独断と偏見に基づくTVアニメ『Gのレコンギスタ』1クール目の総括・インプレッション(っぽいもの)まとめ

TVアニメ『Gのレコンギスタ』前半部(第1~14話まで)を視聴した筆者の雑感をまとめました。 「総括」というには語弊があるかもしれない程度に言及する領域が絞られています(内容も薄い)ので御容赦ください。 本記事は個人的な備忘録としてまとめた物ですが、例えばGレコの物語展開に対して「何を目指してるのかよく判らない」 続きを読む
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はじめに

有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

…というわけでどういうわけで、昨々々晩に宣言した通り(2日遅れたが;)現在放送中のTVアニメ『Gのレコンギスタ』1クール目の総括・インプレッションを手短に書き連ねていきたい。何から書くべきか迷いつつ、筆者がどういう態度で本作を毎回視聴しているかについて先に断りを入れておくと…(続

2014-12-29 08:12:11
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)筆者はGレコの視聴に際し「公式サイト等に掲載されている設定情報」「他の視聴者による考察」をなるべく読まない様にする、「過去作品(主に富野ガンダム)との連関性」を意識しない…つまり「ガンダムとして/富野アニメとしてどうか」という物差しを極力排除する、といった縛りを設けている。

2014-12-29 08:13:10
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)換言するなら、富野監督が各所で口にされている「これからの時代を生きる子供たちに見てもらいたい」という発言の“子供”の射程範囲は我々が想定する所のそれよりも広いのではないか?と仮定した上で、そうした企画意図が高次に実を結ぶのか“だけ”を最終的な評価の基準にするという事になる。

2014-12-29 08:14:31
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)それと同時に、各話毎の評価姿勢としては余り肩肘を張らず、なるべく「童心に返った様な気持ち」で画面と向き合うよう努めている。これは作劇の精緻さよりも画面上のキャラやMSや背景美術等が一体となって織り成す映像演出から「楽しい印象」を得られるかどうかを重視する、という事である。

2014-12-29 08:15:17
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)妙にカタい感じでどうでもいい前置きが続いているが、結局の所こういう個人としての価値基準を明確に示しておかないとGレコという作品に対してはフェアな評価をし難いという思いからこの様な導入をさせて貰った。というわけで今から書くのはシナリオの細部を掘り下げる類の考察ではないし、(続

2014-12-29 08:15:52
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前) 前述したアニメーションとしての「楽しい印象」を得られるか云々についても各デザインや色彩設計など含め毎回ワクワクしてます!の一言で済むし一々書き出すと無駄に長くなるので省略。そうした細かい部分を取り除いた上で、今後の展開を占う意味でも気に掛かるポイントをほぼ一点に絞った。

2014-12-29 08:16:27

本 題

有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

…そんなこんなで『Gのレコンギスタ』前半部インプレッション、漸く本題。 いきなり結論から入る様でアレだが、結局の所この物語は「アイーダ」と「ノレド」と「マニィ」の少女3名が今後どう動いていくかに掛かっているのではないか(ラライヤが重要なのは見るからに判りきってる事なので)。 (続

2014-12-29 08:17:26
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)この3名に限らず、Gレコの物語には人間が闘争へと至る(極めて男性的とも言える)メカニズムを、その傍らに立つ“女性”が(自覚の有無に関わらず)間接/直接的に温存・下支えしていく構造が見て取れ「ナチュラルにそういう時代になってる」事をある種の問題意識の下敷きにしている節がある。

2014-12-29 08:19:14
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)Gレコは「男性よりも女性側に魅力的なキャラが多い」と個人的に思いつつ、その中で、例えばクリム×ミックマスク×バララの2組に顕著であるが、戦闘時にあっては上官〈男性側〉の意思決定に従順で優秀な部下でありながら、平時の際は女性側が精神的に上手という逆転の関係が見て取れる。

2014-12-29 08:20:20
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

反対に、新たな敵対勢力であるトワサンガ軍のドレット艦隊に属するマッシュナー中佐とロックパイの関係はというと上官が女性であり戦闘時も平時も順当に部下(男性)より優位である様に見えるが(第14話参照)彼女の「惚れ直しな」という科白は“惚れ直す”意思決定を男性側に委ねている様にも映る。

2014-12-29 08:21:43
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

また第14話において、こうした女性側と男性側の関係性逆転を示す描写は他にもある。 海賊艦メガファウナの操舵士・ステアは、Aパートで艦長のドニエルに背後を見られる事を嫌がる(?)が、戦闘時の緊張が一段落したBパートでは自ら宇宙服を脱ぎ、背中をモロ見せして警戒指示の“第一声”を放つ。

2014-12-29 08:23:21
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

無論、例にあげた描写はそのひとつだけを見て取るなら何てことはない、各組二者間の立場・関係を考えた上で状況と心情の推移を考えれば至極自然と言える芝居なのだが、そうした構図が集中的に配置されている辺り、この先Gレコが描こうとしている物語にとって重要な意図が込められている様に思える。

2014-12-29 08:24:16

ガールフレンド (仮)

有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

一方で、肝心の主人公サイドであるベルリ×アイーダ(或いはノレド)、そしてマスク大尉に思いを寄せるマニィの立場にスポットを当てると、先に挙げた男女組が職務上の上下関係に止まらない親密な関係(早い話が既にデキてるっぽい雰囲気)を匂わせているのに対し、彼女達は現状そうした間柄ではない。

2014-12-29 08:25:11
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

ベルリはアイーダに明確な恋心を寄せている様だが、彼女の思い人であったカーヒルを死なせてしまった事に自責の念を感じている手前(加えて目まぐるしく変わる戦況への対応に手一杯な事もあり)、恋愛的な関係の進展にはさほど積極的ではない(そういう方向への作劇をしていかない)様にも見える。(続

2014-12-29 08:25:46
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

また、ベルリに好意を寄せるノレドにしても、例えばアイーダに対して恋敵的なわかり易い立ち位置を取るという程でもなく(さり気なく馴染みの仲である事をアピールしたりはするが)それよりはラライヤの御守りをする役割を率先して引き受けていく方向にある種の“変節”を遂げている印象を受ける。(続

2014-12-29 08:26:49
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)勿論、現時点での最新エピソードである第14話においてラライヤが記憶を取り戻した事によりノレドの役割・心情も微妙に変わっていく可能性はあるが、いずれにしても戦場に赴くベルリ(或いはラライヤ)を精神的に下支えする保護者的な立ち位置を崩す(性愛方面に踏み込む)様な気配は薄そうだ。

2014-12-29 08:27:32
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

一方で、ルイン(マスク大尉)のガールフレンド(仮)であるマニィは、かたや将校かたや女学生という埋め難い環境の差からくる距離を縮める為アーミィに入隊する。マスクは彼女と再会するたび「クンタラの名誉を取り戻す」事を確認し合う素振りを見せてはいるが…ここにも“変節”の萌芽が見て取れる。

2014-12-29 08:28:20
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)マスク大尉の“変節”とは、戦場のパートナーであるバララの存在が「クンタラの名誉のため」が大前提の動機である筈の彼を(彼女の手引きによって)目的遂行に従事する有能な軍人へと純化させていくかの様な機能への誘いに知らず知らずの内に流されていく可能性へのマニィ視点からの憂慮である。

2014-12-29 08:29:16

元気の 「G」 は…?

有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

こうした幾つかの“男-女”関係を示した上で本題の冒頭に戻ると、Gレコの物語展開において筆者が考える重要さとは即ち「戦争への発展に至るメカニズムの片棒を(自覚の有無に関わらず)“女性が本格的に”担いでいる」事の危うさだが、これは裏を返すと「そこにこそ活路がある」という事でもある。

2014-12-29 08:31:40
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)先程からわざわざ“女性”とカッコ書きにしているのは理由があって、ここで言う“女性”とはミック中尉やバララ中尉、マッシュナー中佐といった「相方の“男性”と性愛的な親密さを匂わせ、軍事にも聡い」気質を見せる、色々な意味で経験値の高そうな女性キャラクターの面々を指している。(続

2014-12-29 08:32:20
有岡多聞(本人)🅙 @kan_hir

承前)そして“女性”側のカテゴリに対置させられるのは“少女”側、本題の冒頭で示したアイーダ、ノレド、マニィ(そしてラライヤ)といった面々であり、物語の始まりから現在までぬるぬる続く再征服――レコンキスタ――への誘いに“変節”をもたらす鍵は彼女達こそが握っているのではないか。(続

2014-12-29 08:33:10