兵器は数値で表れない部分も評価しないと間違えるかもという話

このあたり難しい(´・ω・`)
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TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

とりあえずスコアブック分析から呟いてみる。野球において、一塁手が送球能力を試合中に披露することは少ない。たとえばノーアウトまたはワンナウトでランナー2塁、打者は深い内野ゴロ。内野手がゴロを拾ってファーストへ送球、打者アウト。さて、この間に2塁ランナーが3塁に進むかどうか。

2015-07-27 20:41:58
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

プロ野球で良く見かけるのは、2塁ランナーが進むかどうかに関わらず一塁手は3塁へ送球しないというもの。少年野球だと6-3-5のダブルプレーとか、一塁手が悪送球して2塁ランナーが一挙にホームインなんてことがある。

2015-07-27 20:43:32
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

ともあれ。スコアブック分析する場合、まず「行われたプレイ」を見る。「2塁ランナーが3塁へ進まず、一塁手も送球しない」と言うプレイが実施されたなら、攻撃ベンチは2塁ランナーの総力と一塁手の送球能力を比較して「3塁へ進ませるとアウトになる。その場に留まれ」と指示したわけだ。

2015-07-27 20:46:44
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

もちろん2塁ランナーが自分で判断して進塁を試みなかった場合もあるだろう。また逆に、2塁ランナーが3塁へ進み、一塁手が送球しない場合。この場合、2塁ランナーの総力と一塁手の送球能力の評価が先ほどとは逆なわけだ。

2015-07-27 20:48:15
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

どちらにせよ、作戦を決めるに際しては事前情報に基づいて「試みるまでもなく失敗する選択肢」が前もって切り捨てられている。さて。話のレベルをもっと下げる。「一塁手の送球能力は重要ではない」と言う主張があるのだ。

2015-07-27 20:50:25
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

もちろんそんなわけはない。ノーアウトやワンナウトで、打者をアウトにとりながらも2塁ランナーを3塁に進めてしまうのかそれを防げるのかどうかは、しばしば試合の勝敗さえ分ける。

2015-07-27 20:51:36
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一塁手の送球能力はしばしば勝敗を決める。実際に試合中に3塁へ送球することは滅多に無いとしても、試合前の練習ではその能力を誇示する。

2015-07-27 20:53:40
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なんでこんなことを呟いたかと言えば、「行われなかった作戦」が「なぜ行われなかったのか」を無視した暴論をあちこちで見かけたから。 ゲーム「艦隊これくしょん」が始まってからの若いミリタリー趣味者は若いだけあって頭が良いのだが、逆に古くからの暴論も目立つ。

2015-07-27 20:55:44
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たとえば、なぜ対米開戦時に日本海軍は真珠湾に艦砲射撃を行わなかったのか。るまでもなく必敗の作戦だから実施しなかった。それだけである。

2015-07-27 20:57:35
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「WW2において要塞砲が戦艦を撃退した事例などほとんど無いではないか」と言う主張も見かける。そりゃそうだ。戦艦で要塞砲に挑んだのはドイツ海軍がやって悲惨な目にあったくらいのものだ。

2015-07-27 20:57:59
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あまり可愛げの無いネタ。重爆撃機B-29の戦闘損失率は、WW2時と朝鮮戦争時を比較すると前者の方がずっと高い。これだけを見て「北朝鮮空軍やソ連空軍のMiG-15はB-29の脅威ではなかった」と言う暴論がある。しかし、任務達成率で見ると全く逆になる。

2015-07-27 21:07:31
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朝鮮戦争においては、B-29は「MiG-15が出てくる空域には行かないようにした」のだ。当然、重要目標をB-29が破壊する率も数も少なかった。要するに、WW2末期に高い任務達成率とターゲット破壊率を誇ったB-29は、朝鮮戦争時にはすでに旧式化していたのだ。

2015-07-27 21:08:53
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もっと可愛くないネタ。戦闘機の戦果を「何機撃墜され、何機撃墜したか」いわゆるキルレシオ「だけ」で評価するテキストがある。特に旧ドイツ空軍や、日本陸海軍航空隊の戦記に多い。

2015-07-27 21:09:59
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

戦闘機の仕事は敵の爆撃機を阻止することと味方の爆撃機の行動を成功させることであって、敵戦闘機とチャンバラを行うのは仕事を達成する手段のひとつであって仕事そのものではない。敵戦闘機を圧倒しようとも、自軍の爆撃機が目標に到達できず壊滅したのでは任務失敗である。

2015-07-27 21:11:43
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もっと可愛くないネタ。日本海軍がWW2時に急造した「海防艦」と言う艦がある。主任務は対潜作戦だったが、「海防艦が沈めた潜水艦」よりも「潜水艦に沈められた海防艦」の方が多い。これをもって「海防艦は役立たず」とする暴論がある。数日前にweb上で見かけた。

2015-07-27 21:13:27
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海防艦の仕事は、輸送船団を守ることであって敵潜水艦を沈めることは手段のひとつでしかない。評価基準は「海防艦をつけることで、船団が無事に到着する率が上がったかどうか」である。……ただし、この基準でも日本海軍の海防艦にはあまり良い点数が付かない。

2015-07-27 21:14:51
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「陸軍の船団の方が安全」なんていう酷い話さえあったのだ……。さておき。もっと極端な事例をアメリカに求めてみよう。Kシリーズの対潜哨戒飛行船である。

2015-07-27 21:15:54
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WW2全期間を通して、米海軍対潜哨戒飛行船が沈めたドイツ・イタリア潜水艦の数は「ゼロ」である。逆に、潜水艦によって撃墜された飛行船が2隻ある。 だが、米海軍対潜哨戒飛行船が護衛についている船団がドイツ・イタリアの潜水艦によって受けた損害は「ゼロ」である。

2015-07-27 21:17:37
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飛行船の航続力では大西洋を安定して横断できず、数回を除き飛行船は途中で船団を離れて引き返している。ドイツ潜水艦はそれを待って……つまり上空に飛行船が居なくなるのを確認してから襲撃行動を行った。

2015-07-27 21:18:59
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

米海軍の対潜哨戒飛行船は役に立ったのか?役にたってないのか? キルレシオで評価するには全く不適切なのは確かだ。

2015-07-27 21:19:53
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

さて、戦闘機の話にでも戻ろうかな。「キルレシオだけ見てはいけない」。戦争は国家対国家の戦闘機競技会ではないのだ。

2015-07-27 21:21:08
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

おっと。戦闘機の仕事は他にもあるのを書き忘れていた。味方の輸送機を無事に送り届け、敵の輸送機の往来を防ぐこと。要するに「味方は空路を使えて、敵は使えない」いわゆる航空優勢状態を作り出すこと。

2015-07-27 21:23:33