【 #執務室はお茶の時間 その4】赤の師範は艦載機よりもむしろ檄を飛ばす

蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「なぁなぁ聞いて北上」 「うわぁ唐突、二つの意味で」 「こないださぁ、ふと思い立って握力測ってみたのね」 「はい」 「そしたら右手が73キロだったさ」 「73キロ」 「73キロ」 「・・・で？」 「いやそれだけ」 「うわあ非生産的な会話」 #執務室はお茶の時間

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「ちなみに艦娘って筋力とかはどうなの？増強されてたりするわけ？」 「いや？別にあたしは普通の女の子並みだよ」 「あーやっぱその辺は変わらないんだ、ちなみに何キロ？」 「こないだ測ったら60あった」 「それは普通の女の子とは言わないなー」 #執務室はお茶の時間

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「でも電っちは65って言ってたよ？」 「あいつは普通の女の子ってか普通の人間ですらないからな、たぶん」 「あと赤城っちは」 「もういいもういい」 #執務室はお茶の時間

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「提督の軍刀ってさぁ・・・」 「あ？突然どうした北上」 「いや、その軍刀、いつも床の間の横に立て掛けたままで使ってるとこ見たことないんだけどさ」 「そうだな」 「実際使ってないんだよね？錆びたりとかしてないわけ？」 #執務室はお茶の時間

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「錆びてはいないよ、手入れは定期的にやってるから」 「でも使いはしないんだ？」 「だって長物って苦手なんだもん俺」 「それ長物って言っちゃったら薙刀とかどうなるのさ・・・」 「使いこなせない訳ではないんだけどねー」 「そりゃまそうだろうけどさぁ」 #執務室はお茶の時間

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「というかさ、あたしよく知らないんだけど軍刀って種別的にはどういう刀剣に分類されるわけ？」 「さぁて、俺はこういうの使えても知識は大して無いからねぇ、たぶん太刀じゃない？帯刀するとき刃が下向きだし」 「うわぁ超ぼんやり」 #執務室はお茶の時間

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「伊勢あたりに聞けばすぐ分かるんだろうけどねぇ」 「へぇ？伊勢っちってそういうの詳しいんだ？」 「詳しい、っていうか、単純に好きだからね、『切るもの』が」 「ああ・・・メスの延長線上なわけね・・・」 #執務室はお茶の時間

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「ずいぶん前に伊勢の刀剣コレクション見せて貰ったけど凄かったぞ、俺ああいう物の事はよく知らないけど、あれだけの数と種類を持ってるってのがだいぶ頭おかしいってのは分かる」 「狂った学者って怖いわぁ」 「試し斬りもし放題だし」 「ほんと狂気の塊」 「それな」 #執務室はお茶の時間

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北上との雑談（もとい執務）を切り上げて、気分転換に赤城道場のほうへ行ってみます この時間帯ならちょうど有志の艦娘が赤城に稽古をつけてもらっているはずです 今日は日曜日だから・・・合気道か 合気道は参加人数多いんだよな、確か #執務室はお茶の時間

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道場に入ると予想通り結構な人数の艦娘が赤城に稽古をつけてもらっていましたが 「・・・合気道？じゃねぇなこれ」 組手をするわけでもなく、全員ただ空中に手を広げたり伸ばしたり指を動かしたりしています そして赤城の隣には電が 「・・・ああ、『アレ』か」 #執務室はお茶の時間

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「よぉみんな、お疲れ様」 「あら提督！こちらにいらっしゃるなんて珍しいですね」 「いやぁたまにはね、しかしいつも熱心に稽古してるな赤城、ありがとな」 「いえいえ！私もやりたくてやっていることですから！」 「で、今日は電も師範として来てるのか」 「なのです」 #執務室はお茶の時間

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「ということは・・・」 「ええ、今日は特別に鉄鋼糸術の稽古です、こればっかりは電さんに手伝って頂かないと稽古出来ませんので」 「艦娘に暗器の扱いを教えてるとか大本営にバレたらエラいことだな・・・」 「あら、なにを今更おっしゃるかと思えば」 #執務室はお茶の時間

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「今日が初回？」 「いえ、もう六回目ですね」 「そんなにやってたのか・・・気づかなかった・・・」 「皆さん上達も早いですよ！もう糸の先の重石を外して操れる方もいるくらいですし」 「マジかよ、俺だって重石無しで自在に操るまで2年はかかったのに」 #執務室はお茶の時間

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「ちなみに一番うまく操れるのは誰？」 「木曾さんですね、もう数m先の物体に軽く巻き付けるくらいの扱いは出来るみたいです」 「ぶっちゃけこの短期間でそこまで出来るとか半端ないのです」 「あー・・・まあ木曾って『ある程度までならすぐ上達する』タイプだからな」 #執務室はお茶の時間

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「ああ、確かに言われてみれば提督の仰る通りです、木曾さんってどの格闘術でもある程度まではすぐに習得しちゃいますから」 「だろ？まあ『ある程度までは』なんだけどな」 「そうですね、『ある程度までは』です」 「だから何かと苦労するんだよアイツ」 #執務室はお茶の時間