修道院についてのやりとり
- saisenreiha
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ドイツは地方史の蓄積が圧倒的に分厚い国で、ヴェストファーレン地方やも例外ではない。K. Heigst編のWestfälisches Klosterbuch, 1994. は、これ一冊でヴェストファーレンの修道院の歴史は何でも分かるという超便利本。 #rekisinews
2010-02-23 15:15:49ミュンスター最古の女子修道院Überwasserの修道女の数もこの本で分かる(S.61)。1461年19人、1518年18人、1667年12人、1687年10人、1703年14人、1773人5人。18世紀末にはすっかり衰退していたことが分かる。
2010-02-23 15:19:15修道院は結構ややこしい。修道院には修道宣誓を行いKlausur禁域制に拘束されるベネディクト会則を取る修道院と宣誓を行わず禁域制にも拘束されない修道院がある。この違いについては以前ブログでも書いたことがある。http://bit.ly/bSLG8y #rekisinews
2010-02-23 15:31:34また修道院には、大修道院Abtとそうでない修道院がある。さっき『カトリック大辞典』で「大修道院」の項を読んだが、大修道院とそうでない修道院を区別する基準は載っていなかった。何だろう。
2010-02-23 15:34:53Wikipediaですが。「いくつかの修道院の集まった修道院群のことを、大修道院と呼ぶ」http://bit.ly/bjYqpR RT @saisenreiha: また修道院には、大修道院Abtとそうでない修道院がある。さっき『カトリック大辞典』で「大修道院」の項を読んだが、大
2010-02-23 15:40:52ユーバーヴァッサー女子修道院はAbtですが、娘修道院を持っているわけではないと思うので、どうでしょうか。 RT @TakashiNagano Wikipediaですが。「いくつかの修道院の集まった修道院群のことを、大修道院と呼ぶ」http://bit.ly/bjYqpR
2010-02-23 15:50:26修道制についてはきちんと学んだことがなく知識が付け焼き刃なので、どうしても色々抜けがありますね。うむむ。
2010-02-23 15:52:00イギリスの修道院/志志子田光雄・富壽子著/研究社によれば、abbeyは通例abbot、abbessが管理する大修道院とありますね。prioryはその下位の小修道院と。外してたらゴメンナサイ。 RT @saisenreiha ーバーヴァッサー女子修道院はAbtですが、娘修道院を持
2010-02-23 16:07:15基本的にAbteiを「大修道院」と訳すのは反対。これはおそらくクリュニー修道制を念頭に置いた訳語で、クリュニー修道院を大とし、それに下属するPrioratを小とするするわけですが、saisenreihaさんがおっしゃるように娘修道院を持たないAbteiも当然あります。
2010-02-23 16:51:43したがって、Abteiは「修道院」と訳して問題ないと考えます。一方Prioratは「律院」と訳すのではないかと思っているのですが、日本語で定訳があるのか今一自信がないのでこれは保留。
2010-02-23 16:55:18@saisenreiha 辞典・英文学の背景/三谷康之著/凱風社によれば、abbey 大修道院/大修道院長(女子大修道院長)の管轄の元に修道士(修道女)が生活する修道院(女子修道院)を指す、と読めます。 随分前に買って初めて開いた。八木谷涼子さんが教会建築の資料に勧められてた本。
2010-02-23 17:01:08修道院の独立性を担保するAbt/abbasがいればAbtei/abbatia、そうでないのもすべてひっくるめてKloster/monasteriumです。AbteiとKlosterは同義語のように扱われますが、結構厳密に区別される概念。
2010-02-23 17:10:44僕も大修道院はダメと思う RT @t_ohnuki: 基本的にAbteiを「大修道院」と訳すのは反対。これはおそらくクリュニー修道制を念頭に置いた訳語で、クリュニー修道院を大とし、それに下属するPrioratを小とするわけですが、(略)娘修道院を持たないAbteiも当然あります。
2010-02-23 20:47:25あとpriorと出てくれば必ず大きなmonastery傘下の修道院長かというと、必ずしもそうではないので、それも注意。priorの多義性には注意を要する。
2010-02-23 20:53:33論文読むときは最初大雑把な把握に留めておくのが吉ですね。 RT @tricycler あとpriorと出てくれば必ず大きなmonastery傘下の修道院長かというと、必ずしもそうではないので、それも注意。priorの多義性には注意を要する。
2010-02-23 21:12:31そう。最初はね。だいたい prior って(the) first (person)って言ってるだけだもんね。どういう文脈でpriorが使われているかを把握するのが重要ですな。 RT @t_ohnuki: 論文読むときは最初大雑把な把握に留めておくのが吉ですね。
2010-02-23 21:30:12priorがabbotの下の副修道院長を意味することもある(というか@t_ohnuki さんのいうconventusのトップというか)。prior generalis だと修道会の総長を意味する場合もある。prior provincialis だと修道会の地方管区長となったり。
2010-02-23 21:41:09修道制の歴史でよい概説は最近いろいろでてますが、フランクの『修道院の歴史』戸田聡訳はとてもよいと思います。その後、ディンツェルバッハーとホッグ編『修道院文化史事典』で個別修道会をフォローとかかな。補足あればよろしくです。@t_ohnuki
2010-02-23 21:54:43修道制の歴史でよい概説は最近いろいろでてますが、フランクの『修道院の歴史』戸田聡訳はとてもよいと思います。その後、ディンツェルバッハーとホッグ編『修道院文化史事典』で個別修道会をフォローとかかな。補足あればよろしくです。@t_ohnuki
2010-02-23 21:54:43まだ消化してないですが、個人的には関口武彦『クリュニー修道制の研究』がベネディクト会修道院を知る一番よい本だと思います。 RT @tricycler フランク『修道院の歴史』、ディンツェルバッハー・ホッグ編『修道院文化史事典』
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