6ポンド砲小話~63口径版・90mm低圧砲へ・6ポンド対空/対戦車砲

6ポンド対戦車砲について、特に英本国以外での小話をいくつか
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

90mm低圧砲の大元はこのへんでいいのかな。MECAR 90mmの牽引対戦車砲版。重量は880kgというから、360度旋回できる砲架な割には結構軽く済んでる。牽引時は脚2本外して畳んで、砲口にキャップ付けて牽くのかな pic.twitter.com/c4DHN2MsWl

2014-10-20 19:53:39
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ベルギー軍が90mm低圧砲を元々牽引対戦車砲として使うつもりだったのなら、90mm低圧砲の反動が6ポンド砲と似通ってる(つまり似たような規模の砲である)ってのは偶然でなく意図的なものだったのかもだなあ。砲規模が近ければ、6ポンド砲用に使ってた砲架やら牽引車やらを流用できる訳だし

2014-10-20 19:57:27
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

言わんや、先の90mmロイドキャリアも正に6ポンド砲砲架に90mm低圧砲積んでますものね。元々これをやりたかったのかも……?

2014-10-20 19:59:32

高初速6ポンド対空/対戦車砲

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

機関砲めいた発射速度の大口径対空砲があるかと思えば、他方では小口径の手動装填対空砲もちょくちょくある。独海軍の3.7cm高角砲とか、ソ連海軍の45mm両用砲とか、あるいは仏海軍37mm対空砲、日本陸軍の試製47mm高射砲とか。割と世界中で見られるわけですが

2014-11-15 15:30:12
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

小口径の手動装填対空砲の中で多分最後発なのが、カナダの「高初速6ポンド対空/対戦車砲」。これは以前触れた63口径6ポンド(twitter.com/FHSWman/status…)の砲身を使ったもので、装填は対戦車砲版と同様に手動だった。最大射高は6000mくらいを想定

2014-11-15 15:34:27
えすだぶ@C101二日目東3ア50b @FHSWman

hmm... 砲身長を63口径に延長した6ポンド砲なんてあったのね。初速は990m/sと言うから赤軍の57mm ZIS-2と同等だけど、英軍の徹甲弾は金質が良いせいか能力はZIS-2を上回って、400ヤードで130mm程抜いちゃうと pic.twitter.com/EZ3lRY74BU

2014-10-19 23:09:51
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

良い写真がないので説明しにくいのですが、これの砲架は普通の対空砲のようにシーソーめいて砲耳前後である程度重量バランスが取れてるタイプではなく、現代米軍の155mm M777や日本の試製47mm高射砲に似て砲耳がとても低い位置にある。たぶん対戦車戦闘を意識してシルエットを低くしてる

2014-11-15 15:39:02
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

高初速6ポンド対空/対戦車砲は、1942年初頭の開発当初には毎分60発の発射速度が予定されていた。ただ奇妙な事に、43年末~44年頭頃に完成した試作砲は手動装填式になっている。手動では頑張ってもこの半分が限度であろうし、ひょっとしたら途中で要求仕様が変わったのかも知れない

2014-11-15 15:45:08
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

44年4月の試験では、高初速であることは確かに対空戦闘においても有利であるものの、手動装填で発射速度が低いために、対空用途には全く効果的でなく、それに使用すべきではないと判定されてしまう

2014-11-15 15:49:23
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

幸い英国には6ポンド砲用の自動装填装置が──モスキート爆撃機に搭載されたので有名なモリンズ社製の装置がある。これを付ければ高初速6ポンド対空/対戦車砲でも十分実用になる……かといえば、不可能だった。低砲耳スタイルの砲架のために、自動装填装置を付けるだけのスペースが足りないんである

2014-11-15 15:53:10
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

低砲耳スタイルの砲架にも適用可能な5発クリップ式装填装置も提案されたものの、これもあまり有望な設計ではなかったようで、結局陽の目を見ることはなかった

2014-11-15 15:55:46
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

それでも対戦車砲としての試験は続けられ、特に地上の移動目標に対する照準が非常にやり易い利点が確認された。対空用途も考慮されているが所以かしらね。その後も対戦車砲版の試験は続けられるも、45年8月末に計画は終了となる

2014-11-15 15:58:13
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

対戦車砲として見ると、対空/対戦車砲は当然ながら機能過剰なところがあったようで。そして重量は3.3tにもなるわけで、普通の6ポンド砲の3倍重いどころか、遥かに強力な17ポンド砲を上回ってさえいて。どうもこの手の砲はニッチにうまく当てはまらないですねえ

2014-11-15 16:04:11
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

この手の小口径手動装填対空砲は、対戦車砲としては無駄に重く、高射砲としては機能不足になってイマイチになっちゃうようなんで、重量制限の厳しい陸砲向きではないのかもですね。海軍では先に触れたように独仏ソと採用例がしばしばあるんで、軽便安価な砲としてのニッチが無い訳じゃないみたいですが

2014-11-15 16:08:07
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ちなみに他の小口径手動装填対空砲の例に漏れず、高初速6ポンド対空/対戦車砲も時限信管は用いないで直撃を狙うタイプだったみたいで。ひょっとすると、そこまでやるなら本式の対空砲と同様に大掛かりな話になっちゃうんで、軽便簡易な対空兼用砲ってコンセプトに合わないのかもですね

2014-11-15 16:11:22
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

というわけで、最近ちょっとカナダ軍がアツいです

2014-11-15 16:12:10