毎月14日は『ツイノベの日』　2011/2/14お題「煮干し」

秋月蓮華 @akirenge

３０．坊主頭の少年が察したのか生徒会長を引っ張ると前に出した。「好きなだけ煮干しを投げろ」「言われなくても」「やるわ！」髪を縛った少年は生徒会長を後ろから蹴った。倒れた生徒会長に煮干しが大量に降り注ぐ。「あの二人協調してるね」「敵の敵は味方と言う奴じゃな」 #twnvday

秋月蓮華 @akirenge

３３．「でもこれはもって来た」マフラーを巻いた少年は階段を上りながら出し汁が入ったバケツを持ち、髪を縛った少年に見せる。「四階は……」髪を縛った少年が四階についたが、ここも戦場だった。「飛ばすぞ」「了解」「待て。お前達」「書記」制止がかかった。 #twnvday

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３６．殴られながらも書記は屋上の鍵を髪を縛った少年に渡した。マフラーの少年と髪を縛った少年は四階の階段を上り続け、屋上へと辿り着く。扉の鍵を開けた。「……煮干しが……」マフラーを巻いた少年はバケツではなく傘を持ってくるべきだったと後悔する。煮干しだらけだった。 #twnvday

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３７．煮干しが屋上に降り積もっている。マフラーを巻いた少年はグラウンドを眺めた。煮干しで埋まっている。「良く来たな」その声に彼は振り向き――困った顔をした。「……おい。あれ……」「……生徒会副会長だ、よ」二人は屋上にいた人物に見覚えがあった。副会長だ。 #twnvday

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４０．「魔法凄いね」「凄いの」「凄いだろう！」副会長が自慢げに煮干しを振っていた。マフラーを巻いた少年は煮干しを踏みつけて副会長の前に立つと持っている出汁バケツの中身を思いっきり副会長にぶちまけてから連続して殴って気絶させ「原因排除完了」無表情に呟いた。 #twnvday

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３８.信じられない様子でマフラーを巻いた少年は言う。それもそのはずで、生徒会副会長の少年は巨大な煮干しらしきものを持っていて制服ではなく、煮干し色をした最近の魔法少女が着るような女物のワンピースを着ている。「魔法少女じゃなくて魔法少年？」「魔法男の娘じゃろう」 #twnvday

秋月蓮華 @akirenge

３４. 「いそいどるんじゃ」「お前達が屋上に行くのは解っている。風紀委員長から連絡が来たからな」ざっと書記は説明する。書記も屋上に行こうとしたが騒動を止めることを優先したこと、二人が屋上に行くことに任せることにしたことなどだ。「煮干し戦争は終わらせないと」 #twnvday

秋月蓮華 @akirenge

３５．マフラーを巻いた少年の言葉に書記は頷く。「屋上に原因があるはずだ。俺はこれから風紀委員会と共に放送器具などを使い、煮干し戦争を抑止する。お前達は原因を叩け。安心しろ！　お前達は煮干しの力と共にここにある！」書記の言葉に髪を縛った少年はパンチを入れた。 #twnvday

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４８．「今日はネクタイの日でもある」「日本は記念日多すぎる気がするんだけど？」「日本じゃからな」マフラーを巻いていた少年はネクタイを緩めた。「ネクタイの日とかでネクタイ戦争とか起きたら嫌だな」「それはちと絞殺入ってバイオレンスになる。煮干しの方がマシ」 #twnvday

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３９．「仕方ないだろ！」「何が仕方ないんじゃ」「バレンタインは女子からチョコレートを貰えないから貰える奴を妬んでいたら二足歩行で煮干しを持った白猫が魔法少女にならないかと」「副会長男じゃん」「バレンタインを潰せるとか言ったらそんなことはどうでもよかったんだ！」 #twnvday

秋月蓮華 @akirenge

３１．「あそこに生徒会長が居るぞ！」「やっちまえ！」「煮干しぶつけろ！」生徒会長への怒りが伝染したのか次から次へと生徒がやってくる。「屋上行けるかな」「やばいの」二人が危機を感じていると坊主頭の少年が促した。「いけ。お前等」「生徒会長は？」「何とかする」 #twnvday

秋月蓮華 @akirenge

４１．「まだじゃ」髪を縛った少年が言う。マフラーを巻いた少年が声のする方を向くと「ニャニャニャ。煮干しを馬鹿にした気持ち、味わったかニャ」「……うわ、マスコット居た」そこには副会長が話していた二足歩行で煮干しらしきものを持った白猫が居た。喋っている。 #twnvday

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４３．猫が煮干しが好きなものである。だからバレンタインの影に埋もれた煮干しの日を何とかしようとバレンタインを潰したがっている副会長に近付いたらしい。副会長の願いでバレンタインは滅茶苦茶になったようだが学校は煮干しに支配されかけていた。猫は二本足で立ち、笑う。 #twnvday

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４９．空になったバケツをマフラーを巻いていた少年は回収する。「猫はもうこんなことしないかな」「原因らしい煮干しは無いから心配はいらん」「日本人は魚を食べなくなっているらしいから、チョコよりも煮干しを推奨するべきじゃないのかな」「そっちのほうがええの。……戻るか」 #twnvday

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４２．猫が喋っている。それなりに流暢にだ。「どうして喋られるんじゃ」「この煮干しのお陰ニャ。バレンタインによって煮干しの日は忘れられかけてるニャ。だから存在を出したのニャ」「煮干しパワーか」「言うておくが煮干しに本来にこんな力はないぞ」「煮干しを甘く見るニャ」 #twnvday

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４４．「マフラー貸せ」髪を縛った少年はマフラーを巻いた少年のマフラーを外した。笑っている猫に近付くと動体に丁寧に縛り付ける。「ニャ」「この煮干しは処理じゃ。庶務」「おーけい」髪を縛った少年はマフラーの端を持つと砲丸投げの容量で回転して白猫を彼方に放り投げた。 #twnvday

秋月蓮華 @akirenge

４６．『生徒諸君！　煮干し大戦は終わった。もう煮干しを投げるのは止めろ。煮干しは食べたり出汁を取るものだ！！』風紀委員長の声が学園中に響き渡る。「大人も帰ってくるかな」「事後処理はどうするんじゃ」「書記の指示に従って……会計探して副会長を連行するのが先かな？」 #twnvday

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４５．ニャー、という悲鳴と共に白猫は飛んでいく。マフラーが外された少年は白猫の持っていた煮干しを手で粉々に砕く。破壊し終わると、降っていた煮干しが止む。学校を埋め尽くそうとしていた煮干しは光と共に消えた。「終わったようだの」清々しく髪を縛った少年が言う。 #twnvday

秋月蓮華 @akirenge

４７．倒れている副会長も元に戻っていた。「煮干しの恨みかな」「猫の個人的想いじゃろ」「疲れたね」「煮干しのせい駄目じゃな」二人は一息ついた。魔法がきれたから煮干し戦争を皆忘れているかも知れない。否、忘れたいと欲しいと二人は願った。ふと、髪を縛った少年が言う。 #twnvday

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５０．「寒いしね」息を吐くとマフラーを巻いていた少年と髪を縛った少年は戻る。こうしてとある学校で起きた煮干し戦争は終わった。副会長を屋上に置き去りにして。 ある意味日本ならではとも言えるかも知れない戦争は二人の少年に疲労を植え付けて、幕を閉じた。 #twnvday

秋月蓮華 @akirenge

と言うことでついのべの日、時間軸バラバラツイノベ煮干し大戦お終い。　まとめは次回。多分パートは全部足りてる

秋月蓮華 @akirenge

「ついのべの日二月、時間軸バラバラついのべちゃんとならべた版」をトゥギャりました。 http://togetter.com/li/101786

黄金の米菓子 @OK_1111

#twnvday の覆面作家企画、来月もあれば参加してみたいな。

夢名 七志 @mumei7c

ツイノベのポストだけ頭一文字を大きくしたデコが大変に読みやすい。 .@twnvday_bot さんの「毎月14日は『ツイノベの日』　2011/2/14お題「煮干し」」をお気に入りにしました。 http://togetter.com/li/99056

毎月14日はツイノベの日！ @twnvday_bot

おはようございます。まだ調整中ですが、日々の「お題」になりそうな情報を配信しているbotをリストにまとめています。何もネタが浮かばない時に見たら、発見があるかも？ http://twitter.com/list/twnvday_bot/today #twnvday