朝潮Eyes

redEyes風朝潮まとめ。
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Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「こんな老人を呼び出すとは、軍も余程人手不足か」 「いえ、人手は不足していますが、今回の件は貴方でなければならないので。」 手荒に連行された先は、薄暗く清潔な独房。男が罪を犯したわけではない。 「ここです」 「朝潮……?」 窓の向こうには、かつて男が全幅の信頼を寄せていた少女。

2015-07-29 21:09:33
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「行方不明と聞いていたが、こんなところに」 「いいえ、彼女は昨日ビスマルク海周辺で保護されました」 「なんだと」 「終戦から昨日まで戦っていたのです。我が艦隊は2隻大破」 「なるほど、はぐれ艦娘か」 「ここに召喚したのは他でもありません、説得して欲しいのです」

2015-07-29 21:14:18
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「あの頑固者が、今更私の話を聞くかね」 「やってみなければわかりません」 「やれやれ」 男は鍵をよこせと言おうとしたが、既に差し出されていた。 偽装のない艦娘などただの少女だ。逃げ出そうとも、警備に捕えられる。そう高をくくってのことだろう。 老いた躯にその扉は重かった。

2015-07-29 21:19:34
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「久しいな」 「司令官」 変わらないキビキビとした発音。童女のような姿。何もかもが終戦の日、いなくなった時のままだった。 「最期の命令を、伝えておくべきだったか」 「いいえ、必要ありません」 敢えて伝えるまでもなかったか、などとは思わない。であれば、朝潮はとうに復員している。

2015-07-29 21:26:46
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「司令官、申し訳ありませんが」 その先の言葉は予想できた。 「私の戦争は、まだ終わっていません」 「そうか」 この頑固者と、何年付き合ってきただろう。 野放しにしたらどこまでも戦おうとする。 「待っていろ」 「命令ですか?」 男は軍属ではなく、その権利がない。彼女も同じく。

2015-07-29 21:45:14
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

朝潮の戦争は、まだ終わっていない。

2015-07-30 10:55:38
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

1945年8月14日、大日本帝国は深海棲艦に対して和議を申し入れた。同年9月2日、ミズーリにおいて「ポツダム宣言」が受諾される。これにより、4年9か月あまりにわたって続いた大東亜戦争は、大日本帝国の実質的な敗北で終結した―― ※redEyes風あらすじ

2015-07-30 11:29:05
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

終戦から3か月後、帝国海軍精鋭駆逐隊であった朝潮は提督によって叛逆者の汚名を着せられ、死刑執行の日を迎えていた。だが、護送される際に海兵隊を殺害して脱走した朝潮は提督に復讐するべく、たった1人の「戦争」を開始した。 ※redEyes風あらすじ

2015-07-30 11:36:36