じゃあ「本来のアニメーションの魅力」ってどこにあるのか? というと、それが一番あるのはやっぱり「パラパラマンガ」なんじゃないかなあ。
2010-12-24 01:22:03「パラパラマンガ」は何が魅力的なのか? まずは書いてみて欲しい。どんないい加減なものでもいいから、せめて20ページくらいは取り敢えず書いてみて欲しい。
2010-12-24 01:23:23そして書きあがったものをパラパラとめくってみる。ついさっきいい加減に描いたものが、突然動き出す驚き。めくる速度を変えてみる。すると動きの表情は変化し、また違った世界が現れる。
2010-12-24 01:24:48パラパラめくると動く。つまりそこに「別の次元の世界」が現れる。自分が今いる空間とは違う時空間。そしてそれは、自分の指先で変化していく。
2010-12-24 01:26:21でも、手を止めるとそこには「いい加減に書いた」絵があるだけ。先程まであった別次元の世界は、もう一度パラパラめくらないと表れないし、それと手めくっている間の「あっという間」だけ。
2010-12-24 01:27:42この、単なる絵が不意に動き出し、突然時空間をもって現れる瞬間。そしてそれを作ってるのは自分の指先であるという不思議な実感。これがパラパラマンガの魅力であり、ここにこそ、本来のアニメーションの魅力はあると思う。
2010-12-24 01:29:40振り返って、我々プロのアニメ屋が作っているものは何か。結論から先に言えば「テレビまんが」である。モニターやスクリーンに映し出される「光と影」によって表現されているそれは、実は実写だろうがアニメだろうが、受け手が受け取る感覚にそれほど大きな代わりはない。
2010-12-24 01:32:48してみると我々が作っている「それ」はアニメーションというよりは、実写の役者の代わりに「漫画の絵」を使った映像作品でしかない。その自覚は強烈にある。
2010-12-24 01:37:06送り手である我々は、そこは考えなければいけないし、一方「アニメファン」と認識している方々は、「自分はアニメの何が好きなのか」というのを一考してみるのも面白いのではないか。たぶん、ちょっとした驚きが待っているのかもしれない。
2010-12-24 01:39:29