共に在るふたりのいちみかbotまとめ・1

ふたりのいちみかbot(跡地) @ichimika_bot

厚には心配をさせてしまっているようだ。俺がひとりで座っていると話し相手になりにきてくれる。たいして居心地の良い場所ではないだろうになあ。

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寝るときは一人部屋なのだが、近くには兄様方の部屋があってな、寝る前はそこですこしのんびりしたりもするぞ。俺は甘味を食べたりするが、小狐丸は酒の方が好いているようだな。あまり似ているわけでもないんだが、いるとやはり落ち着くなあ。

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今日は畑当番だ。俺は外に連れ出されたことなどほとんどないからなあ。道具の使い方などさっぱりわからない………俺は不器用なほうだから、一期に幻滅されるのは嫌だなあ。

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骨喰も、俺のことを忘れてしまったみたいだな。まあ、覚悟をしていた。この分だと鯰尾もなんだろう。ああ、でも薬研は俺のことを覚えているようだぞ。一期とのことも話したわけでもないのに、何かを感づいたようでな、一期と俺の間にさりげなく入ってくれるのだ。

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一期からもらった桜はな、書物の間に挟んで隠してしまった。本当は捨ててしまえれば良かったが、それはできなくてなあ。

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手合わせをしたぞ。はは、練度が足りなくて思うように動けなかったが、はじめて己が刀である実感が持てたような気がした。

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日中の日差しは、随分と暖かいなあ。うっかり寝てしまいそうになる。先ほどもうとうとしていたら、鶴丸に驚かされてしまったぞ。気の回るあやつのことだ、このまま寝かせておいたら風邪をひくと思ったのだろう。

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せっかくこの体を与えられたのだ、海に行くのもいいなあ。もうすこし慣れたら、外にも行けるようだから、ちょうどいいかもしれないな。

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明日やっと出陣できるらしい。一期と他に何名かで付き合ってくれるようだな。やっと、刀の本分を果たせる。刀として、これほど嬉しいことはあるまい。はは、今日は眠れるだろうか。

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今日の出陣は一期と、それから比較的練度の近い刀が付き合ってくれたぞ。万事、恙無くだった。自ら刀を振るうとは、あのような感覚なのだな。

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ふふ、すこし惚気させてもらうがはじめて見る一期の戦う後ろ姿はそれはそれは勇ましかったぞ。また一期に恋をしてしまいそうなぐらいだった。

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もうすぐ世話係がつく期間も終わってしまうだろうから、それがすこし寂しいな。近くにいて言葉を交わせるのがたまらなく幸せだったのに、このまま疎遠になるのだとしたら、俺はどうすればいいだろうな。

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随分と皆が血眼になって依頼札を使っているが、なるほどなあ。うん、俺の本丸か？………まあ、察してくれ。先程から今日の近侍の鶴丸が項垂れているな。

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ああ、ひとつ言っておく。札はただの紙だ。わかるな？

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「ああ、三日月殿。月見酒ですか」「今日は満月だからなあ。綺麗だろう？」「ええ」「それなら一期一振、一杯どうだ？」「是非。いただきましょう」

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「そろそろ桜も咲く時期だなあ。まだ蕾は固いが、もうすぐ四月だ。じきに咲くだろう」「ふふ、三日月殿は桜がお好きですな。顕現されたときも、真っ先に桜のことを気にしていました」「はは、そうだなあ………むかし、一緒に桜を見ようと約束したものがいてな。まあ、結局は果たせなかったが」

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「それからどうも、毎年気になってしまう」「…その方といつか、会えるといいですね」「………ああ、湿っぽくなってしまった。せっかくの月見酒だ。楽しい話をしようか」

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「もうすこしで、そなたに世話されるのも終わってしまうなあ」「ええ。そろそろ特がつきますね」「はは、随分と世話をかけた」「いいえ、大したことは。……そういえば、主からの記念の贈り物はどうしました」「硯箱を貰おうかと思っている」「ああ、それはいい。きっといいものをくださるでしょう」

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「では私も僭越ながら、何か贈りましょうか。欲しいものはございますか？」「ああ、嬉しいな。では、特がつくまでに考えておこう。それでよいか？」「ええ。決まったら教えてください」「なおさら次の出陣は頑張らねば」「はは、そうですな」

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一期とは先ほど別れた。まさかなにかを贈ると言われるとは思っていなかったなあ。ふふ、何にしようか。童のようだが、今から楽しみでかなわんぞ。

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「三日月殿、おめでとうございます」

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「……特がついてしまったな。そなたに世話されるのが終わると思うと寂しい、ような」「はは、それは世話係になった甲斐がありましたな。同じ本丸にいるのです、会うことなど山ほどありますよ。まるで根性の別れみたいにおっしゃらないでください」「ふふ、そうかもしれない」

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「一期一振からの贈り物を、強請ってもよいか」「ええ。なんでもおっしゃってください」「………万屋を、案内してほしい。まだ外出したことがなくてな。たくさん店があるのだろう？」「そのようなことで、よろしいのですか？もっとほかになにか、」「いや、それがいい。だめだろうか、」

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「……わかりました。明後日はいかがでしょう？明日は主の近侍をつとめねばならないので」「ああ、大丈夫だ」「昼餉のあと、あの万屋に繋がる門の前でよろしいですか？」「あい、わかった。……楽しみにしているぞ」「私もです。どこかよい店を探しておきますね。それでは、明後日」

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こ、声は上ずっていなかっただろうか。変に思われたりはしていないだろうな………ただ万屋に誘うだけなのに、こんなにも緊張するとは思わなかった……。