温かな毛糸を得るための秘訣は羊に冷たく当たること。冷たい素振りに凍える羊はその身を温めるためより柔らかな毛を纏うはずだ。教えに従い私は羊を睨みつけたり罵ったり。逃げ回る羊から奪った毛は最高に温かだというのにどうしてだろう。一緒に眠ったあの頃の温かさが忘れられない。#twnovel
2015-01-11 21:45:36毛糸を売った帰り道、道端で子供が震えていた。親は、家は、と尋ねてみる。親はいない居場所もないと、答える唇は真っ青だ。その子供を連れて帰り、羊の前に放り出した。震える幼子に羊が寄り添う。冷え切った小さな身体を柔らかい毛で包んで眠る。 #twremix @naholograph
2015-01-12 11:28:09やがて子供は羊飼いになる。温かな毛糸をつくるためにはどうすればいいの? まん丸な目で問うてくる子に僕は答えた。温かな毛糸を得るための秘訣は羊と仲良く暮らすことさ。老いた羊の頭を撫でると寄り添い静かにメエとなく。@petitchante #twremix
2015-01-12 11:47:18@naholograph こちらこそです、ありがとうございます! RTでお話を見て矢も盾もたまらずツイリミした後に、贈りものだったと気がついてふるふる恐縮しております……
2015-01-12 12:20:39@petitchante いえいえついりみはまた別なんで問題ないですよー。むしろいいところに着地できたんでもっといい贈り物になったなと嬉しく思いました!
2015-01-12 12:54:48#twnovel ずっと悩まされている肩こりの原因がわかった。背中に見えない翼が生えているらしいのだ。目には見えないし、手で触れないし、空を飛べもしないけれども、重さはしっかりあるらしい。天使みたいとほめられたが、役に立つわけでもないし、肩こりつらいので、こんなの別にいらいない。
2015-01-12 23:27:16#twremix @23novel ずっと悩まされている肩こりの原因がわかった。この世界の存在そのものらしいのだ。救いもないし、喜びもないけれども、絶望やストレスはしっかりあるらしい。世界は美しいと言われても、肩こりつらいので、こんな世界いらない。 #世界もう滅ぼしたい協会
2015-01-12 23:31:22#twremix 彼女には、小さな頃から羽根があった。私以外の誰にも、彼女自身にも、見えていないらしい。「天使みたい」と言うと、周囲は決まって、詩的で可愛い褒め言葉だねと私を笑った。それでようやく、気づいたのだ。天使「みたい」じゃない、彼女は、私だけの天使なのだ。@23novel
2015-01-12 23:34:05肩こりの原因が分かった。責任という名の重圧とみえという名のストレス。どちらも目には見えないが確かに肩にのしかかっている。最近背中に翼が生えたのでそれに載せて責任もみえも飛び立たせた。グダグダな感じになったが、適度に力が抜けこれでいいと思っている。#twremix @23novel
2015-01-12 23:41:28ぼくの背中には羽が生えている。黒くて重い。暗くて痛い。どうしてそんなものが生えているんだろう。ぼくは普通の人間なのに。いや、そう思っているのはぼくだけなのかもしれない。本当のぼくは悪魔なんだ。そう思わせるほど、背中のそれは存在感を主張している。 @23novel #twremix
2015-01-13 18:36:56#twnovel 「これをご覧ください。頭の中にぎっしり肩こりの原因が詰まっているでしょう。このせいで頭が重くなって、ひどい肩こりになるんですよ。根本的な治療は、手術で取り除くしかありません。どうしますか?一度取り出すと、もう元には戻らなくなりますが、このアイディアたち」
2015-01-12 23:39:50「これをご覧ください。頭にぎっしりと詰まったネタ。これが肩こりの原因ですね。どうします?取り除きますか?ああ、そうですね。物語で消化するしますか。では気張って下さい。一日、百以上の物語が肩こり解消の目安ですから。無理でしたら、またご相談下さい」#twremix @23novel
2015-01-12 23:46:21アイディアが重い。書いても描いてもアイディアたちは浮かんでくる。頭の中にぎっしり詰まったそれは取り出しても取り出しても減ることはなく、むしろ増え続けているようだ。ならばいっそ売ってしまおうか。抽出して固めて売り出して…そのアイディアすら重い。 @23novel #twremix
2015-01-13 18:39:04#twnovel 左肩には獏ちゃんが、右肩には羊さんがいつもしがみついています。良いことをささやきもしないし、悪いことをさせようともしません。ただひたすらに肩の上にいるだけです。じんわりと疲れてきます。気を抜くと眠ってしまいます。非常に低コストで、おそらくは彼らの思うツボです。
2015-01-12 23:57:18ぼくの両肩に獏ちゃんが手をかけている。じんわりとかけられた体重が重たい。ぼくから悪夢を吸いだしているんだ。日に日に獏ちゃんは体重を増していっていずれぼくを押しつぶすだろう。そうやって肥えた獏ちゃんはまた誰かに寄生するんだ。気をつけろ次はきみだ。 @23novel #twremix
2015-01-13 18:41:55