何故か中盤の時点から話を書いてしまったが、ここで序盤へ戻ろうと思う。(大体21話ぐらいまで)序盤のエピソードもまた無駄のない作りだったかと。
2014-06-23 22:39:43ジェネレーターを壊して村が死ぬ恐怖、ジェネレーターを直す旅と共に遠眼鏡の似合う男として成長を目指す意味を兼ねた第3話がルージの旅に明確な目的を与え、ここで全体の話に貫かれる筋が成り立った瞬間だろうか。
2014-06-23 22:40:454話の妙にコミュニティが整備された外の世界観、5話のガラガ、コトナを挟んだコミカルなやりとりからシリアスな決闘まで、その流れで第6、7話はルージ達が初めて戦争に参加して勝ちと同時に負けを味わったエピソードでもあり、ここで”勝ちもすれば負けもする”とのゾイドジェネシスの世界を提示。
2014-06-23 22:42:06個人的にはセイジュウロウ関係の第10話が面白く、村を救う為に強くなる事が禁じられているのならば、自分の全財産をはたいて用心棒を雇いたいとセイジュウロウに頼むシーンが、主人公らしからぬ行動と思うと同時に村を守りたい意思がはっきりと見えてきた瞬間だった。
2014-06-23 22:43:09ここで無茶苦茶ルージが好きになった覚えがある。彼が戦う事はあくまで守る為にとの意思に基づいて行われるものであり、その守りたい信念からルージが戦にしろ、政にしろ共にこなせる大将へと成長していく原動力だったのかもしれない。インターミッションの11話ではデレるミィが凄く可愛い。
2014-06-23 22:44:31そして12~15話までのゼルフト編もまた強烈だった。第13話「支配」では戦争があくまで人が殺されるだけのものではないとちゃんと描き、人が殺されなくても占領体制に悲劇が起こる事態がそこにあったのだ。
2014-06-23 22:46:07母国の言葉ではなく相手の国の言葉を使わなければならない事態、”銀色のゾイドが吐いた一筋の炎、それだけで……”と告げられる戦争が一瞬にして破壊と共に一生分の人の思い出を奪い去ってしまう悲劇が淡々と述べられていた回でもあり……
2014-06-23 22:47:23特に第14話で兵士として徴用された母親がいつの間にか姿を消している演出が”間接的な死の描き方”を表現していたかと。ゾイドジェネシスは直接的に人を殺す描写はほぼないが、間接的に人を殺す描写が凄かった。
2014-06-23 22:48:31第14話の消え去った母親もそうで、第37話でズーリの街が空爆を受けるシーンでの人々の阿鼻叫喚の声もまた強烈だった。その一方で第17話で描かれた無敵団全滅……と見せかけて実際は全然死んでいなかったとの大どんでん返しも凄まじく。
2014-06-23 22:50:01この間接的な死をトリックとして、死の際にドラマを見せたようで実際の所は死んでいなかったがゾイドジェネシスでは多く、逆に本当に死ぬ時はあっさりと撃墜されてしまう。死ぬ瞬間にはドラマがないとの事が「人を殺せば戦争ドラマが出来る」に対して真っ向に対立していた。
2014-06-23 22:51:42このありがちな戦争の描写に対して「死んでたまるか!」と痛快に提示した無敵団編は彼等のキャラの濃さもあるが妙に感慨深い話かもしれない。序盤ではセイジュウロウ編、ゼルフト編、無敵団編が特に好きと言えば好き。
2014-06-23 22:52:43そのジェネレーターの職人を探すドラマから、旅をする連れにディガルドの脅威を知って、ジェネレーターが直ってもディガルドの脅威は変わらない事実を提示してから、放浪の旅から組織へと変わっていく瞬間のドラマも説得力があったが、第21話「帰郷」で約束を反故にしたリスクもちゃんと扱っている。
2014-06-23 22:54:17ここでミロード村の人々に対して自分が約束を守れない事に対して謝る事で、一旦ジェネレーターを直すドラマを無期延期にする目印を付けて、ディガルドとの戦いを”いつの間にか”ではなく”ちゃんと”すり替えることに成功している。討伐軍が役目を終えたら組織を解体する第49話の描写も大きい。
2014-06-23 22:56:08最後に終盤に関しては、第43~46話で兵器の質に関してのミリタリー的な事情から、ソラシティの超兵器を手にする為に古代兵器ギルドラゴンを発掘して天空へと舞い昇る展開は戦争・SF・古代ロマンの3要素が揃って足を並べた瞬間かと。
2014-06-23 22:57:26特に第45・46話は”惰になった超文明を持つ展開の人々が、同族の人間の攻撃を受けて空中の街が地面へ落とされる”なんて書いてしまうと昭和50年代のサンライズ作品が好きな方としては興奮せざるを得ない展開だろう。
2014-06-23 22:59:07そこからナンバーの正体が非戦闘員達の魂であり、彼らを救う最大の方法は魂を解放して天へ昇らせる事を提示する衝撃が、戦争に巻き込まれた人々が生きて帰ってこない悲劇を見せると共に、自分の罪の償いの為に必死で魂を解放していくザイリンの姿が健気でもあり、空に舞い上がる魂の描写がまた美しく。
2014-06-23 23:00:43ザイリンがそこで野望の為の道具から、真の敵と立ち向かう男として己を見いだしていくドラマが描かれる第47話で勢いがさらについて、慌ただしいながらも大連合結託、ラ・カンの特攻、ルージが若き総大将として均衡の相手と直接対戦を繰り広げると怒涛の展開が続き……。
2014-06-23 23:02:00最終回でルージが抱えていた最大の弱みを見せる事で、私はこの作品との距離がさらに縮まった気がする。この最終回を見た後に第1話を見直すとどうなるのだろうか……。
2014-06-23 23:02:45最大の弱みを見せて窮地に落ちる所、ムラサメライガーが最後の奇跡を発揮した描写は今まで現実から離れることなく成長を積み上げてきたゾイドジェネシスが与えてくれた最初にして最後の奇跡なのかもしれない。いわばチート。
2014-06-23 23:03:54