成吉思汗、好きですか?翌朝のもやしなんて如何ですか?

あー、喰いたい
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M-鈴木 甲28 @kapitan_black

ジンギスカンをやった次の食事、鍋の縁に溜まった汁は羊の脂で半ば固まっている。汁はマトンとラムとタレと野菜の水分の混合物。しかし、鍋の最後に準備していたもやしが其処に新しい世界を開く

2016-05-29 17:53:07
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

くたくたになった、煮たのか焼いたのかわからない様なもやし、ジンギスカンの汁と脂でギトギトのクタクタになっているもやし。しかしそれは熱々の白米に載せた瞬間、悪魔の誘惑そのものに変貌する

2016-05-29 17:54:37
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

多大且つ偉大なる香辛料と、癖のある羊の肉汁が混然となった汁は、吐く息を臭くするにもかかわらず、旨い。旨いのだ。それが芯までしみ込んだもやしの束が熱々の白米の上で、体温では溶けてくれない羊の脂を融解させ、染み落ちていく。茶碗の奥へと、旨味と共に御飯と一体になっていく

2016-05-29 17:57:50
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

その事実は、茶碗を洗う時に非常識な労苦を新たに生み出すことをすら意味する。ジンギスカン鍋を洗うには、新聞でこそぎ取り、一度焦がして剥離させる。そんな手法が一般化するほどしつこい羊の脂が茶碗に襲い掛かる。だが、それを見過ごすほど素敵な香りが鼻孔を直撃するのだ

2016-05-29 17:59:58
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

さあ、食べよう。白米に絡んだ艶やかな汁と共に、それを運んでくれた既に食感を放棄したその物体に感謝しつつ。あ!中に冷えた肉片!お宝だ。冷えて硬くてもだ。成吉思汗は翌朝に匂いを残す。そう言われる。しかし家庭での其には、翌朝の教室での指摘には、背景でもやしがこんな仕事をしていた筈だ

2016-05-29 18:04:30