よいこ大賞～メイドノベルオンリー結果発表

よいこ大賞、よいこ大賞です。
今回で３回目を迎えましたよいこ大賞。２回目の｢猫｣に引き続き今回もテーマがあります。
それは、

｢メイド(もしくは執事)｣

とても狭いテーマの中、57名のツイノベ書きさまから全123作品が寄せられました。
さてさてどんなメイドさんが賞に選ばれるのか。
今回も私の、「好き」だけを頼りに賞を選定して参ります。
さてさてどの作品が選ばれますことやら。

結果発表

よいこ大賞

123作のメイドノベルのまさに頂点。
ナンバーワンの座に君臨するのがこのよいこ大賞です。
メイドの中のメイド。選ばれし者。まさにメイド長。
今回私が一番好きだ！と思ったメイドノベルにこの賞を捧げます。

今回のテーマは｢メイド｣です。数あるメイドノベルの中でこのメイドは最も、｢こうあって欲しいと私が思うメイド像｣に近かったように思います。私にとって、メイドノベルに大切なものは確固たる主従。萌えも恋もロボ化も全ては職務ゆえのことであって欲しいという密かな願いがあったりします。このメイドノベルに登場するメイドは私が思う最高のメイドなのです。主従の歴史を感じさせる物語構成。仕事だからという体裁で、だけどご主人様を愛しているからだよねと書かずににおわせるテクニック。お見事。

さてあらかじめ、｢よいこっそり情報｣(ご存じですか？)などでお伝えしてましたとおり、今回は私以外、二人の方に審査をお願いしております。前回の流れから想像されていたかたも多かったことと思いますがご紹介致しましょう。
まずは一人目！前回よいこ大賞の覇者、猫じゃらしのべるが可愛かった、プラムさん(@ps_plum) です。
さてさてプラムさんはどの作品に賞を捧げてしまうのでしょうか。なお、賞の名称及び講評はいただいた文章(原文ママ)となります。

第１回プラム大賞

【プラムさんのおことば】
この度記念すべき第１回プラム大賞は白田さんのこの作品。想いを告げられないメイドの恋心を人魚ときれいにリンクさせていて、とても美しいメイドノベルです。テーマはメイドですが、ご主人様が主人公だったり、メイドよりキャラが立っている作品がある中で、人魚のような恋するメイドの話す物語は文句なしの大賞ですね。 いつかご主人様のキスによって、伝えられない魔法が解けるハッピーエンドを期待してます。

さてさて今回私以外の審査員二人目に登場していただきます。今回、私がよいこ大賞～メイドノベルオンリーを開催するに至ったきっかけの一つ。懇意にしていただいている福岡の男装執事＆メイドカフェCollage Cafe ALICEのメイド長、ノアさんです。ノアさんはロングのメイド服がとてもよく似合うおっとりとした、でもやるときはやる、お絵かき上手なメイド長。ノアさんが選んだのは果たして果たして、どの作品でしょう。

メイド長のお気に入りで賞

【ノアさんのおことば】
白田様はじめまして。コラージュカフェアリスのメイド長をしておりますノアと申します。この度、白田様の作品を「メイド長のお気に入りで賞」として選ばせていただきました。おめでとうございます。白田様の作品が、私の無作為に選んだ中の２トップに残り、どちらにしようかかなり迷ったのですが、こちらの作品を選びました。まず、冒頭の一文からの比喩表現。これがとても素敵で、一気に物語の中に引き込まれていきました。彼女がいままで、どれほどその人のことを想い、そしてその感情をどれほど必死に抑えて来たかがひしひしと伝わってきました。 愛する王子を殺せず、自ら泡となり 死を選んだ人魚姫に自分を重ね合わせ抱いていた恋心を沈める。 本当に切なく、そして綺麗な作品です。白田様の世界観に引き込まれている時私の頭に中には人魚姫のうろこの煌く美しさと、水面の揺らめく波と、涙が作る小さな波紋の情景が 浮かびました。今回描かせて頂いたイラストはそんな私の感じた思いを描いたものです。白田様に喜んでいただけたら幸いです。最後に、素晴らしい作品に出会うことができて心から嬉しく思います。ありがとうございました。そして、改めて受賞おめでとうございます。 ノア

なお今回、ノアさんからメイド長のお気に入りで賞の白田さんへはノアさんが物語をイメージして描いた絵が贈られます。ノアさんが白田さんの物語を元に描かれました。リンク先をどうぞ。

よいこ小賞

大賞じゃないのか。これが大賞じゃないと言い切れるのか。小賞を選ぶことはとても難しいことなのです。ですが、選びます。大賞も、小賞も。私にとっての好きをハッキリさせるために、責任をもってラインを引くのです。
どなたかの大賞になりうる可能性を秘めたそんなよいこ小賞たちをどうぞ。

メイドノベルとしてのみならず、ツイノベとして大変優秀な作品。タグ前にかけられた謎がタグ後にするっと解ける感覚が素敵です。古いお屋敷でのことですから幽霊の一人や二人、居たって不思議はないわけです。もしかしたら奥様や旦那様は、｢あらいるわね｣くらいに思っていると面白いなあと思いつつ、お嬢様の不憫を思うのです。忠実すぎる執事も考えものですが、そこにあるのは確固たる主従。お嬢様にもわかる日がきっと来るはず。

お嬢様の最後の我儘が切なくて切なくて。主従を越えないようにしているこの執事がこのあと部屋でお嬢様を攫おうかとどうかと悶々として、けれど翌日何ごともなかったように送り出す。絶望するお嬢様。ぎゅっと握りしめた執事の白い手袋には赤い染みが。というところまで妄想いたしました。意に添わぬ相手との結婚というお嬢様の宿命を執事への恋と絡めることで見事に描いた素晴らしい作品。