犬一ゃん主催リレー小説第2ラウンド

リレー小説参加者(執筆順・敬称略) 雨音 ケイ ひなた 犬一 続きを読む
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犬リ小用 @kushock

@amane_te @hinata_polo @flower_lamp @vide_boite あみだです。好きな数字を選んでね。揃ったら公開しますおー。今回のテーマと舞台は座談会で出たのを使わせてもらおうと思うます。 pic.twitter.com/bJRqMbUN0i

2014-09-08 21:00:16
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犬リ小用 @kushock

@amane_te @hinata_polo @flower_lamp @vide_boite ルールについて。ルールは前回と一緒です。 【締め切り】自分に回ってきてから二週間 【文字数】5ツイートまで 【タグ】#犬リ小2 よろしくお願いします。 #犬リ小2

2014-09-08 21:02:27
犬リ小用 @kushock

@amane_te @hinata_polo @flower_lamp @vide_boite 結果出ましたー。 1.あまねーさん 2.けいさん 3.ひなたちゃん 4.犬一 5.のぞさん です! pic.twitter.com/pZ9cAp1M2I

2014-09-08 21:33:01
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雨音 @amane_te

@kushock ①「目標地点は先ほど指定した施設としますが、今回は初めての長距離移動演習です。」 瀬戸内海の無人島。ライフジャケットを着た若い男女が、グラウンドに整列している。 「移動先が目標地点から外れた場合は、速やかに電話連絡をして、この連休中に帰寮するように。」#犬リ小2

2014-09-20 09:59:35
雨音 @amane_te

@kushock ②“魔法”の能力を持つ者が、人類に突如現れてから数十年。火や風を起こすなど、様々な異能力を操る者たちは、“魔法使い”と呼ばれている。 魔法能力を発現した者は、特別な訓練を受けて資格を取得するか、もしくは一生能力を封じるかのいずれかを選択することになる。#犬リ小2

2014-09-20 09:59:50
雨音 @amane_te

@kushock ③ここは、その資格取得のための全寮制の訓練校。クラス名は「瞬移科」。いわゆる瞬間移動の能力持ちたちが集まる科だ。私は、どうも珍しいケースらしいが、成人してからこの能力が発現した。そのため、大多数が10代の若い子たちで構成されたこのクラスに混ざっている。#犬リ小2

2014-09-20 10:00:00
雨音 @amane_te

@kushock ④「初めてのプロテクターなしの移動って、無意識にね、“本当に行きたい場所”に跳んでしまうことがあるんだって。」 「噂では、この演習で海外まで行っちゃった人もいるらしいよ。」 「あっ、いいなぁ。私、パリとか行きたぁい。」 「いいねーマカロン食べたいー。」#犬リ小2

2014-09-20 10:00:10
雨音 @amane_te

@kushock ⑤そう話す若い子たちのテンションが若干高い。初めての島外演習の前だし、期待と緊張と半分ずつでちょっと興奮気味って感じかな。…いや、この子たちは普段からこんなもんか。 微笑ましく見ていると、ふと、一人と目が合った。 「ねえ、凪沙さんは、どこに行きたい?」#犬リ小2

2014-09-20 10:00:21
ケイ@鈴村だった者(低浮上中) @vide_boite

①そう話しかけてきたのは同じようにライフジャケットに身を包んだ、瞬移科の中では一番歳が近い伊吹だった。凪沙よりは年下だが他のクラスメイトと比べて入学が遅く、ひょんな事で意気投合して以来仲がいいクラスメイトだ。 伊吹は凪沙の側までやって来ると、手に持っていた鞄を下ろした。#犬リ小2

2014-10-06 01:52:58
ケイ@鈴村だった者(低浮上中) @vide_boite

②「んー…今の季節なら北陸の方とか行ってみたいかな。まだ少し肌寒いかもしれないけど、遅咲きの桜とか見れそうじゃない?」 「いいね。何だかんだで今年は忙しくて桜の時期逃しちゃったし、花見も行けなかったからね」 「そうなのよね。伊吹君は?君ならどこに行ってみたい?」#犬リ小2

2014-10-06 01:58:34
ケイ@鈴村だった者(低浮上中) @vide_boite

③聞くと天井を仰ぎ見ながら暫く考え込む様子を見せていたが、不意に「あっ!」と声をあげた。 「俺、凪沙さんの地元に行ってみたい」 「…え?」 「ほら、前に車で暫く行ったところにあるって言ってた…洞窟?」 「鍾乳洞のこと?」 「そうそれ。その鍾乳洞に行ってみたいんだ」 #犬リ小2

2014-10-06 01:59:10
ケイ@鈴村だった者(低浮上中) @vide_boite

④「そっか、それなら…」 「では、これから順次、出発してもらいます。くれぐれも怪我をしないように。では1班から前へ」 ホイッスルが鳴り響いた後、教師の呼びかけに従って前にいたクラスメイトがグラウンドに描かれたサークルの中へと集まっていく。 「あ、時間かな?」#犬リ小2

2014-10-06 02:03:11
ケイ@鈴村だった者(低浮上中) @vide_boite

⑤「あ、移動が始まったか」 伊吹はホイッスルで話が中断された為、少し残念そうにしながら床に置いていた鞄を持ち上げた。 「それじゃあ凪沙さん。一足先に行くね。向こうの施設で待ってるから」 「うん、気をつけてね」 手を振りながら、サークルの中に入っていく後ろ姿を見つめた。#犬リ小2

2014-10-06 02:05:11
ひなた@削除します @hinata_polo

①軽やかに駆けていく伊吹は、普段からフットワークが軽い。瞬間動の能力などなくても、羽が生えたかのようにひょいとどこにでも行ってしまいそうだ。 対して凪沙は、あまりあちこちに遠出するタイプではない。どちらかというと、家でのんびり過ごす方が好きだ。#犬リ小2

2014-10-21 02:20:42
ひなた@削除します @hinata_polo

②何故自分に転移能力が目覚めたのかと、こうして訓練を受けながらも、不思議に思っていた。 ……それにしても、鍾乳洞かあ。 県外からこの瞬移科に入るために入寮してきた伊吹は、まだこの土地に明るくない。雑談の中で近隣の名所をいくつか話して聞かせたのだか、#犬リ小2

2014-10-21 02:20:55
ひなた@削除します @hinata_polo

③その中で井倉洞のことも挙げたのを覚えていたのだろう。 井倉洞は新見市にある全長1,200メートルの鍾乳洞だ。 凪沙の実家のからは車で30分程で、学校行事や子ども会で何度か足を運んだ。 鍾乳洞の中は、年中温度が一定で、真夏に入ると驚く程肌寒い。#犬リ小2

2014-10-21 02:21:07
ひなた@削除します @hinata_polo

④一度ノースリーブのワンピースで入り、薄暗い洞窟内を両腕を抱き抱えるようにして歩いた。 そこまで思い出し、思わず凪沙は眉間に皺を寄せる。 凪沙は鍾乳洞が苦手だった。 幼い頃両親とはぐれ、薄暗くでこぼこした道を、延々心細く歩いたせいだ。 伊吹には幼い頃の思い出と、#犬リ小2

2014-10-21 02:21:17
ひなた@削除します @hinata_polo

⑤面白おかしく話したが、今でも不意にその時の夢を見てはうなされ目を覚ます。 その後どうやって両親に再会したのかは思い出せず、外で食べたソフトクリームに記憶は飛ぶ。 願えばどこにでも行けるというのに、何も好き好んであんな薄気味悪いところに……。 凪沙は大きく身震いした。#犬リ小2

2014-10-21 02:21:28
犬リ小用 @kushock

「次、6班」  先生の声が響く。 (大丈夫。教わった通りにやれば出来るから。先ずーーー)  訓練を思い返しながらTVで見た景色を頭に浮かべる。日本三名園の一、名勝兼六園。さっきの子たちじゃないけど、やっぱり、折角の実習なのにあまり近い所じゃつまらない。かと言って、 #犬リ小2

2014-11-05 00:53:29
犬リ小用 @kushock

地元と学校の周辺以外はさっぱり分からないのでどうしようか悩んでいた時、雑誌でここを見つけた。 私の地元は同じ三名園である後楽園を擁している。四季を鮮やかに映す庭園。私の大好きな場所。それと同じ冠。直ぐに惹かれた。距離も程よく遠い。  兼六園は、まさにうってつけだった。 #犬リ小2

2014-11-05 01:05:34
犬リ小用 @kushock

「発動!」  先生の声に推されるように熱を持った力が胸で弾け、身体が僅か宙に浮いた。血液が全て足元に落ちてしまったような強烈な目眩と倦怠感に思わず目を閉じる。 (兼六園、兼六園っ)  それでも懸命にイメージを繋ぎ止めて耐える。  その一瞬の後、足が再び地面を捉えた。 #犬リ小2

2014-11-05 01:09:05
犬リ小用 @kushock

重力が全身に圧しかかり崩れ落ちそうになる。咄嗟に膝に手を衝いて支えるが身体が重い。何回か深呼吸を繰り返してやっと落ち着く。  胸を撫で、顔を上げ、そしてーーー言葉を失った。 『井倉洞 入口』  遥か前方に見える赤と青の文字が、白い看板にいやに不気味に浮いて見えた。 #犬リ小

2014-11-05 01:12:30
燈乃 @flower_lamp

①もう一度だけ深呼吸し、改めて周囲を見渡す。再び看板を見るまでもない、ここは凪沙がよく見知った場所。生まれ育った新見市の井倉洞だ。 初めての実地訓練だし最初から目標地点ぴったりに跳べるとは思っていなかったが、まさかここまで的外れな場所に到着してしまうなんて…。 #犬リ小2

2014-11-08 21:08:20
燈乃 @flower_lamp

②伊吹との会話で鍾乳洞のことを思い出したりしたからなのか。あるいは年下のクラスメイト達の言葉を借りると、ここが凪沙にとって無意識に思い描く“本当に行きたい場所”なんだろうか? (さすがにそっちはないな…)と、薄気味悪い鍾乳洞を前に自分の集中力の無さを嘆く。 #犬リ小2

2014-11-08 21:08:44
燈乃 @flower_lamp

③瞬間動は確か私たちの班が最後だった。今頃は現地で待機する先生が、無事に到着した生徒を集めて点呼を取り始めているはずだ。 (まずは先生に連絡をしなくちゃ) 凪沙は緊急時の電話番号が書かれている訓練概要のプリントを取り出すべく、ライフジャケットのポケットに手を伸ばす。#犬リ小2

2014-11-08 21:09:02