#艦娘鎮守府１【艦これSS】

紅吏珠名 @chrishna_c2

「……」 「……」 「……あきつ丸」 「は、なんでありますか」 「さっきから何やってんだお前」 「は。こうしてスカートとニーソックスの隙間を強調して見せれば海軍の男などメロメロになると、我が将校殿より仰せつかりました故」 「帰っていいから」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「……」 「……」 「……あきつ丸」 「は、なんでありますか」 「お前は鎮守府に着任して、まず何をしてみたい？」 「は。大戦時代、貴重な資源を海軍によって独占され陸軍がひもじい思いを強いられていた分、贅の限りを尽くしたい所存であります」 「もう、帰っていいから」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「しゅん、であります。提督のいけず、であります」 「と見せかけて、背後からスカートめくり！」 「きゃーっ、であります！」 「グワーッ！」 「提督。背中から近づくと即座に自動迎撃システムが作動するであります」 「……そういうことは、早く説明しておいてほしいものだな」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「カ号も、固定翼機も、あるんだよ。であります」 「俺と契約して、専属の艦娘になってくれよ」 「自分って、ホントバカ。であります」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「……」 「……」 「……あきつ丸」 「は、なんでありますか」 「お前の言う、将校殿ってのはどんな奴なんだ？」 「は。士官学校を首席で卒業した秀才で。高身長、高収入、高学歴を絵に描いたエリート。眉目秀麗なイケメン将校殿であります」 なにひとつ勝てる要素がねぇ。 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「提督？　凹んでみせたところで事実は何も変えられないのであります」 「言うな。刺さる」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「提督。今夜あたり寝首をかきに参るので覚悟するのであります」 「とうとう馬脚を現しやがったな。あきつ丸」 「……ところで寝首をかくとは、どういう意味でありますか？」 「……」 「……提督？」 「ん？　ああ。寝首をかくってのはな。これをこうやって、ごにょごにょ」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「なるほど。それは大変勉強になるであります」 「それでな？　更にこうやって、ごにょごにょ」 「ななな、なんという大胆不敵な、であります」 「嫌ならやめてもいいんだぞ？　その代わり、お前の大切な将校殿はガッカリするだろうなぁ」 「そ、それはもっと嫌であります」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「提督。ではお言葉に甘えて、いまから寝首をかかせていただくであります」 「おう。いつでもかかってこい」 「膝枕であります。はやく膝の甲板に提督の頭を載せるであります」 「おう。よっこらせ、と」 「こしょこしょ、であります」 「なかなかスジが良いな。悪くないぞ」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「提督。これは違うような気がするであります」 「細かいことは気にするな。お前は将校殿の命令通り俺の寝首をかける。俺はお前の膝枕を堪能できて気持ちいい。それでいいじゃないか」 「気持ち。自分の、気持ち……」 「……あきつ丸？」 「は、少々ぼーっとしていたであります」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「将校殿。自分は、どうすればいいのでありますか……」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「お？　提督じゃん。ちぃーっす」 「ち、チース？」 「声が小さーいッ！！！」 「チィーッス！」 「まだまだあ！」 「さすが、提督は朝から元気でありますなあ」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「……」 「……」 「……おい、あきつ丸」 「は、なんでありますか提督殿」 「その無駄にデカイ胸はなんだ。説明しろ」 「な、なんでありますか藪から棒に」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「貴様それでも艦娘か。士道不覚悟だぞ。なによりお前自身のことだろう。自分の身体くらい自分で管理できなくてどうする」 「そ、そうなのでありますか！？」 「その通りだ。お前もそろそろ鎮守府のルールに慣れてもらわなくてはな」 「なるほど、それはもっともな指摘であります」 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「なので今日は特別に、この俺が直々にお前の整備を受け持ってやろう」 「わーい。とてもありがたいのであります！ こいつ。見た目はそれなりにイイ女なんだが、頭の中身がガキんちょ過ぎるのがな……。 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「……というのは、冗談だ」 「え、冗談だったのでありますか。うっかり本気にしてしまったのであります」 「お前はもうちょっと頭の中を近代化改修してこい」 本当、無防備なんだよなぁこいつ。 #艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「鬼級や姫級をやっつけることだって目じゃない。これが我が家に伝わる一子相伝の奥義、秋津二式拳かも」 「奇遇でありますな。自分はこの秋津烈風拳の最終継承者であります」 お、秋津の名前同士、さっそく意気投合してるようだな。 ＃艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

説明しよう。 【秋津二式拳】【秋津烈風拳】 駆逐艦や軽巡のような装甲の薄い敵に効果は低いが、鬼級や姫級といった高い装甲・耐久値を誇る敵に対し安定して高いダメージを与える。 載せる艦載機次第で紫電掌改や零式防衛術とも呼ばれる。 民明書房『秋津家の秘密』より抜粋。 ＃艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「提督殿。おはようであります」 「おはようかも！」 「おう」 この威勢のいい女は、水上機母艦の秋津洲。十一号作戦だか天一号作戦だかを突破した折に着任した新入り。 かもかもがネギをしょってやってくる。とは言うが、言葉通りコイツはとんでもない隠し玉を持ってやがった。 ＃艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

二式大艇。正式名称を二式大型飛行艇。 バカでかい翼と船のような構造を持った機体で、長距離偵察や司令部要員の移動などに使われていたらしい。 ただコイツ以外に使いこなせる奴がいないのが難点だが。 なおニシキ大帝とかいう類似品とは一切関係ない。 ＃艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「あ、これってひょっとして３Pになるのかも。ひそひそ」 「そういえば、そうでありますな。ひそひそ」 あいつら、上官の目の前でコソコソ何の話をしてやがる。 「提督殿。気になるなら我々に混ざるでありますか？」 よっしゃ。俺も混ぜろ混ぜろ。 ＃艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「あ、いくら提督でも、私の二式大艇ちゃんには触って欲しくないかも！」 へいへいそうですか。 「代わりに私の身体になら触りまくってもいいのかも？」 いいのかよ。 ＃艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「あきつ丸ちゃんはお友達だから二式大艇ちゃんに触ってもいいかも！」 随分扱い方が違うな新入り。誰がお前らの上官様だと心得てやがる。 「我らお友達を超えたお友達。知り合ったその時から寝食を共にする竿姉妹であります」 だから、その誤解を生みまくる発言やめろよあきつ丸。 ＃艦娘鎮守府

紅吏珠名 @chrishna_c2

「同じ釜の飯を食らい、同じ提督と同じ屋根のもとで暮らす。艦娘としてこれほど贅沢な暮らしはないのであります」 …まぁ、こいつら大戦時代に相当ひもじい思いをしてたっていうからな。 備蓄に余裕がある限り、多少の贅沢は許してやってるが。 それにも限度ってモンがあるけどな。 ＃艦娘鎮守府