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火事で刀の反りがなくなる理由

京都博物館の「陸奥守吉行」が坂本龍馬のものであると断定された件について、「火事で刀の反りがなくなるのはなぜか」が分からなかったので聞いてみたところ鉄に詳しい皆さまが教えてくださったことを簡単にまとめました!
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刀屋娘 @katanayamusume

「火事で刀の反りがなくなる」ってどういうことなんやろ?ゆっくり焼きなまされていったとしても、反りがなくなるためには反りがない側に力が加わらないといけないよね?もし鉄のプロフェッショナルがいてたら教えてください…!/j-cast.com/2016/05/112664…

2016-05-13 10:52:59
藤宮(とうぐう)ケイ @kei_tohgu

@katanayamusume もともと刀の反りは焼き入れの時の温度差による鉄の収縮率の違いでできるものだから、焼きなまされると反りを作ってた収縮率の違いがリセットされちゃうので元の真っ直ぐに戻るんだったと思います。

2016-05-13 10:58:35
藤宮(とうぐう)ケイ @kei_tohgu

@katanayamusume なんにせよ鉄って面白い性質持ってるなぁ…と、今は科学的な証明あるけど当時の人はそれを経験で判ってたんだからすごいよなぁ。 たたら製鉄なんて原理判ってても今の最新技術で再現できないとか妙な不思議感ありますし。

2016-05-14 09:56:51
†┏┛ぬけがら┗┓† @Ichi_sani62

@katanayamusume ネットの情報ですがこちらのサイトは参考になりますでしょうか? www7b.biglobe.ne.jp/~osaru/kagaku.… こちらによると、反りは棟側ではなく刃側の膨張によって起こるようです。この膨張は急冷による金属結晶の構造変化によるものです。→

2016-05-13 12:41:09
†┏┛ぬけがら┗┓† @Ichi_sani62

@katanayamusume 焼き入れにより棟側はトルースタイト、刃側はマルテンサイトという鉄組織になっていますが、マルテンサイトは焼戻しによりトルースタイトに変化するようです。つまり棟側と同じ構造になることで刃紋が消失、構造がさらに変化(収縮)することで反りが伸びるのでは→

2016-05-13 12:50:15
†┏┛ぬけがら┗┓† @Ichi_sani62

@katanayamusume ないかと考えられます。 素人判断なのでどこまで正確かは分かりませんが、刀の反りの変化は火事などの加熱によって元の鉄組織構造から更に結晶構造が変化した結果と考えればほぼ間違いないかと思います。

2016-05-13 12:55:01
刀屋娘 @katanayamusume

@Ichi_sani62 サイトのご紹介ありがとうございます!棟が作られた状況(760度くらいに熱されて焼き入れ、厚い土置きによってゆっくり冷える)と火事は結構状況が違うと思うのですが、棟と同じ組織になるんでしょうかね?何はともあれ構造が変わるということはなんとなくわかりました!

2016-05-13 13:55:08
†┏┛ぬけがら┗┓† @Ichi_sani62

@katanayamusume そこは正直書いててもう〜んと思った所ですね…😓 トルースタイトはオーステナイト(焼き入れ直前の構造)からの冷却速度の調節や、マルテンサイトの焼戻しによって生じる構造ですが、焼戻しの際に生じる構造は他にもあるようなので(恐らく温度と加熱速度の違い→

2016-05-13 14:28:26
†┏┛ぬけがら┗┓† @Ichi_sani62

@katanayamusume によるもの)棟側と全く同じ構造になる訳ではないようですが、少なくとも結晶構造は変化しているので作刀当時の姿そのままではなさそうです。 今回の吉行の刃紋が若干残っていたのも温度や加熱速度、加熱時間などの関係で偶然刃紋が見える形で残ったのかなと思います

2016-05-13 14:40:19
相思鼠 @sousinezu

@katanayamusume 龍馬の吉行の変化は、切りつけられて損傷したのと、研がれて内部応力が弱まったせいもあるそうです。 昨年11月の京博の宮川氏の講演会では、研がれてうち反りになった古代刀を例示してそう説明されていたと記憶しています。 自分は門外漢なので受け売りですが

2016-05-13 12:58:57
横田剣太郎 @kentarou_yokota

@katanayamusume @kei_tohgu 予想ですがおそらくマルテンサイトからオーステナイトに戻り、膨張が戻るのでは?刀鍛冶の方ならわかるかも。

2016-05-13 13:22:08
伸咲 @magi533

@katanayamusume @susukino69 @jcast_news 刀の焼きを戻す(火事の時の800℃位の温度に曝す)必ず反りは伏さります。特に物打ち付近は内反りに成るくらいに強く伏さり易い。 刀の焼き入れは、この逆をする作業です。 土塗りの有る無しは関係有りません!

2016-05-13 20:01:07
研師 臼木良彦 @matasichi

@katanayamusume 刀の反りは焼き入れによって生まれます。簡単に言うと鋼の焼き入れ組織は膨張します。土を刃の方に薄くし、棟側を厚く塗って焼き入れを行うと、冷却温度差が生まれて刃の方が膨張するので反りが生まれるのです。付随して刃文となります。

2016-05-26 15:40:52
研師 臼木良彦 @matasichi

@katanayamusume それが火災などで焼けると、焼戻しされるので膨張していた刃文(刃側)が収縮して元に戻るため、反りがなくなります。

2016-05-26 15:42:35