斎藤環氏 ヤマギシ会について語る

僕自身はカルトを次のように定義している。それは「カネのかかる信仰」であり、言い換えるなら、奉仕活動と集金システムによって幹部クラス以上に富や利権が集中するような信仰のこと。 ヤマギシはカルト。なぜなら「参画」時に全財産没収が条件で、脱会時に返還されないから。「特講」はあきらかに洗脳。所有欲の否定は立派な教義でしょう。ニワトリの社会を理想とするから、あれは「ニワトリ憑き」集団だと断じたひとがいておかしかった。憑依も解離だからあながちデタラメではない。
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東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

crea.bunshun.jp/articles/-/7519 「カルト村」はたぶんヤマギシ会でしょう。20年前に「取材」したことがある。なつかしい。

2015-03-21 21:41:33

カルト村で生まれました。
高田かや
プロフィール
射手座・B型・東京在住。趣味は旅行。旅日記もつけています。桜の季節は花見、秋には紅葉、冬は温泉。酒蔵、ワイナリー、蒸留所で飲み歩き、市場で食材を仕入れ、各地の窯元で器を選び、漆器は塗り直しながら大事に使い、家での食事も楽しんでいます

投稿作品の中から面白かった作品をご紹介する「ちょい見せ」企画。第2弾は、生まれてから19歳まで過ごした「カルト村」での体験を描いたこの作品。両親と離され、労働や空腹、厳しい体罰に耐えながら共同生活を送っていた少女時代を回想し、かわいい絵と丁寧な手書き文字で当時の思いを綴ります。読者の皆様のご感想、お待ちしております!(月1回更新)
http://crea.bunshun.jp/articles/-/7519

東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

1996年に、さる編集者と取材という名目で滞在。タダで泊めてもらって食事もごちそうになった挙げ句、そこで得た知見をもとに社会精神医学会で一般演題「マインド・コントロールと解離」として発表した不届き者が私です。

2015-03-21 21:42:12
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

ひさびさに調べてみたらWikipedia「幸福会ヤマギシ会」の記述の充実ぶりがハンパない。なんと僕の学会発表にまで言及がある。「神秘体験」か「変性意識体験」かで小田晋先生にツッコまれたのも懐かしい思い出。米本さんの本からの引用?

2015-03-21 21:42:29

http://ja.wikipedia.org/wiki/幸福会ヤマギシ会
近藤によると、「怒り研鑽」における数時間にわたる反復の中で、怒りを覚えた動機を全面的に否定し、むしろ自分のほうが謝罪したいと涙ながらに語る参加者が現れた。さらに会場内には連鎖反応的に恍惚の表情を浮かべ、「もう腹は立ちません」と語り出す者が現れた。そのような反応に対し、進行役は頷く素振りをみせたという[58]。近藤は「まるで集団催眠にかかったような光景だった」と述懐している[56]。近藤と同じく特別講習研鑽会を受講した経験のある米本和広も、同様に涙を流しながら「もう腹は立ちません。楽になりました」などと語る複数の受講者の姿を目撃したとしている[59]。米本はそうした様を、「神秘的体験、法悦感に通じるような快感に酔いしれているように見えた」と述べている[60]。米本が後に受講者を取材したところ、「怒り研鑽」の最中に観音の幻覚を見、他の受講生の心中が読めるような感覚に襲われたと証言する者、雷鳴が聞こえ、食器が躍る幻覚を見たという者もいた[61]。宗教学者の島田裕巳は「怒り研鑽」を「怒りをなくすための研鑽」であり、「特講の中で一番重要」と位置付けている。島田によると、ヤマギシ会では怒りをなくすことが重要視されており、研鑽を行う上で参加者が腹を立ててしまっては冷静な判断ができないという判断の下で行われている。研鑽の目的は『腹を立てない』ではなく『腹が立たない』心境を作り出すことにある[62]。

また、島田裕巳は「怒り研鑽―<私>の場合―」と題して、次のように述べている。「他の受講者についても同じだった。順番に世話係との問答が繰り返され、<私>と同じように問いつめられ、答えに窮していった。時間の経過とともに、受講者の発言も少なくなり、その分だけ、問いつめ方もきつくなってきた感じであった。問いと答えの繰りかえしは休憩を何回かはさんで数時間に及び、沈黙の続く時間が長くなるにつれて、会場の空気ははりつめた重苦しいものにかわっていった。<私>は途方に暮れていた。彼らは一体何を要求しているのか、皆皆目見当がつかなかった。時計はとっくに真夜中の十二時をまわり、長時間にわたる問答によって精神は消耗していた。 しかし、この状態は永遠に続いたわけではなかった。時刻がすでに午前二時をまわった頃であった。ある女性の受講者の発言が、脱出口を示してくれたのであった。彼女の発言はおおむね次のようだった。『今、自分が腹を立てたときのことを考えてみると、腹が立たないような気がする。今度、そういったことがあっても腹は立たない』。このひとことは<私>に強い印象を与えた。『ああなるほど、腹を立てることなどないのだ』と感じられた。何か暖かいものがこみあげてくるように思えた。それは一種の解放感であった。そして、そのときの<私>に起こった心理的な変化の中でももっとも明瞭なものは、世話係の繰り返してきた『何で腹が立つのか』といことばが、腹を立てた理由を聞いているのではなく、腹を立てることなどないではないかと訴えかけているように聞こえてきたことであった。世話係の言い方がかわったわけではなかった。<私>の側の受けとめ方がかわったのである」[63]

特別講習研鑽会を受講した近藤は自身について、問いに対する答えを考える中で「突然、後頭部で『パチン』と風船が割れたような音」がし、「自分の意識が消し飛ぶような」感覚に陥り、「身震いするような恐怖を覚え」、やがて心地よい浮遊感、昂揚感を覚えるようになったと懐している[64]。近藤はこの経験について、「頭の中が真っ白になる。別の世界に誘われて、とてつもない真理を知ったような気分になる」、進行役の「口にすることすべてが真実であるように聞こえてくる」、「脳裏が白くなってからは、どんな発言が出たのか、まわりの様子がどうったのか、まったく記憶に残っていない。すっぽりと記憶が抜け落ちていた」と分析し、「あの『浮遊感』を体感した受講生ならば、簡単に『ヤマギシズム=真実の世界』と刷り込まれてしまうだろう」と述べている[65]。近藤は、特別講習研鑽会への参加後しばらくは「これは同じものですか?」といった進行役の問いかけが頭から離れず、しばしば気が抜けた状態になったと告白し[14]、ナンセンスな質問の中に「奇妙な『浮遊感』を感じさせる魔法が仕掛けられているようだった」と述べている[66]。後に近藤が他の参加者の経験を調査すると、同様の感覚に襲われた者はごく一部であったが、かつてのヤマギシズム生活実顕地参画者でヤマギシ会に反対する立場をとる者の中にさえ「あの瞬間ほど身体全体が興奮したことは、今まで一度もなかった」と振り返る者がいた。

精神科医の斎藤環は米本和広がとりまとめた特別講習研鑽会のレポートを分析し、米本を含む受講者が解離状態に陥って「ある時点から自分の感じ方、知覚、感情など体験のされ方が変わ」り、中には解離性同一性障害を発症したと考えられる者もいると指摘している。斎藤は受講者を対象に行ったヒアリング調査に基づき、記憶の喪失、変性意識体験、多幸感、「景色が鮮明に見える」など、受講者が証言する神秘的体験と解離性症状との間に類似点が複数みられるという内容の報告を日本社会精神医学会において行っている。斎藤の見解を聞き、さらにともに特別講習研鑽会に参加した者の中に解離状態が継続している者がいることを察知した米本が参加者に注意を促す手紙を送ったところ、手紙を会員に見せて「指示を仰ぐ」者が一人ならず現れたという。米本は特別講習研鑽会の進行役を担当する会員を取材し、「特講によって人間が変わる素晴らしさを感じますよ。どんな人にも本来変わる力があり、それを種だとすれば、特講は水のようなもので、種に水をかけてやれば成長していく」というコメントを得た。米本は特別講習研鑽会を「心の準備をする間もなく、『なんで腹が立つのか』を執拗に問われ続けるという困難な事態に対し、防御反応が働き、諸感覚の入力スイッチが切り替わって、感じ方が変わってしま」う、「解離状態を招く危険な快感セミナー」と定義した上で、「仕掛ける側にも仕掛けられる側にも特講が『洗脳』であるという意識がまるでな」いと警告を発している。さらに米本は、地域の会員は様々な形態の「研鑽会」を用意しており、特別講習研鑽会の受講者経験者がそれら研鑽会に参加することで解離状態が継続する可能性があると述べている。幸福会ヤマギシ会は特別講習研鑽会の開催に際し、精神障害にかかったことのある者は受講できないという注意書きを受講者に対し提示する。米本はこの事実と、自身が取材した古参会員の「昔は48時間睡眠なしのぶっ続けで<怒り研>をしていた。その頃はおかしくなる人が大勢いたわ」というコメントから、幸福会ヤマギシ会側は特別講習研鑽会に精神障害を引き起こす危険があることを認識していると指摘している

東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

鶴見俊輔、渡辺一衛、本多勝一、小田実、見田宗介、島田裕巳、杉本厚夫、奥地圭子(!)など、いろんな人が参加している。絶賛から懐疑派までさまざま。一級文化人がはまった点はオウムと良く似て見える。ちなみに文化人とはテレビに出る人のこと也(ゴダール)。

2015-03-21 21:42:53
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

しかしまあ、あの村でご馳走になった鶏卵や鶏肉の美味だったこと忘れられない。大理石の豪華な浴場、倉庫にはあふれんばかりの生活用品、駐車場にずらりと並ぶ高級車は、申請すれば誰でも好きな車種を選んで使用できる由。

2015-03-21 21:43:11
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

ところで、僕自身はカルトを次のように定義している。それは「カネのかかる信仰」であり、言い換えるなら、奉仕活動と集金システムによって幹部クラス以上に富や利権が集中するような信仰のこと。

2015-03-21 21:43:36
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

ヤマギシはカルト。なぜなら「参画」時に全財産没収が条件で、脱会時に返還されないから。「特講」はあきらかに洗脳。所有欲の否定は立派な教義でしょう。ニワトリの社会を理想とするから、あれは「ニワトリ憑き」集団だと断じたひとがいておかしかった。憑依も解離だからあながちデタラメではない。

2015-03-21 21:44:19
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

米本和広『カルトの子』によれば、エホバ、オウム、統一教会、ヤマギシ、みな児童虐待集団。カルトがやたらと学校を作りたがるのは子どもに汚れた外部の社会と接点を持たせたくないため。

2015-03-21 21:44:38
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

1998年、ヤマギシ学園の計画書が提出され、三重県は異例の実態調査に乗り出した。407人のヤマギシの小・中学生を対象に、アンケート形式の調査を行ったところ、世話係に暴行を受けたとする回答が80%以上、また逃げ出したいと思ったことがあるものが、やはり80%以上を占めていた。

2015-03-21 21:44:57
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

子供たちが記した暴行の内容。平手打ち、往復ビンタ、足蹴にする、鼻血が出るまで殴る、壁に頭を叩きつける、体を持ち上げて床に投げおろす、棒で叩く、食事を抜かれる、バットで尻を叩く、プロレス技をかける、コンクリート張りの部屋に監禁する、裸のまま屋外に放置される、などなど。

2015-03-21 21:45:16
東畑開人×斎藤環 対談集『臨床のフリコラージュ——心の支援の現在地』青土社 @pentaxxx

ヤマギシの取材から学んだこと。我執や自己愛の性急な“切除”は人間を壊す。解離状態は時に「覚醒」と感じられ、周囲の人を「いとおしい」とすら感じさせる。カルトは子どもを人間扱いしないので必然的に虐待が起きる。その他いろいろ。

2015-03-21 21:45:57