マザーウィル泊地　#13　いつもの非日常

Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

敵の攻撃に対するため、通常兵器から艦娘までが常時駐留する『資源基地』なのだ。下手に攻撃すれば高練度の艦隊や多数のゴールキーパーの熱烈なお出迎えを受けることとなるだろう。資源は資金とほぼ等価、市場によって増減するだろうが、価値は計り知れない。 #マザーウィル泊地

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SoMを維持するためのシステム、その規模は人間が居ないことを除けば企業とそう変わらない。それに気付いている人が、艦娘が、どれだけいるだろうか。 明石「傭兵はそれぞれが独立した企業体……？」 提督「その通りだが、どうした、突然」 明石「いえ、ふと思いつきまして」 #マザーウィル泊地

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どうやらこれは「知ってもいいこと」のようだ。 SoMは一種の企業体、戦力を売り対価を得る。だんだんと繋がってくる。かつてのコロニー・アナトリアが執った傭兵による経済。SoMはその成功例か。 明石「企業の嫌がらせは？」 提督「撃退すればいい」 #マザーウィル泊地

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明石「撃退って、企業政府軍相手にただの傭兵が勝てるはずが」 提督「そうだな、たとえば自立型ネクストをクレイドルや本社にたんまり送りつければいい。我々のいるこのSoMは何の象徴だったか。言ってみろ」 明石「物量とパワーの戦争……」 #マザーウィル泊地

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提督「そうだ。それにな、企業政府が全て敵に回るというのは有り得ん。企業政府同士の対立さえ復活した現在ならば、連中がが同時にSoMを襲うようなこともない。どの陣営にも利害と弱みというものがある。上手く政治的に立ちまわることも重要だな」 #マザーウィル泊地

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明石「提督って凄い人だったんですね！」 提督「いや。そういった政治的な事をやっているのは叢雲や霞で、私は資源基地の備蓄管理やこうしたSoMの整備保全、そして戦闘が役割だ」 明石「そういえば傭兵でしたね。エンジニアとばかり最近思ってましたし」 #マザーウィル泊地

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明石「提督が外交やって叢雲さんが内務、という印象だったんです」 提督「私は外交に向かんからな。出られぬし。外交であれば霞に勝る者は居ないしな」 明石「そういえば、霞さんって……あ、返信がきました。見積書と日程ですね」 #マザーウィル泊地

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提督「…………もう少し増やせと伝えろ。人件費と利率が少なすぎる。手を抜かれると困るのだ」 明石「あ、はい」 値下げ要求でなくその逆。やはりおかしな人だった。 #マザーウィル泊地

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熊野愛用のD355A改「マービン」とほぼ同型ブルドーザー #マザーウィル泊地 pic.twitter.com/ptXR5Dpn2V

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提督「……ビスマルク。我々の艤装はどこへ」 ビス「暁に頼んで修正してもらったわ」 提督「そんなに不満だったか」 ビス「対戦艦戦艦なんてよくわからないものでいるのは魂が許さなかったわ。まだ航空戦艦みたいな歪な存在の方がマシよ！」 #マザーウィル泊地

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伊勢「…………」 山城「…………」 最上「…………」 私だけならばよかったが、そこには航空戦艦や航空巡洋艦がいた。 日向など、鬼のような形相で歯を食いしばり、ビスマルクを睨んでいる。 特殊な艦娘はその特殊性を誇る傾向にある。 #マザーウィル泊地

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提督「まぁいい。日向、その怒りは演習で晴らせ。お前ならそれができるはずだ」 日向「ふん。提督に免じて……ん？」 ビス「…………」 提督「気絶だと……あり得るのか、そんな艦娘が」 伊勢「頭部に轟沈未満の攻撃を喰らえば時々なるけど」 #マザーウィル泊地

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提督「なんという豆腐精神か」 伊勢「結構箱入りに育てた提督の責任もあるんじゃない？」 提督「例外ではないからと手心を加えすぎたか」 #マザーウィル泊地

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死にたい、と言う奴は滅多にいない。あの不幸型と揶揄され自認する扶桑型でさえ、その不幸を悲観することはない。むしろ不幸を糧に絶対の生還手段を導き出した。 誰もが、生きるために戦っている。生の充足を得るために、自らの価値を証明するために。 #マザーウィル泊地

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そして、死ぬことを前提とした作戦は立てないし採用もしない。死にたがりの馬鹿だった天龍も今や最重要任務たる輸送艦護衛の旗艦として育ち、全員が旗艦する。資源は重要だ、だが輸送艦も練度の高い艦娘も、一度失えば取り戻すのに長い時間がいる。 #マザーウィル泊地

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資源のために生きるのではない、生きるために資源が要るのだ。過去の偉人は良いことを言う。 我々がSoMい辿り着いた最初期ではないのだ。まだ人間が居た、あの頃ではないのだ。脆い技術屋を養っていた時代ではないのだ。 #マザーウィル泊地

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戦場で悲惨なのは物資の不足だ。弾も食糧も失い、士気も戦力も失った兵士達は、ただの蹂躙される的でしか無い。それは艦娘も同じ。弾薬は体当たりやブレードでもどうにかなろうが、燃料がなければ動かない的だ。 艦娘は喰わずとも資源だけで生きてはいけるが、人はそうではい。 #マザーウィル泊地

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餓えで狂った技術屋を止むを得ず殺した。 資源が足りず、完全解体も行った。 もはや罪悪感など残ってはいないが、当時は共に戦った仲間を殺すことに抵抗があった。 #マザーウィル泊地

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あくまで抵抗だ。わずかに残った良心とやらも、永き戦いで擦り切れたのだろう。残ったのはトラウマだけ。こんなのが提督などをやっていれば、そこにいる艦娘は実に憐れだ。 #マザーウィル泊地

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ぶっ壊れた人形の元には、ぶっ壊れた人形を。あの頃からいた艦娘は私が壊し、ここに送られる艦娘は既に壊れていた。 それが今では誰も文句の一つも言えぬ一個企業に匹敵する勢力になるとは、誰も思わなかっただろう。あの老人共も、そして私も。 #マザーウィル泊地

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大艦隊で飽和攻撃を行うも、火力だけでで激減してゆく戦力。 唯一突破するも海上で当泊地に踏み潰されたレ級。 泊地に撃破されるという空前の結末であった。 #マザーウィル泊地

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別府「Наш Советский Союз покарает」 暁「べすみーるおーてぼぷーきねーべなばすとーく」 別府がソヴィエトマーチで進軍してゆく。 アカは嫌いだが、別府にそういった危険思想が無いことは確認済みであるため、特に咎めたりはしない。 #マザーウィル泊地

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暁が片言で付き合うのが見ていて微笑ましい。 We are the worldを愉快に歌いながら大虐殺を行うよりははるかに健全だろう。当泊地の突撃空母が士気向上の為に出すスピーカーを翼下に吊るした機体は、ベトナム時代の反戦歌ばかり流す。 #マザーウィル泊地

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提督「貴様ら、そいつらに爆弾を載せんか」 赤城「士気が落ちて砲弾が当たりにくくなるのですが……」 提督「そもそも貴様らが砲を撃つことさえおかしいのだ」 赤城「そうですか？元々巡洋戦艦として建造されたわけですから……」 提督「今は空母だ。昔のことは忘れろ」 #マザーウィル泊地

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赤城「では、提督はエンジニアとしての過去を忘れることができるのですか？」 提督「過去ではない。未だ全盛期のエンジニアだ」 赤城「では傭兵は？」 提督「現役だ」 赤城「人間は？」 提督「…………」 赤城「すみません」 #マザーウィル泊地