共産党の主張「内部留保で賃上げ」の間違い

まとめさせていただきました。
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青木文鷹 @FumiHawk

今日は発見されなかったので、連投。

2014-12-17 15:33:21
青木文鷹 @FumiHawk

1)なんか内部留保が話題になってるのだけど、「内部留保で賃上げ」とかわけわからん政治家の発言が出てるので、その辺を整理してみる。そもそも内部留保は企業の利益から役員の報酬とか配当といった払わなきゃ行けないモノ払い終わった純粋な利益を社内にため込むこと。厳密に言えば利益剰余金。

2014-12-17 15:34:27
青木文鷹 @FumiHawk

2)利益剰余金は各種積立金(任意積立金とか別途積立金)と利益準備金、繰越利益剰余金のこと。任意積立金は使用目的が決っている。別途積立金は無目的の積み立て、利益準備金は配当や将来の支払いのための準備で会社に対して積み立てることが定められているもの、繰越利益剰余金が余剰利益。

2014-12-17 15:34:48
青木文鷹 @FumiHawk

3)でもってこれらの中で利益準備金は積み立て義務なので除外、任意積立金は目的が決ってるので除外、別途積立金はイザと言う時のための資金で利用に株主総会での決議が必要な株主の管轄なので除外、結局繰越利益剰余金のみが内部留保として自由に使える部分になる。それ以外に広義の内部留保もある。

2014-12-17 15:35:12
青木文鷹 @FumiHawk

4)広義の内部留保は 減価償却費の過大計上分といったものが対象になるけど、そもそも過大ってどう判断するかとか、範囲はどうするって話があるのでこの場合は考慮しなくていい。で、狭義の内部留保の中で繰越利益剰余金なら使えるじゃんという意見が出るだろうけど、そこが問題。話は簡単じゃない。

2014-12-17 15:36:06
青木文鷹 @FumiHawk

5)内部留保は準備金とか積立金とか名前が付いていても「お金とは限らない」からややこしい。現金や預金もあるが、売掛金、金銭債権、有価証券等の比較的換金しやすいものもあれば、不動産や設備など現金化しにくい(若しくは事業上現金化できない)ものもある。置いとくだけじゃ運用できないからね。

2014-12-17 15:37:21
青木文鷹 @FumiHawk

6)では繰越利益剰余金があるじゃないか、というとそうも行かない。2013年時点で積み上がっている余剰金の現金は約170兆円で、これ1社当りにすると数千万円にしかならない。バブルの清算終わってから長期デフレ下でため込んだのにこの程度、大企業限定ならともかく、内部留保で賃上げは無理。

2014-12-17 15:37:55
青木文鷹 @FumiHawk

7)内部留保の蓄積分を原資に賃上げとか、ハッキリ言って不可能でしかない。仮に数千万の内部留保が尽きても賃下げなんて出来ないから。本来これらのストックは賃上げでなく設備投資などに使われるべきで、デフレが解消しないから現金なり預金の形で眠っているに過ぎない。デフレ解消すれば動き出す。

2014-12-17 15:38:38
青木文鷹 @FumiHawk

8)これまでの内部留保蓄積分ではなく、「毎年発生する利益剰余金」についてなら一考に値するかもしれない。2012年で約10兆円程度の純粋な利益が発生しているから、この部分をもっと賃上げに分配出来ないかという考え方。でも、これも結構難しい。株主に理解求めたり、労組が頑張るべき問題。

2014-12-17 15:39:25
青木文鷹 @FumiHawk

9)そもそも、税金払ったあとの純利益に国が口出すのはお門違い。政治家が民間企業の内部留保云々いうなら「内部留保にするよりも人件費で払ってしまった方がお得だ」と企業に思わせる“施策”をするのが仕事。それをお願いやらメディアへの発言でどうこうしようとするのは政治の怠慢なんだがね。(終

2014-12-17 15:40:14