ニンジャスレイヤー二次創作【レッツ・ダンス・ウィズ・キャット】（原文のみ）

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

グラスキャットのサイバーサングラスはしっかりとワイルドローズの挙動を捉えていた。錐揉み回転していたこの重サイバネニンジャは、サムライスカルと接敵した瞬間にプラズマ・カタナめいて放電するサイバネ爪を展開。回転の勢いを活かして鎧ごとサムライスカルを斬り捨てたのだ。18 #4215tk

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「お、おのれェーッ！ヒノタマ・ジツ！イヤーッ！」自失状態から回復したクリムゾンフライが両腕を振るう。それに連動し彼の周囲を回っていたヒノタマ・ドローンがワイルドローズへと殺到！「フアーア……」欠伸混じりに伸びをしたワイルドローズが、そのまま仰向けに倒れこんだ。19 #4215tk

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倒れこむワイルドローズのすぐ上を二つのヒノタマ・ドローンが通過。彼女はその瞬間体を捻った。次の瞬間、その腰から仕込みカタナが展開。ドローンを切断破壊！「なんだとーッ！？」クリムゾンフライが驚愕！「イヤーッ！」それを上空から襲うのはディスコテークだ！20 #4215tk

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「イ、イヤーッ！」クリムゾンフライはそれをチョップ迎撃せんとす！ディスコテークのチョップは一瞬だけクリムゾンフライのカラテと拮抗し……そのまま彼の腕をへし斬る！「グワーッ！」なんたる見た目にそぐわぬサイバネティクスから放たれる恐るべきテクノカラテめいた一撃！21 #4215tk

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着地したディスコテークはよろめくクリムゾンフライに追撃！「イヤーッ！」「グワーッ！？」クリムゾンフライが壁に衝突！そのまま崩れ落ちる彼を、無造作に近寄ったディスコテークが掴み上げた。「ドーモ、ディスコテークです。ビズの関係であなたにインタビューします」22 #4215tk

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「ビズ？」ぴくり、とサイバネ尻尾を反応させグラスキャットが呟く。「そ。アナタと同じで、アタシたちもこいつらを追ってたのよ……依頼を受けてね」立ち上がったワイルドローズが肩を竦める。「ニンジャだからって無茶苦茶やるとこうなる、いい見本よね。そう思わない？」23 #4215tk

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つかつかと近づきながら彼女は言う。グラスキャットは思わず身を引いた。「そ、そうかもね」「アハ！カワイイわね、ネコチャン」微笑みながらワイルドローズ。「……っていうとややこしいのよね。あたしのネコチャンってディスコのことだから」「そうなんだ……？」24 #4215tk

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グラスキャットは首を傾げる。ディスコテークもよくわからぬ存在だが、このワイルドローズもそれに輪をかけて意味がわからない。とりあえずディスコテークに話を「イヤーッ！」「グワーッ！」聴くのは無理そうだ。インタビューの真っ最中である。その間にワイルドローズが接近。25 #4215tk

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「フーン？」「な、なに」僅かに背の高いワイルドローズに顔を覗き込まれ、グラスキャットは狼狽する。顔が近い。「いや、確かにカワイイだなと思って。ディスコが気にかけるわけよね」「はあ？」「ねえ、ナカヨシになりましょうよ」「なんだお前」グラスキャットは真顔で言った。26 #4215tk

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「あまりローズは気にしないでください。イヤーッ！」「グワーッ！」インタビューを続行しながら、ディスコテークが言葉を投げかけてくる。「彼女は優秀なニンジャですが、少しばかり頭がおかしいです。イヤーッ！」「グワーッ！」「……アッハイ」グラスキャットは納得した。27 #4215tk

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「アハ！ディスコってば相変わらず辛辣ね」「いや、辛辣っていうか」まともに罵倒だった気がする。さすがにその言葉は飲み込んで、グラスキャットは言葉を探した。「エート……とりあえずちょっと離れてくれるかな」「ナンデ？」「話しづらいんだよ」言いながら相手を押し退ける。28 #4215tk

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「アー……なんだっけ？ナカヨシになる？別にいいけど順序ってものがあるでしょ」「エー」「エー、じゃなくて！」妙に不満そうなワイルドローズにグラスキャットは声を荒げる。彼女はビズ交渉の経験を思い出す。こういう手合いを相手にする場合、相手のドヒョーに乗るのはマズイ。29 #4215tk

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「いいじゃない、かたっくるしいのは抜きで。同業なんだしさ」チェシャ猫めいて笑うワイルドローズ。「カワイイ子とはお近づきになっておきたいのよ」その一言に、グラスキャットの目が細まった。「……わかった。とりあえずあたしの目を見てくれるかな」「いいけど」30 #4215tk

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素直にワイルドローズが目を合わせてきたのを確認し「ウナーッ！」グラスキャットは光った。ヒカリ・ジツである！「ンアーッ！？」不意をつかれたのか、ワイルドローズが目を押さえる！「あんまりこっちをナメないでほしいね！」グラスキャットが腰に手を当てた。31 #4215tk

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「ナメられたらこっちは商売上がったりなんだ。同業者ならわかるだろ。わかったね！？」「アアアーッ！」「わかっているのか！」「アアアアアーッ！」ワイルドローズがのたうちまわる。サイバーサングラスにエラーが出たのかもしれない。グラスキャットの知ったことではないが。32 #4215tk

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「ドーモ。ローズがご迷惑をおかけしました」そこに割り込むノイズ混じりの声。ディスコテークだ。片手に掴むはもはや顔の原型も残らぬクリムゾンフライ。「おかげさまで順調に必要な情報を入手できました。感謝いたします」「そりゃよかった」グラスキャットは肩を竦める。33 #4215tk

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ディスコテークはオジギし、空いた手でワイルドローズを掴み上げる。「いつまで遊んでいるつもりですか。行きますよ、ローズ」「アアアー！……ッハハハ。やっぱり面白いわ、グラスキャットチャン」先ほどまでのブザマはどこへやら、ワイルドローズがいたずらっぽく笑う。34 #4215tk

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ディスコテークが手を離すと、ワイルドローズは助けを借りることなく立ち上がる。グラスキャットは目を見張った。さっきのは演技だったのか？「ビズでまた会うかもだけど、その時はヨロシクね」ワイルドローズはウインクする。ディスコテークがその後ろで溜息をついた。35 #4215tk

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「ところでディスコ、そいつまだ生きてるの？」「一応は」「フーン。よかったらアタシにちょうだいよ」「どうぞ。イヤーッ！」「グワーッ！？」ディスコテークがクリムゾンフライを頭上に放り投げる。それに飛びかかるワイルドローズ！サイバネボディ各所から仕込みカタナが展開！36 #4215tk

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「イヤーッ！」「アバーッ！？」回転する全身凶器めいたニンジャと交錯したクリムゾンフライが悲鳴を上げた。数秒後、その肉体がバラバラに寸断！「サヨナラ！」爆発四散！「満足しましたか？」着地した相棒に、ディスコテークは無機質な確認を行う。37 #4215tk

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「ンー、わりと」小さく伸びをしながらワイルドローズ。「それはよかった。では奴らの隠し倉庫へ向かい、目的のものを奪取します」「それ以外にもいいものがあったら持っていくんでしょう？臨時収入！」笑うワイルドローズが振り向き、グラスキャットへ視線を投げかける。38 #4215tk

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「アナタもどう、グラスキャットチャン？ニンジャ二人とのイクサに見合う報酬もらってるんなら別だけど」見透かされたかのような一言にグラスキャットは思わず仰け反った。ディスコテークも無言で出方を伺っている。「アー……お言葉に甘えて」グラスキャットはただそう返した。39 #4215tk

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【レッツ・ダンス・ウィズ・キャット】終わり #4215tk

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（以上で、突発的になんかやろうと思ったグラスキャットチャン短編は終わりです。グラスキャットチャンを書くのもこれで三作目である。また気が向いたら書くかもなので、ユラウ＝サンそのときはヨロシクオネガイシマス）◇以上です◇ #4215tk