（浅間9）タイムライン詐欺疑惑

浅間山：本格噴火備え、火山初のタイムライン　群馬・嬬恋
毎日新聞　2015年06月22日　15時00分（最終更新　06月22日　15時26分）

　ごく小規模の噴火があった浅間山（長野・群馬県境、２５６８メートル）で、ふもとの群馬県嬬恋村は、本格的な噴火に備え、住民らをスムーズに避難させ被害を最小限に抑えるための「タイムライン」（事前防災行動計画）を作成する方針を固めた。タイムラインは、事前予測が可能な台風などの防災に有効とされ、取り組んでいる自治体もあるが、火山では初めて。

　台風に備えるタイムラインは、災害が想定される日からさかのぼり、気象条件などの状況に応じて行政職員や住民の行動内容を記し、時間ごとの役割を明確にしたもの。２０１２年秋のハリケーン「サンディ」に襲われた米ニュージャージー州は、タイムライン通り上陸３６時間前に避難勧告を発表。多くの家屋が全半壊したが、犠牲者を出さなかった。国内では三重県紀宝町などが策定している。

　嬬恋村は、これを応用して火山防災に活用。火山の噴火は予想できないとされているが、気象庁は２４時間体制で浅間山を含む全国４７火山の前兆活動を観測している。村は、地震が半日で２００回以上▽連続したごく小規模噴火−−といった前兆活動に関する情報を用い、住民や登山者らを適切に避難させるため状況に応じて職員や住民らがどう行動すべきかを定める。

　タイムラインに詳しいＮＰＯ・ＣｅＭＩ環境・防災研究所の松尾一郎副所長は「職員一人一人の役割を事前に確認し、共有することができるので有効だ」と指摘。嬬恋村総務課の松本源課長は「タイムラインを活用して迅速に対応できるようにしたい」と話している。【藤井朋子】

6月23日

浅間山噴火１週間 タイムライン策定へ
6月23日 17時44分

浅間山でごく小規模な噴火が起きてから、２３日で１週間になりました。ふもとの群馬県嬬恋村では、噴火に備えて、行政などの対応をあらかじめ時系列で決めておく「タイムライン」と呼ばれる行動計画を策定することになりました。
浅間山は、今月１６日と１９日にごく小規模な噴火が発生し、気象庁は、今後も規模の小さい噴火が起きるおそれがあるとして、引き続き噴火警戒レベル２の火口周辺警報を出しています。
火口からおよそ４キロ離れた群馬県嬬恋村にある「浅間火山博物館」では、噴火警戒レベルが引き上げられた今月１１日以降、小学校と中学校の合わせて４０校、およそ３３００人分の予約がキャンセルされるなど影響も出ています。
こうしたなか、嬬恋村では、噴火に備えて、「タイムライン」と呼ばれる防災のための行動計画を策定することになりました。タイムラインは、噴火の発生が見込まれる時間帯から逆算して行政や住民などの対応をあらかじめ時系列で決めておくもので、村では近く検討会を立ち上げて、年度内に策定したいとしています。
嬬恋村総務課の横沢貴博地域安全係長は、「噴火が起きてから対応するのではなく、事前に何をしたらいいのか行政と村民が共有できる計画にしていきたい」と話しています。