大禍災　－波紋を辿る濁流－

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

#大禍災 #波紋を辿る濁流 影で暗躍する者達――まず間違いなくパンドラの連中だろう。そして、パンドラを抜けた者達が、人知れずその姿を消しているという。 とある日。ブールモン村の民家。そこはシアンの自宅であった。旅装を纏い、腰には剣。戦いへ赴く出で立ちの彼を、妻が見送る。

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@hinoe_uma 気丈に振舞ってはいるが、不安げな様子を隠しきれてはいなかった。 「イングリッド」 妻が顔を上げる。その顔を気遣わしげに覗きこみ、シアンは彼女の白い頬に掌を滑らせた。 「くれぐれも、気を付けて。パンドラを抜けた者も狙われているようです」

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@hinoe_uma 妻の銀色の瞳が恐怖に揺れる。彼女は、かつてパンドラの末端構成員であったのだ。組織を抜け、魔法も捨てた今の彼女は、ただの一般人である。部下を二人護衛に付けてはあるが、不測の事態に抗う術を彼女自身は持っていない。

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

@hinoe_uma 「あなたも、気を付けて。シアン」 イングリッドは夫の背に腕を回した。彼女の髪を飾る白銀の櫛が、静かに光る。揺れる深紅の長い髪を梳き、シアンは妻に口付けた。 「行ってきます」 名残惜しげに彼女を放すと、一つ微笑み、愛用の弓を受け取る。

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

@hinoe_uma 水と毒の邪紋を刻んだ弓使いは、踵を返し、家を出た。 黒い風の正体は何か。それが判らねば、有効な対策は取れまい。先日の魔法師は言っていた。黒い風は混沌濃度に比例してその存在が増す、と。 「虎穴に入らずんば、といったところでしょうね」

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

@hinoe_uma 踏み入るは墓所。混沌が集積するようになり、使われなくなって久しい。虫の声の一つも聞こえぬ静寂の中、骨だけになった鼠の死骸が、足下でぱきりと音を立てた。不意に、足を止めて感覚を研ぎ澄ませる。曇天に黒く浮かぶ木々の葉が、ざあ、と不気味に鳴いた。

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

@bbeesbeees 大禍災ちゃん、どうです！やりましたよ！ twitter.com/diceda4/status…

Diceだよ！ @diceda4

@hinoe_uma 2 [2D6] 1,1 (04:25:29)

2015-09-19 04:25:30

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

あーーーーーっお客様ーーーーお客様ーーーお客様なんてことでしょうお客様！！！！なんてなんてことでしょうこのタイミングで！！！！！その二つのてん と てん ！！！さながら太陽と月！！！！！！！おめでとうございますおめでとうございます！

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

こちらを拝読しまして、ユベール側の小話を（勝手に）書いてしまいました。 twitter.com/hisyabun_sk/st… #波紋を辿る濁流

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

@hinoe_uma ある朝のことである。領主の館とは名ばかりの、他に比べれば広い程度の民家。食卓についたユベールは、窓の外を眺めて物思いに耽っていた。 「どうなさいましたか」 シアンが盆を手に入ってくる。盆の上には、湯気の立つ茶杯。主と同じように、外に目を遣る。

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

@hinoe_uma 空にはどんよりと雲が立ち込めていた。主の前に茶杯を置き、自分も椅子に腰を下ろす。 「ウリエルを覚えてるか」 香り立つ茶を一口含み、ユベールが口を開いた。ええ、と邪紋使いは頷く。彼らと同郷の君主で、歳の近いユベールとは懇意な間柄であった。

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

@hinoe_uma 彼らの領ブールモンに訪れることもあったので、シアンも見知っていた。 「久々にあいつの夢を見た」 手合せをしたときのな、と懐かしそうに眼を細める。槍技に練達した使い手で、彼との勝負では学ぶことが多かった。

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

@hinoe_uma ――結局、勝ち越されたままだったよ。懐旧と、少しばかりの悔しさを交えてそう言った。今や、その戦績を塗り替えることはできない。彼らの祖国アルトゥークが侵攻されたとき、彼は大切なものを守る為に、最後まで戦い抜いて死んだのだ。

たいやきねこhinoe @hinoe_uma

@hinoe_uma 「亡くなった方を夢に見るのは、何かの暗示だという話もありますね」 茶杯を傾けながら何気無く言ったシアンの言葉に、ユベールは眉を顰めた。脳裏に浮かぶのは、苦しげに蹲る亡き友の姿。再び外を見遣った。 陰鬱に曇った空。何処かで鴉が、ガアと啼いた。 （了）

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

かたかたと震えるそれを あなたがたは地震かと思うかもしれない。曇天の下。大地が震え、家々が、草木が水面が石が、ふるえる。 手練のあなたたちは極端な混沌濃度の上昇を感じる。今まで張り詰めて保っていたものが切れたような、そんな。 #大禍災

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

@bbeesbeees まるで濁流のよう。 溢れた混沌を受け、黒い風が、何もなかったこちらからあちらから床をひっくり返し柱に穴を開け壁を食い破り畑を巻き上げ木を追って、あふれ返り ー…顕現する。 不吉の象徴、黒い風。 それが何かあなたがたにはもうはっきりと見える。 #大禍災

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@bbeesbeees 一言で言うなれば、それは、蟲だ。 #大禍災

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

@bbeesbeees 蝶蛾百足蜘蛛蜂蟷螂 蛆 小蝿 蝗 蜚蠊 など など など。 だがそれは、蟲と呼ぶにはおぞましすぎる姿をしている。掌ほどもある蝿、百足の足は鋸のよう。蜚蠊の足は針のよう。蜂の針からは異臭を放つ毒が滴り、蟲にはあり得ない姿をしている。 #大禍災

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

@bbeesbeees これは人間によって人間に与えられた苦痛で人間から人間への苦痛と苦悩と怨み嘆き痛みをたっぷり吸った蟲。 敵味方の有無なく、命尽きるまで、あなたがたを貪ろうとし止まることはないだろう。 #大禍災

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

@bbeesbeees 探査にて嵐を形成しようとしていることを察知されたものは気づくでしょう。 これは、嵐のと成る為に蟲が起こり、嵐の中心へと向かう大行進。 ー…通りの全てを喰らいながら。 #大禍災

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

@bbeesbeees これが皆様の敵。さあ武器を！あるいは退路を！技能を！ 愛しいものを大切な国や街を仲間を守るべく戦いを始めましょう！ #大禍災 第一波でございます。