アイドルスレイヤー#3【ザ・フュジティブ】前編

3話目でようやく少しずつわかってきましたね…… この出し惜しみ具合、ポケ戦かってレベルですね #2はこちらからhttp://togetter.com/li/994567 #3後編はこちらhttp://togetter.com/li/1000487
0
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

……ロナを背負い、追っ手に怯えながらハルはアパートに着いた。ただ、ハルにとってはこのアパートも安全な場所ではなくなっていたが。 ロナの部屋に入るや否や、ハルはコニーにそっと呼びかける。 1 #ナナニン

2016-07-08 22:59:10
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「コニー=サン、あれはなんなの?確かにロナ=サンは落ちてそのまま……」((あれはアイドルだよ))「アイドル……?」((そっ、イズムノクニが創造した現世の……)) 「いや、アイドルって歌って踊るやつでしょう?全く関係ないじゃない」2 #ナナニン

2016-07-08 23:11:06
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

((全くもう、これだから最近の若いモンは……。いいから聞きなさい))「アッハイ」 そしてコニーはハルに語る、アイドルの真の姿を。普通の者であれば失禁は免れられぬであろう、未知への恐怖を切り取ったコニーの話は、元々アイドルであったハルには説得力のあるものに映った。3 #ナナニン

2016-07-08 23:18:38
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「つまりアイドルは本来、私やロナ=サンのような姿だったんですか?」((うんうん、飲み込み早くてお姉さんうれしいよ))鏡に写るジャージ姿の少女は頷いた。 「じゃあ、私のやっていたようなアイドルっていうのは偽物?」((うーん、というより私たちの子どもかな?))4 #ナナニン

2016-07-08 23:24:18
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「子ども……?」((まあ細かいことは今度説明するから。それより今は七咲ニコルのことでしょ)) 「七咲ニコル……、ロナ=サンが名乗ったあの名前ですか」((彼女にニコが憑依した以上、近くにいるのは危険だよ。始末することも考えないと))コニーの口調は冷ややかだった。5 #ナナニン

2016-07-08 23:28:06
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「始末っていうとその……殺す?」((そりゃそうだよ。幸い今は少し無理して気を失ってるみたいだし、やるなら今が……))コニーはハルの右腕を乗っ取り、バンブーブレードをとった。そして横で寝ているロナに突き立てようとして……。 「待って!」ハルの意思が行動を踏みとどめる。6 #ナナニン

2016-07-08 23:33:56
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

((いやいや、悪いことはいわないから早く始末しなよ!))「コニー=サン、この腕は私の腕だよ。私の腕は友達を殺すためにはないの」 ((やれやれ、情に流されて死んでも知らないぞ?))コニーの操作が解かれると、ハルはブレードを急いで玄関に放り投げた。7 #ナナニン

2016-07-08 23:41:16
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「ん……」ちょうどロナが目を覚ます。 「ロナ=サン!」「あ、ハル=サン」フートンから起き上がると、周りを見回す。 「弟さんは?」「もう寝たよ、ところで体の具合は?」「かなり疲れてるかな……」 「私ね、変な夢見たの」ロナはなにかに取りつかれたように唐突に語り始める。8 #ナナニン

2016-07-08 23:49:59
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「エッ」「私が死んでハル=サンみたいな力を手にいれて女の子をこの手で狩るんだけど、変な夢だよね?」ロナは力なく笑った。まるで夢として片付けようとしているかのように。 「ロナ=サン……」彼女に事実を突きつけるのは残酷すぎる、しかしいずれ彼女は真実と向き合うだろう。9 #ナナニン

2016-07-08 23:58:51
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「ロナ=サンは疲れてるんだよ、だからご飯作ってるときに倒れちゃったんでしょ」「そうだね」ハルは精一杯微笑んだ。 「私の家に行こう」とハルが言い出したのは、それから数日もしない時のことだった。10 #ナナニン

2016-07-09 00:04:25
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「ナンデ?」「男の人たちに窓割られたし、ほとぼりが冷めるまで私の家にいるのがいいよ」求人雑誌に目を通すハル。トモエに割られた窓は、この前の男が割ったことにした。 「でも、これ以上ハル=サンに迷惑……」「いいから任せて」ぴしゃりと言い放つと、そのまま話は終わった。11 #ナナニン

2016-07-09 00:12:34
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

ハルはこのアパートにいるのが怖かった。 一度突破され、ロナを救うことができなかった以上、もう一度それが起きると思うのは当たり前のことだった。 それに加えて、ハルはニコが取り憑いたロナの体のことも懸念していた。取り憑かれてからロナの体力はグンと落ちた。12 #ナナニン

2016-07-09 00:21:08
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

ロナのことを解決する手がかりはほとんどない。 せめて、邪魔が入らず、腰を落ち着かせられる場所でロナのことも考えたい……。ハルは相手にバレていない自宅に、ロナを匿うことにした。 ロナの荷物は少なかったのですぐまとめられた。 弟のシュウに家に帰るというと、喜んだ。13 #ナナニン

2016-07-09 00:28:52
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

ふと、ロナがひとつだけ大事そうに抱えているものがハルの目に入る。 「ロナ=サン、それなに?」「えへへ、これはニコ様のポスターだよ」少し色褪せたお気に入りのアイドルのグッズを、ロナは自慢げに見せた。14 #ナナニン

2016-07-09 00:37:48
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

((右斜め後ろの屋根、3人いる))ハルがアパートの外に出ると、コニーが警告を発してくる。アイドルだ。 ハルはロナとシュウにそれぞれバラバラに散って後で合流することを伝えると、一人でアイドル達の前に立ちはだかった。 「ドーモ、春日部ハルです」15 #ナナニン

2016-07-09 00:47:41
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「ドーモ、春日部ハル=サン。玉坂マコトです」「逢原ミウです」「有栖シラユキです」ハルのアイサツにマコト達もアイサツを返す。アイドルは知名度が大事だ。 「マコト=サンは角森ロナの方を追って。ここは私たち2人で十分」「わかった、ガンバッテ」「させるか!」ハルの攻撃!16 #ナナニン

2016-07-09 00:53:56
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」ブレード突進をいなしたマコトがハルの腹に蹴りを入れる。「では、オタッシャデー!」マコトはニンジャめいて屋根伝いに離脱した。 「まてっ!」「よそ見をしない!」ミウのヤリめいたキックが脇腹に突き刺さる!「ンアーッ!」17 #ナナニン

2016-07-09 01:01:44
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

「んだな、さすがに失礼だ」シラユキの掲げる右手から液体が滴る。ドク・ジツか。 「スキルのなってないアイドル1人、私たちの相手じゃない!」「よくしゃべるね!」再びハルが突進! 「見え透いた手を!」ミウはブレードを捌き、キックを入れようとする。が、空を切る。18 #ナナニン

2016-07-09 01:17:46
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

捌くために出した右腕にハルは乗り、そのまま踏み越えたのだ。なんたる超人的バランス感覚! このまま少しでも長く距離を放そうとするハル、しかしシラユキがそれを許さない。 「イヤーッ!」リンゴ由来のドクで腐るブレード刀身!「これがリンゴだべ!」19 #ナナニン

2016-07-09 01:21:46
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

そこへミウも駆けつける。数的不利! ((あーあー、不利なバトル仕掛けちゃって!))「仕方ないでしょ!」「イヤーッ!」死角からのミウのキック!朽ちかけたブレードで防御する。このままではジリー・プアーだ。両者パルクールに移り攻撃を繰り返すが、ハルは押されつつある。20 #ナナニン

2016-07-09 01:30:05
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

(なにか……、なにか反撃できるもの……)と、ハルの視界に以前ブレードを借りたセブンスマートが入る。 「ええい、一か八か!」高度を下げ、店内突入!巻き起こるクラッシュ音と陳列棚崩壊! 借りていたブレードを棚に返し、新たなブレードを2本とりハルは追跡者を待ち構える。21 #ナナニン

2016-07-09 01:36:37
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

【ザ・フュジティブ】前編完、後編へ続く #ナナニン

2016-07-09 01:38:08
𝒸𝓊𝓇𝓇𝓎@感謝を @88paksr8623

投下しててアイドルってなんだよ……ってなってたけど、まあいいか ……いいよね? pic.twitter.com/0I3v4WMoOI

2016-07-09 01:55:27
拡大