病気っていうかウイルス性なんだけど、ウイルスっていうのがPCウイルスっていうかプログラミングなんだけどAPと同じ原理で人っていうか魂に感染するっていう。主な症状は記憶の破損。
2011-01-06 14:37:44あ、もしくはもっとデータっぽくてもいいな~記憶の書き変えとか抜き取りとか?もしくは混同…記憶だけじゃなくてもいいな~とかとかわりとえげつない。
2011-01-06 14:43:36動作が重い/表示に異変がある/心当たりのない設定変更/アプリケーションの不具合……ふむふむ初期症状として。たとえば一回で相手の言っていることが理解できなくなったりとかうまく考えがまとまらなかったりとか好みが変わるとかうまく体が動かないとかもあり?
2011-01-06 14:59:32音日変換。はじめのうちはちょっと疲れているだけかと思っていたんだけれど日向の状況判断能力が鈍っていた。誰の問いかけにもワンテンポ遅れた反応。おかしいと思ってしばらくオペレーションからはずしてもらえないかとゆりにかけ合った。
2011-01-06 15:02:18幸い直近に大きな戦闘の予定もなく、案外あっさりと休ませてもらえるようだった。しかし次に異変に気付いたのはその日の晩で、学食で隣の席に麻婆豆腐を持った日向が腰掛けようとした時だった。おかしい。彼は決して自らの意思でそのメニューを選択することはなかったからだ。
2011-01-06 15:06:03それ以来、以前よりいっそう日向の奇行が目立った。まず会話の時にはそれまでと違ってあーとかうーとかにごすような音が増えたし、何より会話がとびとびでうまくつながらない。まるで語彙の少ない子供と難しい話しでもしているような気分だった。
2011-01-06 15:09:10物を落とす音が俺の部屋によく響くようになるのはそれから1日も経たないうちだ。ガシャンガシャンと固く重みのある音が天井を伝って響き渡る。上の部屋は日向と大山の部屋なはずだから、また何かしらの異変があったのだろうかと部屋を後にした。
2011-01-06 15:13:29悪い予想ほど的中するもので、音の主はやはり日向だった。彼は何度も愛用の拳銃を拾っては落としてを繰り返していた。うまく力が入らないのか、時折手をぐーぱーさせ眉根を寄せて唸る。どこをどう見ても、俺の知る日向ではなかった。
2011-01-06 15:20:07(初期症状だとここらへんまで?覚えのないファイルが作成されている。ってのもあったんだけど、つまり事実に無い記憶が植えつけられるでおkかな?ってこれは記憶の範疇だから後回しかなー)
2011-01-06 15:22:00(パソコンの動作が不安定になるウイルスとかあったんだけど、睡眠障害みたいな感じに理解すればいい?たまにしか起きないとか唐突に寝ちゃうとか)
2011-01-06 15:25:18いつもはきれいに手入れをし、傷がつくのも嫌がっていた彼の銃がもはやぼろぼろだ。一体何度落としたのだろうか。見るに見かねて声をかける。ひなた、といつものように、だ。しかしどうだ。声に反応して振りかえる彼の表情がおかしい。まるで不審者を前にした時のそれだ。
2011-01-06 15:35:00彼は俺の頭の先から足の先まで一瞥くれると、少し安心したように何か用か?と尋ねた。先ほどの訝しげな表情とは裏腹に、何とも人懐っこい普段通りの表情だ。いつも通りの日向の顔にほっと肩をなでおろしたのもつかの間、彼の口から放たれたその言葉に声が出なくなった。見ない顔だな、新人か?と。
2011-01-06 15:41:26悪い冗談かと思ったが、根が正直な日向のことだ、嘘をついていれば気付かぬわけがない。彼の眼はいたって真面目だ。真面目に自己紹介をし、ゆりから聞いたと思うけど、と前置きを踏んでから懇切丁寧にこの世界の説明までしてくれた。背筋が凍る。
2011-01-07 12:22:18名前を訊かれたところで我に帰る。おかしい。あからさまにおかしい。他の戦線メンバーは正常だ。日向だけが明らかにおかしくなっている。音無、と自分の名前を告げるだけ告げ、足早にその場を去った。
2011-01-07 12:57:17翌日、いつもの通りに作戦本部へ向かうと既に日向が居た。野田や藤巻と会話をし、大山に泣きつき、ゆりに殴られる。いつも通りの風景だ。もしかしたら昨日までの日向の奇行は全て俺の夢で、本当は何もなかったのかもしれない。そう思わせる光景だった。
2011-01-07 13:12:39はじめに俺に気がついたのは大山で、向かいのソファに促された。慣れた手順で腰掛けると、日向の声が降ってくる。へぇ、新人が入ったのか、俺は日向。よろしくな。と。
2011-01-07 13:24:03差し出された手を握ることができない。一体何度同じやり取りを繰り返せばよいのだろうか。病まない世界というならばこれは一体何なんだ。頭が混乱して爆発しそうだった。目の前の男の顔が歪んで見える。
2011-01-07 14:13:44その日以降日向の記憶の欠落は徐々にではあったが確実に進行していった。新しい記憶、生前の記憶、抜け落ちて行く記憶に整合性はなく、もしかしたら俺たちの知らない部分で決定的な何かさえも忘れているのではないかと疑わせた。明かなるイレギュラー。戦線においても例のない危機らしい。
2011-01-07 15:26:48戦線本部では日向の記憶の欠落についての会議が行われたが、ほぼお手上げ状態だった。なにしろこの件に関しては天使の知るところでもなく、原因究明にさえ時間がかかりそうだった。
2011-01-11 08:44:21対処の仕様がないまま時間ばかりが過ぎていく。戦線の全員が苦い顔をしてる中、渦中の日向ばかりが明るかった。彼は未だ自分の状況を理解してはいないらしい。柔軟性を高めなさい、とゆりの言葉が思い出される。俺にとってはそればかりが救いだった。
2011-01-20 12:38:43