宇宙博に展示されてるTMT分割鏡の補足説明

ぐるぐるうづまき @guruguruuzumaki

建設開始が決まった次世代超大型望遠鏡TMTですが、その主鏡は六角形の分割鏡を492枚並べて直径30メートルの鏡を構成します。鏡に使われるガラスは熱膨張の殆どない極低膨張ガラスセラミックス・クリアセラムで、ホンモノが宇宙博で展示中です。 twitpic.com/e89tn2

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さて、宇宙博に展示してるTMT分割鏡について補足説明など。

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TMTの分割鏡は82枚がワンセットになってて、これが光軸周りに60度ずつ6セット492枚配置されることで30m鏡を構成しています。1番から82番の六角形の鏡は全て同一ではなく、場所ごとに非球面の角度が異なります。 twitpic.com/e946rz

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蒸着作業用のスペアも含め、82種類の鏡が7セット分574枚用意されます。各鏡には1番-1や23番-7という感じで枝番が振られます。今回展示してる鏡は82番の試作品なので、番号をふるとすれば82-0って感じになります。　twitpic.com/e946rz

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ちなみに、試作品とはいえ蒸着すれば使用に耐えうるレベル、だそうです。

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非球面ガラスなので、鏡の端っこと端っこで数mm程度の球面差があります。なので、周囲の照明が分割鏡ガラスの表面と裏面で反射する程度がガラスの両端で微妙に違って見えます。会場でぜひ確かめてみてください。

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この鏡、1枚で170 kgあります。鏡を支えるセグメントサポートアセンブリは75 kg。鏡の支持と歪みの矯正は3本のアームに取り付けた27本のアクチュエータで行います。 nao.ac.jp/contents/news/…

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鏡の大きさは対角144 cm、厚みは4.5 cm。隣の鏡との隙間は2.5 mmで六角形の各辺にエッジセンサーが取り付けられており、能動的にお互いの一を調整して、全体で調度よい向きになる様にするのです。

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鏡の蒸着には銀を使用。観測波長である長波長紫外線から遠赤外線まで、アルミに比べて反射率が良いので。　素材によって反射する波長は異なります。例えば岡山のは赤外領域がメインなのでアルミ蒸着ですな nao.ac.jp/gallery/weekly… TMTは紫外域も測りたいので銀なのです！

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宇宙研の赤外線望遠鏡系は金蒸着なのよね。先日の特別公開でもSFUに搭載されてたIRTS（ホンモノ！）やあかりフライトモデルの主鏡（こっちもホンモノ）の鏡面は金色でキラキラしててキレイなの。

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鏡の周囲、よーくみると1ヶ所矢印が書いてあります。この矢印は光軸中心の方向を表しています。探してみてくださいね♪

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展示してる台、真ん中に太い柱があってちょっと見にくいですよね。 twitpic.com/e89tn2 実はこれ、展示用のケースじゃなく、この装置も鏡にセグメントサポートアセンブリを取り付ける用の架台なのです。つまりこれもホンモノ。見えにくいのはご了承くださいなのです。

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あ、そうそう。鏡のお値段は1枚3000万円だそうですわよ、奥さん。　どうかしら、一家に一枚セグメントミラー♪

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ってことで、TMTセグメントミラーの紹介おわりー(*ﾟ▽ﾟ)ﾉｼ　宇宙博ではスルーされてる展示らしいので、皆さんよく観察してくださいねー(/_;)

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あ、そうそう。去年の宇宙天文光学EXPO2013でもTMT分割鏡を展示してました。その時の様子は動画にまとめてyoutubeにあがってますので、そちらもよろしくなのです。 youtube.com/watch?v=s6IqHn…

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