【模型工作小説】「少女工作事情 マテリアライズ・ファンタズマ」パーツ2「作った模型戦車に乗ってみる、戦場を駆けてみる」
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twitter詩小説――「少女工作事情 マテリアライズ・ファンタズマ」 パーツ2「作った模型戦車に乗ってみる、戦場を駆けてみる」
2015-12-11 19:23:08藤堂「入らない!入らないよミズちゃん!」 私「当たり前だろうが、なぜに私と一緒に入ろうとする。35(t)のキューポラの小ささをナメんな」 無理くりに入ろうとするメガネ女子力に呆れつつも、しかし私はVR巨大化した戦車模型に「うおぉ……」と浸っていた。1
2015-12-11 19:26:47すげえな……これがリアリティか。模型が実物(?)になるってことか。鉄の臭いもある。肌に触れるは鉄の冷たさ。軽くトントンとたたく。ああ、鉄だ。 藤堂「なにニヤリングしてるのかなぁ~」 てめえの顔もニヤリングしてんじゃないか、といわんばかりの藤堂だった。くそう。2
2015-12-11 19:27:24とりあえず私と藤堂は、35(t)の内部に入る。 藤堂「狭い!狭いよミズちゃん!」 私「またかこの無限ループ。ラグジュアリースタイルのクルマと思うなよ」3
2015-12-11 19:30:31藤堂「じゃ、私が運転……」 私「たわけたことを抜かすなメガネ女子力。この模型誰が作っ たやねん」 藤堂「ジョークだよ冗句。それに、私戦車の動かしかた知らないし」 私「それを言ったら私もしらない」4
2015-12-11 19:32:41藤堂「あ、そうか。マテスキャにおける”オート”と”マニュアル”の違い、知らないんだミズちゃん」 私「要するにアレか?オートにすれば、簡単な操作で模型を実際に動かせる魔法のようななんかがあって、マニュにすれば、実機と同じ操作法ができるってやつ?」5
2015-12-11 19:33:43しかし、残念ながら、藤堂も私も、かつて藤堂の家でパジャマパーチーをしたときに、連続12時間耐久ガルパン視聴会をぶっ続けたわりには、戦車の操縦方法を知らないので、「オート」にすることにした。7
2015-12-11 19:35:39そしたら、いくつかのデバイスが選択できるようになってる。まあ一番私に合ってるっぽいものを選ぶということで、ハンドルとレバー式のを選ぶ。 藤堂「私はこのスーファミ型のがよかったなぁ」 私「あんさんと違って私ゲーマーじゃないし」7
2015-12-11 19:37:26憎まれ口をたたく私であるが、実は私は藤堂のことがだいすきだ。女子で……まあジャンルはちがうとはいえ、工作をファッションでなくガチでやってる人間なんてそうはいない。8
2015-12-11 19:59:06それに、適当なことばっかいってるような女子力でも、その腕はガチだから。それに、親切だしね。この子といると、とても私は気を使わなくてすむ。9
2015-12-11 20:01:26藤堂「それじゃ、出発しんこー!ぱんつぁーふぉ ー!」 私「あんたが車長かいな。ったく」 それでも、私はドキムネしながらエンジンを……かける!10
2015-12-11 20:08:19……爆発音!一瞬壊れたか?と思ったが、これこそリアリティ!模型に……命が吹き込まれる! これが……マテリアライズ・スキャナ! ゆっくりデバイスを動かして、そろそろと戦車を動かす。 ……キャタピラが動いている……!足下をじゃくりじゃくりとかみしめている……!11
2015-12-11 20:10:57藤堂「どうよ、ミズちゃん?」 私「ぐっど、ぐっど」 声に、なかなかならんとは、このことだね。12
2015-12-11 20:13:23そうして、ヴァーチャル空間を、ドイツ軽戦車35(t)……タミヤミリタリーミニチュアシリーズの模型、私が作った黒い戦車が駆けていく!てってこ、てってこ、と!13
2015-12-11 20:15:40twitter詩小説――「少女工作事情 マテリアライズ・ファンタズマ」 パーツ2「作った模型戦車に乗ってみる、戦場を駆けてみる」了 パーツ3「ソーシャル模型空間」に続く……
2015-12-11 20:16:22