【GUNNER】- The END of Ripple -

AKITO @MASKEDGUNNER

「-ジ・エンド・オブ・リップル-」

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とある海上。この付近に鎮守府らしき人工物があることを突き止めた仮面ガンナーは、フソウフォートレスで海上を飛行し、その座標へと向かっていた。付近は謎の黒い霧に覆われ、レーダーなどでは調査が困難なため、直接行って確認する必要があったからだ。 1

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そして仮面ガンナーは黒い霧に覆われたエリアの中心部…目的の人工物がある島に到着する。霧のおかげで雰囲気は禍々しいが、それ以外は普通の建物に見えた。「何なんだここ…」仮面ガンナーはフソウフォートレスを格納し、島へ上陸した。 2

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ザッ…ザッ……砂や草を踏みしめながら建物へと向かう仮面ガンナー。初めて来る上に敵が潜んでいる可能性すらあるため、ひたすら無言で慎重に進む。するとその空気に耐えられなくなったのか、ライザーの中から漣が恐る恐る声をかけた。「ね…ねぇご主人様、この前作ってた新兵器って完成したの？」 3

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「ああ…試作品だが一つ…完成した…」仮面ガンナーは一枚のカードをライザーから取り出す。そのカードには水雷カラテをかまえた艦娘、吹雪が描かれていた。「ご主人様…それってもしかして…。」「これは嬢ちゃんの力を参考にした新たな力…」仮面ガンナーはカードを眺めながら続けて言った。 4

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「ユニークスキル・インストーラー…略称はUSIR…」仮面ガンナーはそのまま説明を始めた。「この世界の艦娘や提督が持つ能力の中でも異彩なものを確認した範囲でコピーし…一定時間使用可能にする…」「それがあの化け物駆逐艦の力なの？」「カラテ・エンハンスメント・アーツと名付けた…」 5

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そう話している間に、仮面ガンナーは目的の建物に到着する。「なんか…ボロボロだな…経年劣化って感じじゃなくて…こう…ぶっ壊されたような……」慎重に中に入る。建物の中は瓦礫が散乱し、ところどころ元々の床が見える程度である。「やはり戦闘があったのか…？」さらに奥へと進む。 6

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やがて仮面ガンナーは、大きな部屋にたどり着く。天井は崩れ、床はなぜか焼け焦げている。「なんだ…焼夷弾でもくらったのか…？」仮面ガンナーがその部屋を調べていると、漣がいきなり叫んだ！「ご主人様！上空に大きいエネルギー反応だよ！」「なに…！？」 7

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仮面ガンナーが崩れた天井から空を見上げると、空中になにやら裂け目のようなものが出現していた！「空間の裂け目だと…！？なんでこんなとこに…！」仮面ガンナーが裂け目を見ていると、その中から何かが飛び出した！「裂け目の中から飛び出してきたのは大きい生き物みたいね！」「あれは…！」 8

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大きな一対の翼に緑色の鱗と甲殻、そしてその巨体を支えるのに十分な脚、その姿はまさにワイバーンそのものだった！「あ…あれは…リオレイアか…！？」何故ここに、と言わんばかりに驚く仮面ガンナー！そしてリオレイアはこちらを見つけるや否や、上空から火球で攻撃してきた！ 9

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「よくわかんねぇが応戦するぞ…！」『はい！ご主人様！』二人が身構えた瞬間、裂け目とはまた別の方向から何かが飛来してきた！黒い大きな鳥のようなそれは、リオレイアに向かって真っ直ぐ突進した！「何が起こっている…？」仮面ガンナーはその様子を注意深く観察する！ 10

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突進してくる影のようなそれに対し、リオレイアは火球による迎撃を試みるが、火球はすべてその影を通り過ぎていった！そしてリオレイアの目の前にたどり着いた影は、そのまま翼を広げるようにリオレイアに覆いかぶさる！必死にもがくリオレイア！しかし影は離れない！ 11

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やがて影は、リオレイアの体内へと侵入していき、その甲殻を黒く染め上げていく！「まさか…乗っ取っているのか…？」仮面ガンナーがそれに気がついた頃には、甲殻はすべて黒に染まり、翼と目には赤黒い光が宿っていた！「なんだあれは…！見たことねぇぞ…！」 12

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『言ってしまえば「アンノウン」ってとこかしら、ご主人様！』「ああ…そんな感じだろうな…！」アンノウンは禍々しい瞳で仮面ガンナーを睨みつけた！「来るぞ…！FGW展開…！」『了解！』漣の返事とともに、仮面ガンナーの身体に普段使用しているFGWが装着される！ 13

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フソウフォートレスでアンノウンと同じ高度まで飛び上がる仮面ガンナー！次の瞬間、アンノウンは仮面ガンナーの後ろに素早く回り込み、フソウフォートレスごと仮面ガンナーを蹴り飛ばした！バキャァッ！鉄くずのようにボロボロになるフソウフォートレス！仮面ガンナーはそのまま墜落！ドゴッ！ 14

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「ぐっ…ヤバいな…！」仮面ガンナーは飛行不可能になったフソウフォートレスを格納し、同時に先ほどの試作兵器を取り出した！「ぶっつけ本番だが…やるしかない…！」仮面ガンナーは取り出したカード…USIRを目の前にかまえる！「インストール…！カラテ・エンハンスメント・アーツ…！」 15

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かまえたカードから緑色の光が溢れ出し、仮面ガンナーの体内へと入っていく！その後、仮面ガンナーの両腕が緑色の炎に包まれた！「力が…溢れる…！」そして仮面ガンナーはアンノウンを睨みつけつつ、胸の前で両拳を突き合わせ、オジギをした！アイサツである！「ドーモ…仮面ガンナーです…」 16

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その瞬間、アンノウンが急降下し仮面ガンナーに向かって突進する！「イヤーッ…！」仮面ガンナーもそれに向かって跳躍！そして！「イヤーッ…！！」ドゴッ！アンノウンの首に踵落としを決めた！急降下の勢いもあって、アンノウンは地面に叩きつけられる！その付近に仮面ガンナーも着地！ 17

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「イヤーッ…！」仮面ガンナーはアンノウンに対し、追撃のため突進！しかし！アンノウンの尻尾が仮面ガンナーの脇腹を思い切り殴った！ドガッ！「グワーッ…！」横方向に吹き飛ばされる仮面ガンナー！吹き飛ばされながらもなんとか受身をとり、アンノウンを見据える！アンノウンが起き上がった！ 18

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しかしそれを予測していた仮面ガンナー、素早く敵の横方向に回り込み、そのまま懐に潜り込む！「頭を潰せば終わりだよあぁ…？」そう言った瞬間！アンノウンの身体から突然ガスが吹き出した！当然、懐にいた仮面ガンナーはこれを浴びてしまう！「ぐっ…まさかこれはグラビモスの…！」 19

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仮面ガンナーの予測通り、アンノウンが放出したのは睡眠作用のあるガスだ。これを浴びてしまった仮面ガンナーは、徐々に意識を失っていく！「ば…か……なっ……！」ついに仮面ガンナーは敵の目の前で眠ってしまった！アンノウンはそれを確認すると、自らの口元に炎をチャージし始めた！ 20

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やがてアンノウンの口から、特大の火球が発射された！このままでは仮面ガンナーに直撃し、抵抗できない仮面ガンナーを丸焼きにするあろう！しかし！『だめぇぇぇぇっっっっ！！！！！』ライザーから一枚のカードが飛び出し、実体化して仮面ガンナーの前に出た！「ご主人様は絶対に守る！」漣だ！ 21

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その叫びで意識を取り戻し、起き上がる仮面ガンナー！そして目の前をみるとそこには 未だ健在のアンノウンと 全身の皮膚のいたるところが焼け落ちた漣が横たわる姿があった 22

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時はおよそ数日前、USIR開発中の頃までさかのぼる。「私だってご主人様の役に立ちたいもん…。」漣は不満だった。試作品第一号が、よりによってあの化け物駆逐艦がモデルになったことについてだ。「一番シンプルで使いやすい力っていったら…嬢ちゃんが思いついただけさ……」 24