「ここはどこ?」「私どうしたの?」「私達は何なの?」「どうして私なの?」過去というものを失い、世界と切断された存在が問い続ける。なんということだ。あれはまさしくこの世に生まれた理由を問う人間の姿じゃないか。わけもわからず生まれてきてただ生きるしかない、そのことにおののく人の子。
2010-03-06 00:24:18生まれてからずっと、与えられたものと自ら得たものを積み上げ、築き上げた自己の自己たる確信を、根拠を、記憶と共に根こそぎ奪われた少女。そればかりか普通の人間ですらないことを自分の羽根が証明する。わけのわからない、しかし存在するもの、灰羽。ただごとじゃないと予感するだろこれは。
2010-03-06 00:31:06人間の有り方を端的に描写してしまうという意味では押井守的とも思えるんだよな。スカイクロラのキルドレも断絶した存在だけど、アレの雰囲気が好きな人は灰羽も好きなんじゃないか。
2010-03-06 00:33:33殺し合いはいい加減にやったら自分が終わってしまうから真剣にならざるを得ないが、全霊をかけて何かをしている時には案外戦場みたいな顔をしてるものなんじゃないか。実存的っていうのかな。人は社会的自我を持つ為そこに埋没して頽落とやらしてるらしいが、キルドレも灰羽もまだ真新しい存在だ。
2010-03-06 00:44:41それにしても灰羽1話を見て何かすーっとしたような。良い空気だ。押井守は作品の要請に合った絵柄を使うべきと語るものだが、全くその通りである。女の子ばっかりなんだけどなんだか落ち着いている。地味目なのが良い。こういう空気のある作品にとって過剰な萌えなど夾雑物と声を大にして言いたい。
2010-03-06 00:51:20ソラノヲトが灰羽と似ているという話があったけど、あれは生活感があるということだろう。しかし違いも大きい。灰羽は静かでソラノヲトは賑やかだ。喋るということではなく、絵面が賑やかなのだ。けいおんだと言われる絵柄が決定的なのだ。EDも隊員に合わせて賑やかである。結局は指向が違う。
2010-03-06 00:57:35キャラクター中心か否かという差は大きい。灰羽は緻密な設定を持つ世界に突然少女が放り出されたことで始まる。世界と対峙して戸惑う感じだ。ソラノヲトも設定は細かいのかも知れないが、少女がじゃれ合う舞台の面が強い。世界の秘密というのがあるとして、それはそれという感。世界どこいった?
2010-03-06 01:07:17しかしやはり空気だな。いきなり根底に孤独さを感じさせる。全体に作りがそうなってる。灰羽、確かに灰色だ。1話の印象が灰色だった。綺麗な灰色。こうも期待してしまうと後が怖いな。評判通りだと良いが。
2010-03-06 01:11:38灰羽連盟2巻見た。1巻にノーテロップ版が入ってるOPだが、1話で省略されていたのは単純に尺の都合というものではないのがわかる。あれは夢を見ていた時なんだね。そして2話以降で他の灰羽にも感情移入してくるとあのOPの「嬉しさ」が伝わってくるようになる。良く考えられてるなぁ。
2010-03-06 23:03:20オールドホームが学校の寄宿舎だったりするからソラノヲトの砦が元は学校っていうのと重ねて見られる部分もあるのか。壁に隔てられた街と砂漠の広がるノーマンズランドを前にした「へり」にある街ってのも、生活可能な場の「へり」に居るという意味で同じなんだな。それとローテク。アンティーク。
2010-03-06 23:10:43灰羽のまわりは古いもので満ちている。視聴者にとってはどっかで見たような「知らないけど懐かしい」もので一杯。それが主人公の感覚とシンクロしているという見事さ。徐々に物語へ引き込んでいく導入部の巻として非常に高い完成度じゃないだろうか。
2010-03-06 23:14:443話だったか、寝起きで不機嫌なレキとラッカがする会話のぎこちない間。会話劇としても質が高い。急いで詰め込まない作品だからこそ味わえる良さが素晴らしい。
2010-03-06 23:16:40灰羽1話の冒頭って「心臓が冷たい」とか言いながら果てしなく落下してカラス抱いて…その後繭から出てくるわけで、どう見ても死と再生だよな。
2010-03-06 23:23:33灰羽連盟3巻見た。「何もかもを閉ざしてしまう冬の訪れは、心まで閉ざしてしまうのでしょうか。」丁度折り返しだね。「今、あなたの隣に、誰かいますか?」明日は雪らしい。冷える。
2010-03-07 02:54:22それにしても本当に視覚表現が上手い、いやキメ細かい。絵があるんだから台詞に頼らないのが本来と言えるが、それをきっちりやってのけるクオリティに溜息が出るばかりだ。台詞だけでは不足でも動きを追っていれば感情が伝わる。むしろ言葉にしないことにも意味が生まれる。たまらない。
2010-03-07 02:59:35やっぱスカイクロラを思い出すね。台詞が文字通りの意味である必要はない、むしろドラマ的には言葉に裏があって然るべきで、動きがそれを示してこその感情表現だ。少なくともTVアニメじゃ滅多に見られないよこのレベルは。
2010-03-07 03:02:39それにしても冬。天気も心も荒れ模様、そんな展開に目が離せない。3巻を見るとレキの煙草がキャラクターデザイン的必然姓を持ってるとわかるな。しっかし鐘の音…音も効果的に暗示とかしてるねぇ。常に予感めいてるってすごいことだぞ。
2010-03-07 03:09:14なんというか…痛い。この作品は「痛い」。中二病とかじゃなくて、いや中二的とも言えるが、「自分は居なくなった方が良い」とかそういうしゃらくせぇヤツを、呆れて鼻で笑うのでなく真剣に受け止められるだけの表現力を備えているからこそだ、直球で痛い。
2010-03-07 04:47:17思春期の女の子なんかこんなもの見たらどうなっちゃうの的な作品であるな。世界に自分ひとりぼっち?自分ばかり間違ってる?どうしてここにいるの?
2010-03-07 04:51:41たまに作品を愛しいと感じる程心を掴む作品というのがあるものだが、久しぶりにそういうものを楽しんでるな。続きが見たくてしょうがない。本当は眠いのに目が覚めてしまう。
2010-03-07 04:55:47