【アドベント・イン・マッドマッシュファクトリー】

眼鏡鳥@インコ好き @meganeuo0713

【与太話】（バシュー！）強く押すと、気密扉は音を立てて開いた。有難い事にカギは無かったようだ。ドロシーの波形は乱れたが、すぐまた波は小さく細かいものに戻った。聞き取れない音まで拾っているようだ。まあいい。 pic.twitter.com/ATuhFlnckr

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【与太話】「なんか違うね」「ウム」この部屋は…今までとはずいぶん雰囲気が違った。まず壁が綺麗だった。そして、設備も外で見慣れた錆の浮いた金属ではない。つまり合金だ。合金は高く売れる。目的の種や苗もあるかもしれない。俺は一番奥の扉に手を pic.twitter.com/us6M8ei9ej

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【与太話】（ドズン…）ドロシーの波形が乱れた！「ケッコウデカイヨチカイヨ」ドロシーが告げる。「さっさと調べよう！」相方が上ずった声で告げる。電気は来ていないので、部屋の中は暗が、棚が並んでいる事はカメラのフラッシュのおかげで分かった。 pic.twitter.com/A2XXZFQP6m

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【与太話】結論から言うと、この部屋でカメラのフラッシュなんぞ焚くんじゃなかった。この写真が斜めなのは焚いた瞬間、”そこにいたもの”から逃げ出したためである。でないと電池の切れた懐中電灯なんか撮るもんか。 pic.twitter.com/0QRzAy6DRd

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【与太話】俺たちは走った。懐中電灯は落とした。暗い廊下を駆け抜けた。棚の陰から白いボコボコした影が躍り出たのを視界の端にチラつかせながら。腰に挟んだカメラが連射機能を誤作動させカシャカシャと音を立てていた。よく転ばなかったものだ。 pic.twitter.com/6HCWyLR2RX

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【与太話】大部屋まで駆け戻り闇雲に明かりの方へ、半開きの鉄扉に突進し、工場裏の中庭へ走り出た。行き止まり。周りは高い塀に囲まれていた。「終わった…」思わず呻いた。 pic.twitter.com/dRxgSCl86P

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【与太話】二人で高くこちらに向かって反り返った壁を見上げ、その後茫然と半ば覚悟を決めて、後ろを振り返る。しかし、白い影が中庭へ躍り出来ることはなかった。何故？…天窓のない野菜プラント…足元に転がる大量の瓶。付着しているオレンジの塊。 pic.twitter.com/Z8wGIh1QR8

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【与太話】「これが、工場で育てていたもの？」「だろうな…干からびてるなこれ」瓶はことごとく割られていた。何かをここで大量に処分したのは間違いない。わざわざ倉庫から持ち出し外で？「日光に弱いとか？」相方が呟く。工場内内からはドズン…とまた音が響く。

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【与太話】工場内へ戻る訳にもゆかず、俺たちは外壁をよじ登り、屋根の上へ避難した。「凄い量だなあ」「中でこいつらが暴れているんだろうなあ」ドロシーが飛び、瓶を一つ拾ってきてくれた。工場で…光源がいらない野菜。ラベルには《ヨロシイタケ》 pic.twitter.com/WxOKoqrpl1

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【与太話】「キノコかよ…」思わず俺は脱力した。「キノコかー。種は？」「ねぇな」「苗は？」「テメェが獲ってこいや。確実に殴られる。最悪クズ肉だ。」工場の外に出たせいか、ドロシーの波形はフラットに近づきつつある。工場内では細かい波形は絶えず流れていたはずだが。

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【与太話】ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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【与太話】「…で。そのままから屋根を伝って工場の外に飛び降りて逃げ出した…と。」「ウム」「で、相方は足痛めて入院中」「…ウン」「馬鹿じゃねぇの?」…少しは加減してくれ。「この写真を見てくれ。こいつをどう思う？」「光ってるな」「蓄光。」 pic.twitter.com/jdPKLhHQs5

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【与太話】「蓄光？」「貴重品。超高く売れる」「懐中電灯のストラップが？」ハンターオフィスの情報屋がニヤニヤ笑う。「でさ、そのキノコの化物。白く見えたんだよな？暗い所で」「何故か見えたんだよ」「光ってたんじゃねぇの？それ」

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【与太話】「この情報は高く買うぜ。相方の治療代プラス色着けてやる」情報屋はニヤニヤ笑いを張り付けたまま言った。「…おう」俺は頷くしかなかった。

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【与太話】その工場が、生きた蓄光塗料の狩場になったのしばらく後の事だ。何でも、周辺の生きた光るキノコは、工場内に響く可聴域を僅かに超えた音に引き寄せられ、夜な夜な集まってくるので今のところ取り放題だそうだ。キノコの苗の採取も一応成功し、俺たちは依頼を果たした。

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【与太話】 20XX年…世界は核の炎に包まれた！ 文明は崩壊したが、人類は奇怪なバイオ生物と生存競争しつつ…ひーこら生きていた！これは、そんな過酷な環境の中、ひーこら言いながら日々サヴァイバルする人々の物語である！　《おしまい》

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■後記■終わったー！長い時間すいませんでした。最後は写真切れ…申し訳ない。勢いでアドリブで設定が生える生える。メタルマックスに鎖国下の近未来日本が舞台の小説やら創作都市伝説の設定をぶっこみ、ごった煮SS完成！ご視聴ありがとうございました！

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@meganeuo0713 ■設定1■ ハンター：この話の主人公。クルマも持たずバイオドッグも手に入れていない。弱小ハンター。最近手に入れたデジカメにご執心。電池代を捻出するため、弾薬を節約し、小銃一本で廃墟に突っ込んでゆく。生き残るためデジカメで撮影した情報を売ることも。

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@meganeuo0713 ■設定2■ メカニック：メカニックなのに、興味のあるもの…飛行ドローン特に「ドロシー」の整備にスキルガン振りしているのでクルマの整備は苦手。しかし、ドロシーのもたらす情報は、時にサヴァイヴに、時に飯の種になっているので、ハンターに頼りにされている。

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@meganeuo0713 ■舞台■このキノコ工場は、忍殺版アンブレラ企業の「ヨロシサン製薬」の系列工場である。案の定大破壊のドサクサにバイオハザードを起こし工場は廃墟に。ヌカ汚染された水でバイオキノコなぞ育てるからだ。

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@meganeuo0713 ■ドロシーの波形■オチで無理やり説明したが、工場内はキノコを留めておくための可聴域を超える音を流し続けていた。防音壁や音楽室はその管理・実験用である。その管理用の配管を、ハンターは冒頭で引っこ抜き、扉をこじ開けるため利用。結果が本編の惨状である。

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【与太話】『昨日の与太話で使えなかったカットシーンのコーナー』 昨日のまとめはこちら⇒togetter.com/li/790128

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【与太話】『カットシーンのコーナー』 工場内でバイオキノコの怪物制御に音楽を使用していたという設定は、本当に五線譜が印刷された黒板とスピーカーつきのなんかの制御板があったため。ホント想像膨らむ工場でした。 pic.twitter.com/N6yG8fR7Q0

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【与太話】『カットシーンのコーナー』 外からはどの扉も施錠されていたので、中へは実際に通気孔から入りました。一度入ってからは大きな機材の影に隠れた扉を内側から開けることでショートカット開通。RPGのダンジョン探索だろもうこれ。 pic.twitter.com/dEUxpvFyhh

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【与太話】『カットシーンのコーナー』 メタルマックスでお話作ることが確定したショット。前情報では閉鎖されてしばらく経った施設との事でしたが、備品が結構残っていた。まるで、慌てて放棄したみたいに...。凄くメタルマックスしている。 pic.twitter.com/1Jr0e8sbRk

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