アイドルスレイヤー#Side Story1【ユメノ&ルイース】前編

元々が時系列バラバラなニンジャを参考にしてるので、外伝もへったくれもないんですけどね? まあここはわかりやすくということでひとつ そして番号ずれてんじゃん……!反省します…… 続きを読む
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𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

薄暗い安アパートの一室。ポリ袋の積まれたキッチンを抜けて、お茶の間に入ると、ちゃぶ台にうつぶせになっている娘の姿。キャミソールしか着ていない彼女は、置物めいてぴくりとも動かない。 彼女の周りにはドリンク剤の山。その手はパソコンのキーボードに乗っている。1 #ナナニン

2016-07-22 22:13:38
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パソコン画面には、書きかけのオイランノベルが出力されていた。シメキリダッシュによるカフェイン摂取過多である。ネオセブンスのノベル作家には身近な死の恐怖だ。 彼女、堺屋ユメノは物書きの端くれらしく、そこに倒れていた。2 #ナナニン

2016-07-22 22:19:54
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……「……ちゃん、こんなあっさり死んじゃ、味気ないと思わないかい?」次第に無へ沈もうとするユメノの意識に、語りかけるものがあった。「世の中にはもっと美しいものもあるのに」 「ほっといてよ、シメキリも嫌な男の子もいない世界に行くんだから」ユメノは投げやりに答えた。3 #ナナニン

2016-07-22 22:28:37
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「私と組めば、アイドルに会えるけど……」「アイドル……!?」ユメノはパブロフドッグめいて反応する。「あのアイドルに!?」 ユメノは元々アイドルの美しさに憧れていた。今回書いていたオイランノベルも、アイドル2人の恋を描いたものだ。「やります!堺屋ユメノ、やります!」4 #ナナニン

2016-07-22 22:35:51
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「フッ、なら契約成立、だな?」謎の人物は笑みを浮かべる。「さあ行こう」「はいっ!」 ユメノはこの時、人の話をよく聞くことと、認識の相違の恐ろしさを学んだ。5 #ナナニン

2016-07-22 22:39:34
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突然起き上がったユメノは、ドリンク瓶の山の中で、夜通しで取り掛かることにより、シメキリ残り30分で間に合わせた。 使っても使っても体力が沸き上がってくるような、そんな不思議な感覚をユメノは味わっていた。6 #ナナニン

2016-07-22 22:46:47
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((あー、もしもし?))「なぁに?」シメキリを倒して外の空気を吸っていたユメノは、機嫌よさげに謎の声に応えた。((彼らは君の知り合いかい?))「どこ?」((ほら、目の前)) アパート駐車場に、ヤクザベンツと威圧的ファッションの男2人。「いや、あんな怖い人知らない」7 #ナナニン

2016-07-22 22:52:25
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ユメノにはノベル制作のために謎の声の主が力を貸してくれていたように思えていた。だから驚きはしないし、その時のユメノはとても気分がよかったから気にしなかった。 それから数日、ユメノは謎の声と語りあったり、書店で本を買い漁ったりした。7 #ナナニン

2016-07-22 22:59:31
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

((君はその力を誰かに振るったりしないのかい?))ある日、何気なく声が聞いてきた。「力って?シメキリに間に合わせる力?」((……もう君自身わかっているんだろう?)) ユメノも自身に謎の力が出てきたことは少しずつ自覚していた。そしてそれへの興味より恐怖が上回った。8 #ナナニン

2016-07-22 23:06:08
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「まあ、今はシメキリを倒せる力があれば十分かなぁー、って」ユメノはいつもはみせない微笑みを作った。((そうか……)) 「あ、そういえばアイドルに会えるとかいってたけど、あれはどういう……」((どうやら向こうから来てくれたみたいだ))「え?」アパート外に大型車!9 #ナナニン

2016-07-22 23:13:04
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「いや多分うちには関係ないし話を……」((いや、君にもわかるはずだ、あの力が))アパートの階段を登り、踊り場を歩く力の主は、ユメノにもはっきり感じられた。それがこちらへ来ることも。 「え、なんか悪いことした……?」((あいにく、私は詳しくない))10 #ナナニン

2016-07-22 23:19:09
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

ベルが鳴らされる。((出るしかないな))「ええ…!?」声に諭され、ユメノは逃げ腰になりながら扉を開けた。 「あらあら、わざわざのお出迎え感謝いたします」立っていたのはヤマトナデシコそのものだった。カワイイ……。ユメノは静かにため息をもらした。11 #ナナニン

2016-07-22 23:24:28
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「ふふっ、ドーモ、久遠寺シズカです」それに続いて、「あと、御園尾マナとも名乗っておきましょうか」 ユメノは茫然としていた。2つ名乗られるアイサツなど聞いたことがない。((ユメノ、早く返すんだ))声が催促する。12 #ナナニン

2016-07-22 23:32:29
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「ど、ドーモ、堺屋ユメノです」((あ、あと1つ私の名前もアイサツに使ってくれ))声がユメノに名を伝える。 「あと、若王子ルイです」ユメノはその名前を知らない。しかしシズカは納得したのか頷く。「で、今日はなぜここに?」ユメノは本題を聞く。シズカから早く離れたかった。13 #ナナニン

2016-07-22 23:38:33
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「そうですね、今日はあなたをスカウトに来ました」シズカは笑顔で答えた。「是非私たちの元へ来てください」 「私たち……?」ユメノはその後、シズカの力に警戒しながら、クオンジという組織について聞いた。 返事は後日すると言うと、シズカは「期待していますね」と言った。14 #ナナニン

2016-07-22 23:48:07
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

((で、どうするんだい?))「うーん、あの子みたいなカワイイ子がいっぱいいれば話は別だけど、あまり気はすすまな……」((アイドルがたくさんいるなら、いっぱいいると思うけどね?))「行くわ、パラデソに」ユメノの決意は固かった。15 #ナナニン

2016-07-22 23:54:16
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

ユメノはアイドルの真の姿をシズカとルイから聞いていたから、ある程度の覚悟と、少しの期待をもって組織へ入った。 ただ、その覚悟も期待も甘かったとユメノは後に思い知る。16 #ナナニン

2016-07-23 00:01:27
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

今回出てきた堺屋ユメノちゃん、公式より押さえ目かもしれないくらい本家がすごいので、1度見てみてください…… じゃあ、ナナシスに戻ります pic.twitter.com/OOkqwFwdLR

2016-07-23 00:09:28
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