ロボブレイカーズ：グルメ・レース

マトリクス @3atrix

機壊者はビルから飛び降りながら、手持つ銃型装備のプラズマ発射装置を取り外すと、残った部分をトンファーのように構えた。都市部の戦闘において、プラズマは過剰威力なのだ。「はっ！」落下の勢いを乗せて打撃を叩きこむ。テトラダイは右腕で受けた。ロボットは叫ぶ必要がない。 #rbbrks

マトリクス @3atrix

「カレー屋とは、ラディンブリックの経営するあの店のことか？くだらん飯事にうつつを抜かすなど、非効率極まる。店じまいの手間を省いてやったまでよ」「……武力でか」機壊者は飛び離れる。「どうやら、あんたには全力振るえるぜ。ラッシー無しの激辛で」 #rbbrks

マトリクス @3atrix

機壊者は、手に持つ装備に腰の後ろにつけられていた筒状部品を装着した。先ほどとはやや異なる形だ。テトラダイのニューラルチップを嘲りが満たし、戦闘機械は呵々大笑した。「プラズマ銃！街中では使えんなァーッ！」ジグザグに走りながら斬りかかる！機壊者は得物のポンプを引いた。 #rbbrks

マトリクス @3atrix

一つ目のバズソーが首に、二つ目のバズソーが腹に、それぞれ触れようかという刹那、機壊者は引き金を引いた。ーーポンプによって圧搾され、銃内部プラズマチェンバーによって数千度に熱せられた「熱の散弾」が、ゼロ距離で炸裂した。 #rbbrks

マトリクス @3atrix

「……？」ロボットは悲鳴を上げる必要がない。テトラダイは腹に大穴を開け、斜め上へ吹き飛んだ。機壊者はポンプを引き、空中で組み付くと、テトラダイの頭に銃口を押し付けた。 二つで十分だった。 #rbbrks

碌星らせん（ろくせい・らせん） @dddrill

エクササイズ６（加点問題）：主人公のその後を描写しよう。情景描写で〆てもよし。(配点：＋10点) #njtke

マトリクス @3atrix

「……終わったぞ」戻ってきた先ほどの男に機壊者が示したのは、ぶすぶすと焦げる残骸だった。「いや、まだだ」彼は残骸を通り越し、カレー屋へと向かう。その手には物々しい対物ライフルが握られていた。彼の自転車のフレームは、これを組み替えたものだったのだ。 #rbbrks

マトリクス @3atrix

彼は先ほどの会話を盗聴していた。自転車ライフルも、盗聴器も、彼の雇い主、INTAT (international new technology assessment team)の提供したものだ。彼はカレー屋の店主を破壊し、務めを果たそうとしていた。#rbbrks

マトリクス @3atrix

壁に寄りかかっていた機壊者が、無言で立ち上がった。手にはトンファー。男を見て、そしてその向こうを見て、叫んだ「出てくるんじゃない！」カレー屋の店主ーーラディンブリックが立っていた。　#rbbrks

マトリクス @3atrix

「ありがと、でも、だいじょぶ、じゅぶんですよ」充分とでも言いたいのか。ラディンブリックの発声装置には不具合が起きていたが、組織から足を洗おうとしていた彼はそれを交換できなかったのだ。INTATのエージェントは逡巡した。放っておいても害はないのでは？　#rbbrks

碌星らせん（ろくせい・らせん） @dddrill

ファイナル・エクササイズ：出来上がったものをtogetterに纏める。それから、せっかくなのでエピソードタイトルを付けよう。(配点：4643点)#njtke

マトリクス @3atrix

張りつめた空気。ロボットと人間にどれほど違いがあるのか？同じでは？そうなると、あの丸鋸ロボットの説明がつかない……いけない。感傷など、プロには不要だ。撃って、終わらせる。そう覚悟した瞬間ーーー　#rbbrks

マトリクス @3atrix

ぐぅぅう。ぐううきゅるるぅ。#rbbrks

マトリクス @3atrix

彼は気づいた。空腹だ！！！とても！！！！！！すべてがどうでもよくなった。彼はライフルを捨て、言った。「チキンカレー１つ！」　#rbbrks

マトリクス @3atrix

おわり　#rbbrks