部活動顧問への過重負担、あるいは肥大化した学校業務

正月休みから(だから)話題になっている部活動顧問への荷重負担。 これは本質的には部活動に限らない事象であると考える。
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bra-ketくん @mac_wac

部活動の教員に対する負担について(主に自分のTLで)話題になってるので、自分の見解をまとめておく。

2015-01-04 23:36:44
bra-ketくん @mac_wac

現状制度的には、部活動は教育課程(教科教育、総合的な学習、(中学では)道徳、特別活動(HR活動、生徒会活動、学校行事))外で、「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」学校教育活動の一環として位置づけられている(学習指導要領総則)。

2015-01-04 23:41:51
bra-ketくん @mac_wac

したがって、生徒全員加入制の部活動というのは(少なくとも公立では)おかしいが、生徒の自主的組織に対して学校側から教職員へ顧問の発令がなされるのは、全くおかしなことではない。

2015-01-04 23:43:16
bra-ketくん @mac_wac

現に、部活動を通して生徒指導(生活指導)を行ったり、担任と異なるチャネルから顧問が教育相談を行うことは大変頻繁にあることであり、その教育効果の大きさを否定する教員は少ないはずだ。また、卒業生自ら振り返って、部活動の人格形成に果たした役割を大きく評価する者も多いだろう。

2015-01-04 23:48:00
bra-ketくん @mac_wac

一方、部活動の大変大きな問題点として、勤務時間外の活動が極めて多いことが挙げられる。下校時刻は、通常勤務時間より遅いため(後述するが、すぐに分かるようにこれは部活動に限った問題ではない)、当然活動も勤務時間を超える。逆に朝練は勤務開始前だ。土日は当然勤務すべき日ではない。

2015-01-04 23:51:31
bra-ketくん @mac_wac

それでは時間外勤務を命じればよいかというと、公立学校の場合はそれは不可能である。公立学校教員は、時間外手当が出ない代わりに、時間外勤務を命じられる条件が厳しく制限(乗船などの生徒の校外実習、修学旅行などの学校行事、職員の全体会、その他緊急の場合に限る)されている。

2015-01-04 23:56:43
bra-ketくん @mac_wac

ゆえに、教員は「ボランティア」でサービス残業を恒常的に行っている(ちなみに、休日での「自発的な活動」に対しては、なぜか一日3000円程度の手当が支給されるようだ)。私立では時間外勤務を命じることはできるが、現実的には財源不足から、勤務命令が完全に発せられている学校は少ないだろう。

2015-01-05 00:02:14
bra-ketくん @mac_wac

以上を要約すると、学校教育において部活動の意義は極めて大きいものであるにもかかわらず、その遂行は、契約上の勤務以外の教員の自発的な活動に極めて大きく依存している。こここそが極めて大きな問題と考える。

2015-01-05 00:11:31
bra-ketくん @mac_wac

さて、脇道にそれるが、論点としては「専門外の部活動の指導を強いられる」というものもある(例えば、科学部なんかはなぜかこの手の話がないようだが)。制度上は勤務時間内であれば職務命令には従わなければならないが、その手の命令が妥当かは、副次的な問題としてここでは論じない。

2015-01-05 00:26:37
bra-ketくん @mac_wac

本筋に戻る。「重要な教育活動がサービス残業に依存している」という、部活動が抱える大問題は、果たして部活動に限ったものであろうか。もちろん、多くの教員にとって、部活動がその問題の中心を占めることを否定する意図はない。

2015-01-05 00:31:04
bra-ketくん @mac_wac

例えば自分は生徒会顧問をやっている。活動時間は当然、部活動同様勤務時間外が中心(さすがに土日は少ないが)。また、放課後に生徒が学習に関する質問や、その他の教育相談にやってくることもある。そもそも、教材研究や学級経営の事務、勤務時間内にやってる事のほうが少ないのではなかろうか。

2015-01-05 00:34:10
bra-ketくん @mac_wac

多くは(特に生徒会顧問と学習指導)好きでやっているから、好きでやってる部活動顧問のようなものだが、それでいいのか? 例えば試験の採点や成績処理、勤務時間内に終わることは少ない。これも部活動の顧問同様、勤務時間外の従事を拒否して、「終わりませんでした、テヘ」的なことはありうるか?

2015-01-05 00:39:09
bra-ketくん @mac_wac

つまるところ部活動の問題は、教職員数×勤務時間に到底見合わぬ量の業務が学校現場にあるという一般論に帰着されると考える(前述の脇道も、専門外の部活の指導に専念できる時間があるならば大きな問題ではない、本当に時間があるのならば)。要するに、業務に対して人員が圧倒的に足りていないのだ。

2015-01-05 00:49:17
bra-ketくん @mac_wac

解決策は2つ。1つ目は、業務を減らすこと。もっとも現在の学校現場はそれと逆行し、食育だの安全教育だの英語教育の充実だの、どんどん業務が増えているのが実情である。

2015-01-05 00:56:33
bra-ketくん @mac_wac

この方向で解決を目指すなら、現実的には「教員が好きな仕事を選ぶ」路線しかないだろう。例えば自分は生徒会活動は好きだからやる。部活動は拒否、とか。十分多人数がいれば多少は個々の好みは均されるが、例えば部活やってて教材研究やらない教員の授業を受ける生徒はたまったもんではなかろう。

2015-01-05 01:00:29
bra-ketくん @mac_wac

一方、人員増は財政面の問題があるので根本的に難しい。大阪の部活動外部委託には注目しているが、財政面を抜きにしても、全面委託でなく平日は教員が見るべきという意見が出ているようだ。これはそもそも最初に述べた、部活動の学校教育における機能に由来する。

2015-01-05 01:03:48
bra-ketくん @mac_wac

したがって、そもそも教員自体が学校現場に足りていないと結論づけられる。無論、教員を補助する事務員の増員も有効だ。現状、教員自身が教務や会計等の事務処理をやっていることも多い(なぜ時間割を組むのが教員の仕事かさっぱり分からない!)。場合によっては35人学級実現より有効であろう。

2015-01-05 01:06:45
bra-ketくん @mac_wac

しかし、教員がタダ働きしておる現状があるので、直ちに財源が追加されるとは考えにくいし、個人単位で抗うのも職務上の不利益につながりかねないので躊躇する教員が多いだろう。つくづく遺憾なのは、この今に始まったわけでない現状を、日教組が政治にかまけて放置し続けていることである。

2015-01-05 01:09:32
bra-ketくん @mac_wac

さて、皆さんに問いたい。例えば、一回の授業50分を行うために、どの程度の準備(教材についての理解を深め直す作業だったり、生徒の顔を思い浮かべて微調整する作業だったり)を我々は取るべきだろうか。一人の提出物をどれだけ丁寧にチェックすべきだろうか。

2015-01-05 01:25:13
bra-ketくん @mac_wac

何の準備もしないでアドリブで授業を行うことだって、提出物を一人あたり30秒でチェックを済ますことだって(これでも、3クラス120人チェックしたら1時間かかる)可能であるし、実際業務が立て込みそうせざるを得ない時もしばしばある。

2015-01-05 01:27:32
bra-ketくん @mac_wac

その程度の授業や学級経営しか教員に求められていないのであれば、相応に臨もう(現状の環境であれば、そうならざるを得ない)。そうではなく、もっと子女に充実した教育を受けさせたいと考えるのであれば、やはり相応の金銭的負担を要求せざるを得ない部分はある。

2015-01-05 01:31:34