茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1629回【折鶴を教えている光景】連続ツイート
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昨日、広島平和記念資料館 pcf.city.hiroshima.jp を訪問し、館長の志賀賢治さんにご案内いただいた。ほんとうに、親切に、いろいろと教えていただいた。何回目かの訪問であったが、運営で苦労されていること、込められた思いなど、さまざまなことを知ることができた。
2015-10-13 07:54:21最近は外国からの訪問客も多いらしく、十数カ国語の音声案内があり、特にアジア諸国の言語についてはきめ細やかなに対応していると志賀館長はおっしゃった。音声案内を聞きながら、食い入るように資料を見つめる訪問者たち。修学旅行の学生たちも多かった。
2015-10-13 07:58:17印象的だったのは、ボランティアの方が折鶴を教えるコーナーである。志賀館長と二回同じ場所を通ったが、二回とも、外国からの訪問客が熱心に折鶴を追っていた。一度は若いカップルで、もう一度は子どもを連れた家族だった。ボランティアの方がこうやるんです、と教えて、一生懸命に折っている。
2015-10-13 07:59:59折鶴が、健康回復の祈念の象徴になったのは、原爆の放射線の影響で白血病を発症し、12歳で亡くなった佐々木禎子さん以来のことのようである。お見舞いに届いた鶴に触発されて、ご自身でも折るようになった。佐々木さんは「原爆の子の像」のモデルにもなっている。
2015-10-13 08:04:45なぜ、鶴を折ることが健康、そして平和への祈りとなるのか? 天翔ける鶴の姿に、思いを託すのだろうか。その解釈はいろいろできるだろうが、広島平和記念資料館で外国からの訪問客が熱心に鶴を折っているその姿を見て、折鶴が、さまざまな意味で、バランスの良い象徴なのだと感じた。
2015-10-13 08:06:17言葉が違って、コミュニケーションが難しくても、鶴のかたちは、直感的に理解することができる。また、折り方も、そもそも言葉で表すより、自らやってみせてそれを模倣するという、身体的言語でやるしかない。また、折鶴は、折り紙の中では比較的やさしく、初めての人でも何とか折ることができる。
2015-10-13 08:07:32折鶴は、やさしさ、可愛らしさといった、日本の文化の持つ一つの伝統、特徴ともつながっている。外国から来たお客さんにとっては、ORIGAMIは日本の象徴であり、それを自ら体験したいという意欲や好奇心とも結びつく。そのようなさまざまな要素が重なって、折鶴の風習が定着しているのだろう。
2015-10-13 08:09:22広島の原爆の体験は重苦しく、辛いものだが、そのような事態に至った国と国との対峙の厳しさ、その背後にある事大主義に対して、折鶴の小ささ、やさしさは対極的である。ボランティアの方が、外国からの訪問客に折鶴を教えている光景には、心を打つものがあった。
2015-10-13 08:11:22