GC大戦EX・ライオネル襲撃１－①

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 21時、開始時間となりました。シナリオを開始させて頂きます。よろしくお願いします。

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 その日、ライオネルは大戦ぶりに、兵士たちに召集をかけていた。 その全ては、金で雇った傭兵だ。いつもの様に、彼に個人的な忠誠を誓う騎士は、青年騎士、ただ一人。 莫大な報酬に釣られ、彼の下には、様々な出で立ちの傭兵が集まっていた

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 彼は陣の中に設置された演説台を登り、彼の下に集った兵士たちを見下ろす。 「諸君、そのままで聞いて欲しい!」 　ライオネルが一言。大きく声を上げると、統制のとれた動きで、兵士たちは彼を見上げる。

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 「諸君らは金で雇われた。私から言うのも何だが、並の戦場では考えられない額を、諸君らに積んでいる。私は諸君らが金銭の為に、自らの欲望の為に、この軍に臨んでいる事を希望する。だから、私は、諸君らにこの大金の理由を説明しなければならない」

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 「諸君らは、これから、英雄ザックス、およびメイベルを襲撃する。その為に、両名が潜伏する村へと包囲をかける。諸君らに大金をかけたのは、その為である」

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 ざわり、兵士たちの間に、動揺が走った。このあたりでは、随分と名のした英雄だったからだ。彼らの名を知る者は、その胸に、何かしらの感情を抱いた事だろうか。 だが、彼は続けた。

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 「今、この段階で、私の雇用を望まない者は、この場を離れて構わない。諸君らが受け取った金銭も、前金として受け取るがいい。 諸君らのうち、この依頼に見合う金銭を以って雇用されていると感じている者のみが、私の軍に加わり給え」

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 「私は大義という言葉で諸君らを雇わない。諸君らと利害を共にしていると感じない限り、私は諸君らを信頼する事が出来ないからだ。この依頼に利を感じ、自らの糧となる、そう考える者のみが、私の軍には必要だ。私は、自らの欲と明日の事のみを考える者のみを必要としている」

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 「だから、あえて私はこの戦いの目的も、意義も、私の考えもこの場で表明しない。兵卒である諸君らには必要が無いはずの事だからだ。私は諸君らを雇い、諸君らは私の求める兵力を提供する。 ……諸君らの、金銭に見合った分の活躍を期待する!」

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 その瞬間、ウォオオオと言う喝采が彼を包み込んだ。その場にいるのは皆、粗野な傭兵だ。大義や、正義、そうしたものと無関係の存在だ。そして、彼と同じく、そうした自負を持っている。だからこそ、彼は信頼して雇う事が出来た。

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 その日、ライオネルの軍は、ケインの村へと歩を進め始めた。 行軍行程は二日。大戦が終わり、戦の空気が雲散霧消しようとしている中、村の者が、その軍を発見し、危険を知らせた頃には、村のすぐ目前まで、軍は行軍を終了していた。 ⇛T

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 ケイン、エレンが村に来てくれたザックスを歓迎し、二人を受け入れて半月ほどしたころだった。二人の家に、一人の村人が駆け込んでくる。 「ケ、ケイン！大変だ！うちの村の周りを軍が包囲してやがる！」 ケイン「何！？どういうことだ！？周囲の国とは有効な関係のはず……！」

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 「だが！何を言おうと軍はそこにいるんだ！どうするんだよ！」 ケイン「……エレン、どうする？」 エレン「こちらも軍を動かす他ないでしょう。幸いなのは、包囲、で留まっていること。降伏勧告なり、何かを要求するなりする気はあるということです。慌てて動く必要はありません」

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 ケイン「そうか。よし、軍の面子を集めろ。一刻も早くだ！」 「わかった！」 そう言い放ち、村人は駆け去ってゆく。

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 ケイン「……心苦しいがザックス達にも助力を頼んだ方が良いか……？」 エレン「えぇ、そうでしょうね。我々だけでは到底太刀打ちません。何せ、守ることしかできないのですから」 ケイン「そうか……俺が二人を呼んでくる。確か、部屋にいたはずだ」

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 そう言うと、ケインは二人の部屋へと重い足を向けた。 ⇒Ｚ

中西詠介/Lord_Phantasm @lord_phantasm

#ライオネル襲撃 (訂正だけ ルールブックを読み込んでいたら行軍速度がありえないくらい早すぎたので、行軍に5,6日かかりました。おおよそ、50km程の距離。遠くも無いが、近隣の村と村、とは言いがたい距離になります)

天城リョウ＠webロボ小説家 @RyouAmagi

＃ライオネル襲撃 ザックスは既に戦支度を済ませ、部屋の門の外で待っていた。 といっても多少厚手の服というだけで普通の村人と大差ない。 「ケイン、状況を知らせてくれ。あと、俺達の仕事はなんだ？」 ⇒M・T

まちるだ／メイベル@条約 @matilda25160

#ライオネル襲撃 メイベルもザックスの隣に控えていた。その貌はいくぶん青ざめていたが、冷静さはむしろ切っ先の如く、いつもよりいや増して見えた。殺気すら帯びたかのように。 ⇒T

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 ケイン「あぁ、どうやらこの村はどこかの軍に包囲されてしまったみたいだ」 ケインは二人を先導しながら家を出て、村の外へと二人を連れてゆく。 ケイン「悪いが二人には万一の際、攻撃役として働いてほしい。知っての通り、うちは攻撃ができる人材がいないからな」 続

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 前ならば、ケインが聖印を握っていたころならばまだ、攻撃力は、少なくともザックス達に頼らねばならないほど困窮はしていなかった。 しかし、今はもう違う。ケインは聖印を握っていない己を呪い、しかし――― 続

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 ケイン（これは、単なる戦争にしか発展し得ない。―――ここでは、奥の手は、切れない） ギリリと歯噛みをしつつ、手短に状況を説明する。 ケイン「―――といった感じだ。メイベル、どう判断する？」 ⇒Ｍ

まちるだ／メイベル@条約 @matilda25160

#ライオネル襲撃 「ばらばらだわ」氷のような声でメイベルは言った。「兵種がばらばらすぎる。それでいて統率がとれていないというのでもない。およそまともな軍勢には見えないのに、山賊のように粗暴だというのでもない」 そういう軍勢を率いる人間に、心当たりがないではない。が。(続)

まちるだ／メイベル@条約 @matilda25160

#ライオネル襲撃 「先方がどういうつもりかわからない。問答無用で潰そうというのなら応戦するしかない。交渉なら……私を出して。まずはエレンとケインにお願いすることになるけれど。たぶん、必要になる」 偵察兵長が実家絡みの調査で出払っているのが痛い。メイベルは無意識に唇を噛んだ。⇒T

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 エレン「えぇ、わかったわ。ありがとう、メイベル」 エレンはふわり、と笑むと敵軍の中心へと歩いてゆく。ケインは護衛としてその後ろを油断なく目を配らせながらついてゆく。 続